前週末の海外時間には、8月・米雇用統計で非農業部門雇用者数(18.0万人増予想が15.6万人増)や失業率(4.3%予想が4.4%)、平均時給(前月比+0.2%/前年比+2.6%が前月比+0.1%/前年比+2.5%)となり、いずれも予想を下回る弱い数字となるとドル売りが加速しました。
発表直後は、一時109.50円台までドル円が下落したものの、2.0995%まで低下した米10年債利回りが一転上昇に転じると急速にドルが買い戻される展開になりました。その後に発表された米・8月ISM製造業景気 指数が58.8と予想の56.5を上回る強い結果となると一時110.50円付近まで反発する動きになりました。その後は、米・8月ミシガン大消費者態度指数(確報値)や米・7月建設支出などが弱い数字だったこともあり110.00円付近まで下押す場面もみられましたが、ニューヨーククローズにかけては110.30円付近まで買い戻されています。
ユーロドルは米・雇用統計を受けて一時1.1980ドル台まで値を上げたものの、「ECBのテーパリング開始が遅れる可能性」が一部で報じられたことを受けて下落し、一時1.1850ドル付近まで下落する動きになりました。
週末に報道された北朝鮮発の地政学的リスクが意識され、本日のオープニングは週末のクローズレートよりドル円で約70銭下落してスタートしており、リスク回避の動きが意識されています。引き続き、トランプ政権からのヘッドラインによってマーケットが大きく動く可能性がありそうです。また、国連安全保障理事会は北朝鮮の核実験を受け、本日緊急会合を開く予定です。会合は日米韓のほか、英仏も要請しており、ヘッドライン次第ではトランプ政権からのヘッドライン同様に、リスク回避の動きになるかもしれません。
本日の海外時間には、英・8月建設業PMIが予定されています。
FF金利先物による年内のFOMC追加利上げ確率は約44%に上昇、一回目の利上げの確率が50%を超えるのは2018年3月に変更になっています。(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。
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