「購入物件は、立地が良く、利回りが高く、入居率が高くなくてはいけない」
はっきり言いましょう。あなたがすでに資産家であるならともかく、一般の個人投資家にそんな「一流物件」はおいそれと回ってきません。そういう「おいしい物件」は、超のつくお金持ちや資産何百億という大投資家が早々と購入してしまいます。
流しそうめんでいうと、我々のような個人の不動産投資家は、下流でそうめんを待っている状態なのです。まず、このことを認識しましょう。
では、我々は購入に値するような物件にありつけないのでしょうか? そうではありません。資産家や大投資家が見逃すような「二流物件」にも、磨けば光る「一流物件」はあるのです。ポテンシャルは高いのに、不運にも「二流」に甘んじている物件を激安で購入して「一流」に再生する、これが「再生」不動産投資のコンセプトです。
さて、「再生」といっても、私の投資手法は築古の木造物件をリノベーションするわけではありません。空室率50%以上で築浅の中古物件を購入して、運営改善により満室に再生するというものです。
(本記事は、天野真吾氏の著書『
3年で年収1億円を稼ぐ「再生」不動産投資
』ぱる出版(2017年8月3日)の中から一部を抜粋・編集しています)
おしい大家は空室情報をリスクと捉え、できる大家はチャンスと捉える
「できる大家」は、不動産賃貸業、不動産再生事業において、物件購入検討時、空室情報にワクワクします。物件の運営状態が悪く、清掃も行き届いていなく、汚い状況を見て、 嬉しくなります。
購入を検討している物件が、ピカピカで綺麗で、価格も安く、利回りがいい物件というのは、市場に、ほとんど存在していないことをよく理解しています。そのため、購入を検討している物件が、土地や建物としては価値があるのに、運営状態が悪く日の目を見ていないとなると、自分がピカピカな物件に蘇らせるイメージが湧いてくるのです。不人気の物件でも本質的な価値に目を付けたら、積極的に安値で買付を入れていきます。
ボロボロに見えても、立地が良く、建築時にお金をかけたしっかりとした構造であり、居住性も快適な物件、というのは存在します。
物件売却時、おしい大家は物件価格だけに着目し、できる大家は売り主の理由にも着目する
「できる大家」は、物件の売却理由に着目します。売主に特別な売却理由がない限り、 物件を市場価格より安く仕入れることは難しいことと理解しています。企業が保有していた土地・建物で、倒産してしまったため、割安に売却となっている案件、個人の相続案件であり、相続税の支払いが迫っており、割安でも早く、土地・建物を現金化したい案件、 離婚された方々が、一刻も早く、売却したい案件、等が存在します。
離婚された方々は、市場価格という話ではなく、一刻も早く、いくらでもいいから、こ の物件を売却して、相手との関係を断ち切りたい、と強く願う売主もいらっしゃいます。 将来を誓った相手を憎み、恨み、早く相手との関係を絶って精算したいという姿を見ると、 複雑な思いがあります。売主の要望が一刻も早く、いくらでもいいから、となると、その 要望は買主側としては、非常にいい取引条件となってきます。他人の不幸をビジネスにするのか、という批判的に見る部分もあれば、売主側の問題解決に手助けをしてあげることができた、と見る事もできます。一つの側面から、批判中傷することは避けたいところです。そして、「できる大家」は、売主側の問題解決に手助けするビジネスと考えて、行動していきます。
物件購入時、おしい大家は物件の利回りのみを見て、できる大家は売り主の手残りを見る
「できる大家」は、物件購入検討時には、その購入する物件の最終的な手残りに注目して物件を購入するのか、しないのかを判断します。所有している間に入ってくる家賃と売却時に入ってくる売却益が、どれくらいになるのかを想定して購入していきます。
私の不動産再生事業では、物件取得時に入居率や運営状態が非常に悪いかわりに、物件価格を割安で購入できます。インカムゲインだけでなく、キャピタルゲインも大きく狙っていける物件を選定しています。私が、実際に棟目で購入した物件ですが、5000万円前後の地方RC物件でしたが、インカムゲインも着実に入ってきて、売却時にも千万円単位でキャピタルゲインを得ることができた物件でした。
売却時に、不動産市況にそった市場価格で売却をしていますので、その後の運営に困る価格ではありません。私は、買主にとっても購入メリットはある状態で売却をするよう心がけています。
1棟目からこのような大成功を収めることができたのは、不動産購入時に「最終的な手残りに注目して物件購入」をしたことが大きな成功要因だと思います。
物件購入時、おしい大家は、金利4.5%を除外し、できる大家は金利4.5%を上手に活用する
金利4.5%は地方の県庁所在地や主要都市を狙う地方の築浅RC物件で、空室率が高く、運営状態が悪い物件、かつ利回りは、一般的な 物件よりも非常に高い物件に狙いを定めて利用しました。金利4.5%の金融機関を利用する場合、地方でも、県庁所在地や主要都市に狙いを定めています。
また、売却時にも、地方の築浅のRC物件で、満室であれば、不動産投資家が利用できる金融機関が数多く存在して、売却が容易になるからです。
私は地方の大都市でターミナル駅からも1駅であり、空室率が高く運営状態が悪いけれど、築年のRC物件を満室想定利回り13〜14%前後で購入して、運営を改善し、常時満室稼働を実現することで、毎月大きな利益を出す物件に再生しました。金融機関の金利4.5%だけに目がいくと、とても利用できないと判断しがちですが、その金利でも大きく利 益が出る物件に当てはめていく柔軟な発想でチャンスをゲットしています。
金利4.5%を利用する際、その購入物件の最終的な手残りに注目して物件を購入する のか、しないのかを判断します。インカムゲインであっても、キャピタルゲインであって も最終的に利益が出れば、どちらの金融機関を利用してもいいという発想です。金利が高い金融機関には、訳ありで利回りが高い物件を当てていくイメージです。
天野真吾(あまの・しんご)
「湘南再生大家」の愛称で親しまれる不動産投資家。不動産投資と収益物件情報サイト「健美家(けんびや)」コラムニスト。東京経済大学・経済学部卒業後、国内IT系商社に入社。5年後、外資系 IT グローバル(世界最大)企業へ転職。営業畑(企業営業)一筋に勤務する傍ら 2008年より「再生」不動産投資に挑戦し資産20億円・家賃年収2億円にしたカリスマ投資家。所有物件(12棟・約200戸):東京都・神奈川県・埼玉県・静岡県・愛知県・福岡県に一棟収益不動産所有。地方と首都圏の物件をバランス良く所有して、 収益を最大化する仕組みを構築。 近年はコンサルティンクグ事業にも力を入れ、事業家・不動産投資家の育成に も尽力する。趣味は、約120ヶ国を訪問した海外旅行とテニス。
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