中国の越境Eコマース市場規模は、順調に拡大している。市場調査会社iiMediaResearchのデータによると、2016年の越境Eコマースの市場規模は、B2Bも含め6兆3000億元となり、2015年比23.5%伸びた。2017年にはさらに19%伸び、7兆5000億元になると予想されている。ニュースサイト「今日頭条」がその現状と見通しを伝えた(1元=16.51円)。

越境Eコマースの各社シェア

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(写真=PIXTA)

国際物流とデリバリー技術の発達は、越境Eコマースの発展を加速させた。国内初の(2013年設立)の海外商品代理購入サービスサイト「海淘網」によると、2016年の同サイトの顧客数は78.3%増加して4100万人に達した。

なお同社は米国のアマゾン、日本楽天と提携している。同社はまだ市場は飽和状態とは見ていない。2017年末には6000万人、2018年末には7000万人と、今後も高い成長を維持すると予測している。

2017年上半期の越境Eコマース市場シェアは、網易グループの「網易考◎海購(◎は土ヘンに立)」が24.7%を占めてトップ。2位はアリババグループの「天猫国際」で20,3%、3位は唯品会の「唯品国際」15.7%、4位は京東の「京東全球購」12.5%という順で、いずれもネット通販大手グループのサイトである。

5位は「小馬頭」の5.3%、同社は越境Eコマース専業。6位は「小紅書」5.3% 同社はコミュニティの共同購入から出発している。なお上記の会員数4100万人を誇る「海淘網」はランキング表上位には出てこない。

大手の戦略

記事は大手の戦略について触れている。

●網易考◎海購=◎は土ヘンに立
同サイトでは4月以降、“欧州戦略”本格化させた。今後3年間、少なくとも30億ユーロを投入して、欧州の高品質商品を調達する。優秀な欧州企業や新しいブランドの中国展開を推進していく。欧州商品最大のバイヤーという基盤に作って、欧州市場の発掘を加速させる。

●天猫国際
天猫は5月末、米国シリコンバレーに“天猫硅谷新品実験室”を設立した。インテル、マイクロソフトを含む10社の協力で立ち上げた先端技術の実験室である。ビッグデータを新エネルギーとして、最先端の商品開発に関与していく。将来的に欧州や日本でも実験室を展開する予定だ。

●京東全球購
京東は5月末、西安宇宙基地と契約を交わした。広大な基地敷地内に京東の世界物流本部を置くという内容である。無人システムの展開において双方は協力し、スマート物流の確立を目指す。

当局のスタンスは?

大手3社は壮大な夢を描いているようだが、問題はないのだろうか。

品質管理について、網易考◎海購(=◎は土ヘンに立)と国家検測中心は、3月に越境Eコマース商品の品質管理で協力することに合意した。情報交換、データ共有、協同処置などを通じて商品の品質を保証する。天猫国際はベビー用品についてアレルギー対策まで含めた高い水準の商品規範を設定している。

また工商総局は“2017網絡市場監管専項行動方案”を発布し、越境Eコマースや個人取引など新しいモデルにおける違法行為の判断と調査について方案を示した。越境Eコマースの輸出入に関し、偽取引や海関(税関)の監督逃れ行為を取り締まる。

偽物や不法行為の摘発は必要だが、まっとうな商品までチェックを厳にすると越境Eコマースの発展に水をさす。税関も中国の例にもれず、裏表のある組織だ。かつではホテル、ゴルフコース、動物園まで備えた職員用豪華保養施設を作って批判されている。最近もあまり評判が良くないのは気がかりである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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