何年か後にVAIO、シャープ、ブラックベリーは中国市場で復活しているのだろうか?

その試金石ともいえる事例があった。中国ネット通販2位の「京東」は、これら3ブランドの本格販売に向けテスト受注を開始した。経済ニュースサイト「界面」が伝えた。3ブランドは復活できるのだろうか?

初日の販売データ

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(写真=leungchopan/Shutterstock.com)

「京東」のWEBページに、VAIO、シャープ、ブラックベリーのPCやスマホは掲載されていなかった。いつ消えたのか覚えている人もいないだろう。残っているのは記憶だけである。その記憶を呼び起こして販売につなげることはできないか。そう考えた京東は、中国人の最も好む8の数字が4つ並ぶ8月8日午後8時8分から、これら3ブランドの復活に向け予約受付を開始した。

京東は、8月9日の正午まで約16時間の受注データを発表した。予約したユーザー数は、VAIO 6550人、ブラックベリー 1万7031人、シャープ 4万3880人だった。

かつて中国で沈んだ3ブランド

3つとも優秀な産品を生み出してきた高い評価の有名ブランドだが、かつて中国市場から退出したか、または本格展開まで至らずに終わっている。中国のPC市場、携帯市場の成長と共に歩むことに失敗したのだ。ただし一定の知名度を残して去った。

VAIOはかつてソニーの高性能PCのブランドで、性能もデザインも優秀だった。ところが2014年、ソニーから離脱した後は世界展開をやめ日本国内市場に特化した。

ブラックベリーは、世界のビジネスマンに愛されたブランドだ。最も有名な宣伝マンは、オバマ前大統領である。しかしノキア、モトローラなどのかつての巨頭と同様、同社は発展の方向性を見失った。中国市場に対しても同じであった。業績は急速に下降し、2016年末ブラックベリーの携帯部門はTCLに買収された。

ブラックベリーに比べ、シャープの携帯事業は比較的早くスマホへの転換を果たしていた。しかし価格ほどのすぐれた機能はなく、競争激烈な中国市場では受け入れられなかった。そして2016年4月シャープは富士康(フォックスコン)に買収された。

中国市場への回帰は成功するか。

今回投入された商品は以下のものである。

VAIOは、ハイエンドのノートパソコンVAIO S13が1万1888元、VAIO Zは1万3288元。

ブラックベリーは、中国版のキーボード搭載スマホKEYoneを発売する。4G+64Gのアップグレード版で3999元。

シャープはAquos S2を発売する、丸みを帯びたデザインは“美人尖”と呼ばれている。2499元(1元=16.51円)。

いずれもライバルと比べて価格メリットはない。打ち出しているのは“懐かしさ”である。しかし先の予約者数は、かなり高い数字と言ってよいのではないだろうか。

とにかく3ブランドは中国市場回帰への第一歩を踏み出した。自社で新たに販売ルートを開拓するより、京東の助けを借りる方が、潜在顧客の発掘スピードははるかに速い。記事は、眼前の数字は既に過去のものだ。今後の発展には、より系統立てた市場の考察が必要と結んでいる。

最も関心を集めるのは、ゼロからの中国市場復活を目指すVAIOである。ちょうどライオン <4912> がネット通販首位のアリババ向け専用商品を投入すると伝えられたばかりだ。中国ネット通販大手との関係も含め、その将来への注目度は非常に高い。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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