「できる大家」は、不動産再生事業は、土地・建物の再生に留まらず、売主であるオー ナーや所有会社の再生にも関わる壮大で夢のある事業だと考えています。潜在能力が高いのに、うまく運営できていない土地・建物、再生を期待される物件が多く市場には存在していることを知っています。中には、価格が高すぎて採算が合わない物もありますし、すべての不動産再生物件が素晴らしいということでもありません。しかし、割安な不動産で、 土地・建物の再生をすれば素晴らしい収益性を発揮するキラリとした潜在能力を見抜く力があります。

本記事は、天野真吾氏の著書 3年で年収1億円を稼ぐ「再生」不動産投資 ぱる出版(2017年8月3日)の中から一部を抜粋・編集しています。

再生が可能か「おしい大家」は室内の汚れ具合で判断し、「できる大家」は建物全体で判断をする

不動産投資,大家,再生
(写真=PIXTA)

「できる大家」は、「建物全体を見て、いけるかどうか」判断をしていきます。そのプロ セスで、専門的なところは専門家に任せていく方針です。建物の状態把握、修繕・メンテナンス状況確認、今後の修繕必要項目の洗い出し、道路付けに問題がないか、自分が不得意な分野は、業務委託にてその道のプロに協力を仰ぎます。

私が他人に任せにくいと感じて一番注力しているのは、「募集家賃調査とその決定」です。 「周囲の環境調査や周辺物件の家賃調査」は、自分の足で歩き、自分の目で見て「募集家賃、適正家賃」を決めていきます。ここが間違ってしまうと、すべての不動産再生事業の計算が狂ってしまうからです。

「おしい大家」は、「室内の汚れ具合を見て、ダメだと判断」します。建物共用部が汚い物件や、室内がリフォームされていない汚れが酷い物件は、購入する価値がないと短絡的 に考えてしまいます。さらに、「将来の見えない修繕費に不安」になり、その見えない部 分にエネルギーを取られてしまいます。

建物共用部が汚い物件は、清掃体制を整えてクリーンな状態にすればいい、室内の汚れが酷い場合、原状復帰工事を綺麗に実施しよう、そのような考えに向かうことはありません。

投資の成功を「おしい大家」は収益だけで判断し、「できる大家」は売却後に総合的に判断する

「できる大家」は、所有物件を売却した際、はじめて最終の利益が確定することを知っ ています。そのため所有物件を売却するまで、この物件の事業プロジェクトが「成功か失敗なのか分からない」と考えています。その収益額がプラスなら「成功」、マイナスなら「失敗」です。

収益額の内訳として、インカムゲインの金額は、入居者から支持された物件ということで、入居者を笑顔にした数だと解釈します。

キャピタルゲインに関しては、購入側と売却側は利益相反であることも理解しています。 「三方良し」取引の形態は理想ですが、購入側が高く購入すれば、売却側は儲かり、購入側が安く購入すれば、売却側の儲けは少なくなります。そのバランスを見て、売却金額の着地点をうまく設定していくのが「できる大家」です。

「おしい大家」は、売却する際、収益額のプラスが大きいほど「成功」であると考えます。適正な価格で市場に売却をかけるのではなく、自分が得たい金額ベースに売却額を決めていきます。隠れた瑕疵については、隠すことに必死になり、いかに見栄えを良くして、 購入者に気に入ってもらい、高値で購入してもらうか、必死に考えます。

インカムゲインに関しては、入居者からこんな家賃を取れたのか「しめしめ」と考えます。 自分さえよければいい、という根本的な考えから、すべての行動が起こされており、周囲 からすると絶対にお付き合いしたくない「おしい大家」になってしまいます。

「できる大家」は、入居者を幸せにして、周囲を幸せにすることで、自分も幸せであると実感します。売却してきっちり自分の利益を確定していく一方で、その不動産を再生した足跡を残していきます。人々の心に残る不動産、建物を再生して、街に彩りをもたらしていくことになるのです。

リフォーム・リノベーションを「おしい大家」は均一に行い、「できる大家」は差別的に行う

「できる大家」は、新築であれ、中古の一棟物収益物件であれ、どのような入居者をタ ーゲットとするか考慮して、コンセプトをまとめていきます。自分の物件に特徴をつけて、 他物件との差別化を図ります。差別化を図ることにより、コモディティ化を避ける事がで きて、お客様に選ばれる物件となっていきます。

一旦入居してくれた方も他では実現できない室内環境、住環境が揃っている場合、長期 入居に繋がります。長期入居をしてくれれば、退去後の原状復帰工事、リフォーム費用、修繕費用が嵩むことがなく、安定した賃貸経営を実現することができます。

激安で入手したアパート・マンションの場合、立地や室内間取りの競争力がない物件もあります。そういうときは家具・家電設置やプレゼントをするプランを企画して募集を工夫する、ペット可にして差別化を図る工夫をする、漫画家限定、芸術家限定、ゴルフ好き限定、ビジネスマン限定、学生限定、女性限定など職業や趣味、入居者の共通項で差別化することにより、特徴ある物件を企画していきます。

天野真吾(あまの・しんご)
「湘南再生大家」の愛称で親しまれる不動産投資家。不動産投資と収益物件情報サイト「健美家(けんびや)」コラムニスト。東京経済大学・経済学部卒業後、国内IT系商社に入社。5年後、外資系 IT グローバル(世界最大)企業へ転職。営業畑(企業営業)一筋に勤務する傍ら 2008年より「再生」不動産投資に挑戦し資産20億円・家賃年収2億円にしたカリスマ投資家。所有物件(12棟・約200戸):東京都・神奈川県・埼玉県・静岡県・愛知県・福岡県に一棟収益不動産所有。地方と首都圏の物件をバランス良く所有して、 収益を最大化する仕組みを構築。 近年はコンサルティンクグ事業にも力を入れ、事業家・不動産投資家の育成に も尽力する。趣味は、約120ヶ国を訪問した海外旅行とテニス。

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