利益率の大幅な向上がサプライズ

日本株銘柄FOCUS,安川電機
(画像=Webサイトより)

安川電機が20日に発表した第1四半期の業績は、売上高が前年同期比18.9%増の1075億円、営業利益が同2.4倍の132億円となり、売上高、営業利益とも第1四半期として過去最高となりました。半導体や電気自動車、スマートフォン関連の設備投資が活発で生産設備に欠かせないサーボモーターの販売が中国で大きく伸びたほか、中国での人件費の上昇などを背景に産業用ロボットも好調でした。

こうした第1四半期の実績に加えて、足元の好調な環境が現段階で第3四半期の前半まで続くことがしっかりとみえているとして安川電機では業績予想を上方修正しています。年末から年明けにかけて不透明な部分があるため下期の見通しは据え置きとなりましたが、上期の見通しを売上高で150億円、営業利益で85億円引き上げています。この結果、通期の業績予想(変則決算のため決算期を従来通りと仮定した場合の参考値)は売上高が前期比12.7%増の4450億円へ、営業利益が同59.5%増の485億円へと修正されています。

第1四半期時点での上方修正もややサプライズですが、それ以上に驚きだったのが利益率の大幅な改善です。ロボットセグメントの営業利益率が前年の第1四半期の6.9%から9.9%となり3ポイント上昇したほか、主力のサーボモーターをメインとするモーションコントロールセグメントでは営業利益率が11.4%から20.0%へと一気に8.6ポイントもアップしています。コストダウンに加えて、中国での大幅な拡販が利益率の向上に大きく貢献しており、安川電機ではこうした高い利益率が第2四半期以降も継続するとみています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

【関連リンク マネックス証券より】
ここから1カ月の夏休みとバタフライ・エフェクト
イエレンFRB議長の半期議会証言と米CPIに注目 場合によっては円高に巻き戻るリスクにも警戒
ECB利上げのタイミングは?:リスクとしてのイタリアの金融
日銀・ECB金融政策会合終了: いずれも金融政策は維持。注目は米国のFOMCと政治問題へ
目標株価の引き上げがみられる小売り株は