決められたマクロバランスの範囲内であれば、調整することは可能である。たとえば、ダイエットの大敵である高カロリーな食べ物の誘惑に負けてしまったとき。ラーメンやハンバーガー、スイーツなど、ダイエット時には避けたい食べ物ほど、無性に食べたくなってしまう。ダイエット開始当初はこの誘惑に打ち勝つことができても、意志の力が弱くなってくるとつい魔が差して食べてしまったことは、ダイエット経験者のほぼ全員が経験しているであろう。

(本記事は、Testosterone氏の著『 筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』KADOKAWA 2017/6/30 の中から一部を抜粋・編集しています)

筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方
(画像=Webサイトより)
ここで最悪なのが、一度誘惑に負けてしまうとすべてがどうでもよくなってしまうことだ。自暴自棄になってしまい、欲望のままに食べ、せっかくのダイエットも水の泡になってしまう。はっきり言って、ダイエット時の誘惑を断つことはなかなか難しい。だが、マクロ管理法であれば、ついつい魔が差してしまっても対応できるのだ。

それはなぜか?たとえば、誘惑に負けてショートケーキを食べてしまったとしよう。通常のダイエット時なら「ショートケーキ=ダイエットの大敵」となり、一度食べてしまったら「今までの努力が台無し」と思ってしまう人も少なくない。

ショートケーキのマクロ栄養素

しかし、マクロ管理法のもとでは、ショートケーキも単なる食品の一つにすぎないし、そのマクロ栄養素も数字にすぎない。ショートケーキなら、「タンパク質:4.59g、脂質:25.3g、炭水化物:29.05g、366Kcal」だ。たしかに脂質が多すぎることは否めないが、夕ご飯を調整すれば帳尻は合わせられそうだ。

どうだろう、数字だけを見ることで、冷静に判断できるのではないだろうか?少なくとも自暴自棄になり、暴飲暴食することはなくなるはずだ。

自暴自棄になる理由として考えられるのは、つい食べてしまった食べ物に「どれくらいの栄養素が入っているか」「摂取したカロリーが、自分の摂取すべきカロリーをどれぐらい上回ってしまったのか」ということをきちんと把握できていないからだろう。得体の知れない未知のものだから、不安にかられてしまう。

だが、マクロ管理法をマスターしていれば、「脂質と炭水化物が多いから、夜はサラダチキンだけだな」などと対処できる。つい魔が差してしまい、栄養バランスが偏ったものを食べてしまっても、マクロ管理法があなたの拠り所になってくれる。むしろ、マクロ管理法なしで行うダイエットなど、暗闇の中を手探りで進んでいる状態に等しい。マクロ管理法という指針が光となりコンパスとなり、あなたをダイエットの成功に導いてくれるのだ。

夜に食べすぎたら、反省はしても後悔はするな!

マクロ管理法を行ううえで「魔が差しても、1日の中で帳尻を合わせればいい」と伝えた。

では、もし夜に魔が差してしまったり、食べすぎた場合はどうするか?帳尻を合わせるための猶予がないこの状態では、絶望感を味わうかもしれない。だが、焦る必要はない。

このとき、あなたが取るべき行動、それは「気にしないこと」である。

「すべて台無しになってしまった」と後悔の気持ちに包まれるかもしれないが、いったん冷静になろう。あなたがマクロ管理法に失敗した1日は、1カ月のスパンで見ればたった30分の1である。1日3食食べるなら、1食分の失敗なんて90分の1である。もちろんマクロ管理法を守るに越したことはないが、普段からきちんと守っていれば1日、ましてや1食分の失敗など大したことはない。

ダイエットを開始した1食目でブロッコリーとササミというヘルシーメニューを食べた瞬間に「やったぁ! 痩せた!」と思うだろうか?思わないよな。それと同じで、1食食べすぎてしまった程度で今までのダイエットが水の泡になるなんてことはあり得ない。

もし夜に食べすぎてしまったら「今日は失敗しちゃった、てへ」とか「心は満たされたし、まあいいや」と思ってあきらめろ。自分を責める必要はないし、反省はしても後悔はするな。次の日から淡々と続けていけばいい。

そして、ここからさらに大事なことを伝えたい。

食べすぎたからといって、絶対に翌日の食事で取り返そうとしないでほしい。たとえば、前日に脂質を30g摂りすぎたからといって、次の日に30g減らしてはダメだ。

導き出されたマクロバランスは、あなたの身体が必要としている値だ。次の日に摂取量を減らしてしまうと、栄養不足になってしまう。それに、調整を続けていくとどんどんダイエットが複雑になってきてしまう。だからこそ、調整はしないでほしいし、断食なんてもってのほかだ。

ちなみに、日付が変わった深夜に食べた食事は、前日か翌日のどちらにカウントするか。その答えは前日。マクロ管理法での「1日」は起きてから寝るまでの時間を指し、睡眠するたびにリセットされる。つまり、栄養素をカウントするのは目覚めてから寝るまでの間だ。

徹夜で長く起きている日も、昼間まで寝てしまい起きている時間が短い日も、その日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスはいつもと同じ。だからこそ、徹夜になりそうなときは、あらかじめ朝食の一部を深夜に回すなど、複数回に分けて食べることをおすすめする。本来は活動時間により変化をつけてもいいのだが、シンプルさが大切なので、このルールを徹底するように。何度も言っているが、複雑で実行の難しいプランに価値はない。

誘惑は、最初から計画に組み込め!

