現代自動車と子会社の起亜自動車は、2017年上半期(1〜6月)に10万2480台のエコカーを販売し、世界エコカー市場で2位に入った。
前年同期(4万5324台)の2.26倍で、現代・起亜自動車は、2018年に新型の水素燃料電池車(FCV)の発売を計画するなど、エコカー市場で日本のトヨタ自動車に次ぐ2位に浮上したい考えを示していた。
半年ベースでハイブリッド(HV)市場世界2位に入った現代・起亜自動車だが、2016年の電気自動車は11位で、お膝元である韓国の電気自動車を取り巻く環境はお世辞にも良いとは言えない状況だ。
電気自動車で遅れをとる現代自動車
多くの国がガソリン・ディーゼル車の販売を中止する「アラーム」を設定している。英国とフランスは2040年以降にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止すると発表した。ドイツは2020年までに電気自動車を100万台普及させるとしており、ノルウェー、オーストリア、デンマーク、アイルランドなども目標を設定している。米国は連邦レベルの政策はないが、複数の州が目標を設けている。
世界最大の自動車市場に成長した中国は2040年、インドも2030年を目標にガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する方針で、各自動車メーカーは電気自動車拡大の取り組みを発表している。
アウディ−フォルクスワーゲンは2025年までに80モデル以上の電気自動車を出す計画で、200億ユーロ(約2兆7000億円)を投入する。メルセデスベンツは小型車ブランド「スマート」を電気自動車に変え、スウェーデン系のボルボは2019年から電気自動車だけを販売する予定だ。
HVで世界2位に浮上した現代・起亜自動車だが、電気自動車は遅れを取っている。2017年3月に米国で発売した現代車「アイオニック・エレクトリック」は4カ月間で157台しか売れていない。走行距離など、技術力でGMのボルトや日産リーフなどに比べて魅力がないためと専門家は分析する。