「できる大家」は、物件購入検討時、金融機関には紹介で訪問します。事業として、物件の購入を検討しているスタンスでアプローチもします。金融機関は、一見さんには厳しいことも理解しており、金融機関には紹介で訪問することを第一に考えます。

「おしい大家」は、金融機関には、突撃飛び込み訪問をして、引っかかった金融機関に融資をしてもらえればいいと考えています。真剣に、「数撃てば当たる」と考えています。金融機関の目線ではなく、自分の目線で物事を考えていますので、金融機関担当者が不動産に融資を決定するまでの融資プロセス、稟議内容をまったく理解できていません。

融資は、「貸した人が、融資金額を本当に返してくれるか」が大きなポイントであり、 信用できる人物かどうかが、キッチリとみられています。相手の状況に即して対応できない人が、本当に約束通り返済できるのか、疑問に感じるのは当たり前です。さらに、「不動産投資で資産形成したい」などと、個人的な願望を伝えることに終始することもあります。不動産融資というのは、事業のサポートはしますが、個人の資産形成願望はサポートしません。

ビジネスはひとりよがりになっていないことが、とても大切です。「できる大家」は、「相手の目線で作戦をたてて、実行していく」というビジネスの基本ができているため、成功を引き寄せるのかもしれません。

本記事は、天野真吾氏の著書『 3年で年収1億円を稼ぐ「再生」不動産投資 』ぱる出版(2017年8月3日)の中から一部を抜粋・編集しています

「いい物件」の基準を、できる大家は自分の購入基準に求め、おしい大家は金融機関の融資に求める

不動産投資,不動産再生,融資,大家
(画像=Webサイトより)

「できる大家」は、物件の購入検討時、「自分の物件購入基準に合致すればいい物件」と いう判断基準ができています。自分の物件購入基準に合致したうえで、金融機関から融資 してもらえる物件を選定していく流れを作っていきます。
私は、「キャッシュフローがプラスであり、毎月インカムゲインが確実に積み上がる物件」 「積算評価額が、売価を上回る物件、返済比率50%以下(できれば返済比率 40%以下)の物件」「地方の建物で利回り8%~ 20%のRC物件」「首都圏の建物で利回り6%~12 %のRC物件」「全空き物件や空室率 50%以上の物件」というような指標を満たして、融資が組み立 てられるようであれば、購入に向けて即買付を入れていきます。その際、金融機関からの条件で頭金を要求される場合、積極的に頭金を投入して購入していくスタンスです。その購入検討物件が、自分が再生していく意義がある物件であれば、 積極的に自己資金も投入していくスタンスです。

どうしても頭金が用意できそうもないという場合、リフォーム費用込みで金融機関へ融資を打診して、承認を得ていく方法もアリでしょう

「おしい大家」は、不動産仲介会社から紹介された金融機関で融資を獲得できればいいと考えています。物件と融資をセットにして持ってきてもらい、契約書類に署名・捺印をすればいいと考えています。金融機関が融資をすれば「いい物件」、だと勘違いしている のです。
金融機関としては、「サラリーマンだから給料から補填してもらえれば、返済は滞ることはないだろう」「最悪、物件を処分すれば融資を回収できるだろう」「自宅を担保に取れ ば、取りっぱぐれはないだろう」と考えていることを理解できていません。融資実行する 金融機関の手の内を理解できていないのです。

「できる大家」は、融資をしてもらう金融機関の手の内を理解して、向こうから「ぜひ融資をしたい」と言わせるような物件を選定して、購入検討していきます。きちんと金融 機関や投資家にヒアリングをして融資基準について調査、融資の段取りを付けて、自分の 物件購入基準に合致するか、シビアに物件を見ていきます。

自分が主体となり、たとえ、金融機関が満額融資可能という条件だったとしても、自分として「いい物件」であるかを重視します。常に冷静に見極めていくため、大きな失敗をすることはありません。購入した物件は、ことごとく成功を積み上げていくでしょう。

融資の基準ですが、「首都圏の建物」「地方の建物」ともに「法定耐用年数内の返済年数」 でかつ、「返済比率50 %以下」で受けるようにしましょう。返済比率50 %以下の建物で、 満室稼働ができれば、不動産再生事業の成功に近づいていきます。

「融資担当者の言葉」を、できる大家は裏を読んで理解し、おしい大家は真に受ける

「できる大家」は、購入を検討している物件を金融機関に持ち込み、担当してくれる金融機関担当者の言葉を正確に把握、理解できます。

たとえば、金融機関担当者が、「あなたの、この所有物件は買ったばかりなので、1年くらい様子を見させてください」「あなたが、1年後に決算状況が良ければ...融資を検討 させてください」「次の融資について、現時点ではなんとも言えません」というような会 話があった場合、「できる大家」は、「私には融資をする気がない」と判断しています。

「総合的に判断して、今回の融資はできません」「総合的に判断して、今回の融資は難しいです」もそうです。「物件を変えたら融資が出るかも」と思うのは間違いです。もし、 物件が悪かったのであれば、「ぜひ、融資をしたいので、物件を入れ換えて、融資対象となる物件を持ってきてください」と言われることも想定できています。

「おしい大家」は、このようなセリフを言われたとき、「1年後まで、自分の所有物件の 運営を頑張り、いい決算をしよう」と考えてしまいます。「1年後に持ち込んでも目がない」 ことを理解できていません。「総合的に判断して、今回の融資はできません」「総合的に判断して、今回の融資は難しいです」という言葉も自分の属性で落とされているとは理解できていません。

「できる大家」は、金融機関担当者がダイレクトにすべてをあなたに伝えることはでき ないことを理解しています。そのため、言葉のニュアンスから、金融機関担当者の意図を 推し量ることができます。脈がない金融機関は、さっさと諦めて、可能性がある金融機関 を当たっていきます。ムダ打ちが少ないため、効率よく、金融機関を開拓していきます。 正確に、金融機関担当者の意図を理解するコミュニケーション能力が、成否を分けていくのです。

天野真吾(あまの・しんご)
「湘南再生大家」の愛称で親しまれる不動産投資家。不動産投資と収益物件情報サイト「健美家(けんびや)」コラムニスト。東京経済大学・経済学部卒業後、国内IT系商社に入社。5年後、外資系 IT グローバル(世界最大)企業へ転職。営業畑(企業営業)一筋に勤務する傍ら 2008年より「再生」不動産投資に挑戦し資産20億円・家賃年収2億円にしたカリスマ投資家。所有物件(12棟・約200戸):東京都・神奈川県・埼玉県・静岡県・愛知県・福岡県に一棟収益不動産所有。地方と首都圏の物件をバランス良く所有して、 収益を最大化する仕組みを構築。 近年はコンサルティンクグ事業にも力を入れ、事業家・不動産投資家の育成に も尽力する。趣味は、約120ヶ国を訪問した海外旅行とテニス。

【編集部のオススメ記事】
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)