乗車拒否で摘発を受けた法人タクシーに対する処分を厳格化する検討が、韓国・ソウル市で進められている。

ソウルの個人タクシーは乗車拒否で行政処分を3回受けると免許が取り消されるが、法人タクシーは処分が軽く、法人タクシーへの処分基準の厳格化を国土交通部に要請する。あわせて常習的な乗車拒否で摘発されたタクシー会社20社の特別点検を実施する計画で、違反件数が多いタクシー会社に対して、クレジットカード決済手数料の支援を減額する方針だ。

乗車拒否の撲滅をはかり値上げを敢行

韓国経済,タクシー業界
ソウル・明洞聖堂近くの路上で、2017年8月(写真=筆者 ※画像を一部加工処理しています)

乗車拒否は近場と夜間に多い。空港や駅などで客待ちをしているタクシーは、近場への乗客を拒否する傾向が強い。地下鉄の運行が終わる23時以降はさらに深刻で、乗客を乗せる前に行き先を尋ねて乗せるかどうかを決めるタクシーが多く、繁華街の周辺は“タクシー難民”が列を為している。

2013年10月12日、ソウル市は一般タクシーの初乗り運賃を2400ウォン(約240円)から3000ウォンに引き上げた。追加の距離運賃も144メートルあたり100ウォンから142メートルで100ウォンになり、平均走行距離6キロ基準で10.9%の値上げとなった。

タクシー業従事者の処遇改善が主な理由だが、同時に乗車拒否の取り締まりを強化した。タクシー運転手の教育時間も大幅に増やし、利用する市民は乗車拒否の撲滅を期待して大幅値上げを受け入れた。値上げ直後は乗車拒否が減少したが、時間とともに増え始めている。

あとをたたないぼったくりタクシー