人間は誘惑に弱い生き物だ。だが、不測の事態が起きてもマクロ管理法なら臨機応変に対応できることは散々伝えている。しかし、いくら調整できるとはいえ、スイーツやラーメンなどカロリーが高く、脂質が多いものを食べるとどうしても罪悪感を覚えてしまうだろう。

罪悪感に苛さいなまれていては、健全にダイエットを続けていくことは困難だ。そこで、マクロ管理法を長く続けるコツを紹介したい。

この罪悪感、衝動で食べてしまったときに生まれる。

だったら、逆転の発想で、計画の中に「どうしても食べたいもの」を組み込めばいいのだ。

たとえば、日曜日の夜にスイーツを食べるのであれば、日曜日の食事の内容を工夫すればいい。衝動で食べるのと計画に組み込んで食べるのとでは、自分自身の受け止め方に雲泥の差が生まれる。あくまで自分のコントロール下においておけば、ケーキを食べることは「事件」でもなんでもなく「計画」になる。

計画的に食べたいものを食べるこのノウハウは本当におすすめだ。というのも、私の友達にボディビルダーがいるのだが、彼は減量中にある高級ホテルに泊まっていた。朝食には豪華なビュッフェが用意されていたが、減量中の彼は必死に我慢を続けていた。宿泊していた4日間を無事耐えることができたが、帰りの空港で誘惑に負けてしまい、なんとマクドナルドのハンバーガーを食べてしまったそうだ(笑)。

そのときに彼が感じたのは「同じカロリーを摂るなら一流レストランの食事にしておけばよかった…」という後悔。ボディビルダーの彼でさえ誘惑に負けてしまうのだから、一般の人はもっと誘惑に負けやすい。そこで罪悪感を持ったり、後悔するくらいなら、計画的に食べてしまったほうがいい。

特に、高級なお店に行ったときやお土産をもらったときなど、そのタイミングを逃すと次のチャンスがなかなか訪れない場合がある。そこでグッと我慢し、あとからいつでも食べられるコンビニやファストフードで食べてしまうのは、精神衛生上もよくない。

何度も言うように、ダイエットは長続きしなければ意味がない。長続きの大敵は、ストレスだ。ストレスによってダイエットが続けられないくらいなら、いっそのこと食べたほうがいい。それが「計画的」であれば、罪悪感もストレスもなくダイエットが続けられる。

あなたが健康でキレイな歯がほしければ、毎日欠かさず歯を磨くだろう。ダイエットも同じ考え方を持ってほしい。理想の体を手に入れたいなら、ダイエットや正しい食生活を続けないといけない。決して数日や2~3カ月やって終わるわけではないのだ。ダイエットは自分を追い込んで、厳しくすればするほどいいわけではない。キレイな歯がほしいからといって24時間歯を磨き続けないように、ダイエットや正しい食生活も短期間でやることではなく、長期間続けられることのほうが大事だ。

その点、マクロ管理法であれば、既存のダイエットと比べて効果もあり、ストレスを感じにくく、長続きしやすいのである。

【「ビジネスエリートの最強の食べ方シリーズ」はこちら】
(1)学歴より大事な「食事の知識」 筋トレがやっぱりすごい根本的理由
(2)筋トレビジネスエリートの「マクロ管理法」 ダイエットに必要なたった5つのステップ
(3)「スイーツ食べちゃった……」焦るな、まだ間に合う 長続きするダイエットのコツ
(4)ご存知マッチョ御用達のアイテム 皮なし鶏むね肉は「神食材」
(5)「肥満ホルモン」と筋トレの関係 ハイパフォーマーへのカギは「低GI」

Testosterone
1988年生まれ。学生時代は110キロに達する肥満児だったが、米国留学中に筋トレと出会い、40キロ近いダイエットに成功する。大学時代に打ち込んだ総合格闘技ではトッププロ選手と生活をともにし、最先端のトレーニング理論とスポーツ栄養学を学ぶ。現在はとあるアジアの大都市で社長として働きつつ、筋トレと正しい栄養学の知識を日本に普及させることをライフワークとしている。Twitterアカウント: @badassceo