2017年6月、ソウル・明洞駅の近くにオープンした8階建てのミニ百貨店「ダイソー明洞駅店」。高級品を扱う新世界百貨店をはじめ多くのブランドショップが建ち並ぶエリアに隣接した地域にあり、公示地価が1平方メートルあたり1078万ウォン(約103万円)。そんな場所で1000ウォンから5000ウォン(約95から477円)の低価格品を販売しており、マスコミからも注目を浴びている。

週末には人の流れを変える盛況ぶりで、1階はレジを待つ行列で埋め尽くされているが、慌ただしく買い物を済ませるのでなく、時間をかけてフロアを回りながら商品を比較購入する利用客が多い。すぐに必要とはしない商品を少額で買う楽しさを提供するアミューズメントの要素が受けているようだ。

信念は「品質イコール価値」

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(写真=筆者)

韓国ダイソーを運営する大創亜成産業の母体企業である亜成産業は、1992年の創業以来、日本の大創産業をはじめ世界各国に生活用品の輸出を行なっている韓国企業だ。

亜成産業は1997年にアスコイーブンプラザという韓国初の均一ショップを開店した後、2001年にダイソーに名称を変更した。韓国ダイソーは2016年には1兆5600億ウォン(約1488億円)を記録。韓国内の店舗は16年時点で1000店を超えており、商品点数は3万点以上、一日の店舗訪問客は60万人に達している。

韓国ダイソーの主な成長要因は、商品のコストパフォーマンスだ。大創亜成産業の朴正夫(パク・ジョンブ)会長は、中央日報の取材に対し、徹底して均一価格ショップを守ったことが成長の秘訣と答えている。1000ウォンから2000ウォンの商品が全体の80%を占め、5000ウォンを超える製品は扱わない。

安いだけではない。消費者の目が厳しい日本に輸出してきた経験が品質に活かされている。コストパフォーマンスに加え、毎月、数百種類の新商品を投入する商品開発力も成長を後押ししている。

見る楽しさもある