上昇、低下を繰り返しながら堅調を維持
経済産業省が9月29日に公表した鉱工業指数によると、17年8月の鉱工業生産指数は前月比2.1%(7月:同▲0.8%)と2ヵ月ぶりに上昇し、ほぼ事前の市場予想(QUICK集計:前月比1.9%、当社予想は同3.0%)通りの結果となった。出荷指数は前月比1.8%と2ヵ月ぶりの上昇、在庫指数は前月比▲0.6%と3ヵ月連続の低下となった。生産指数は16年12月以降、上昇と低下を繰り返しているが、均してみれば上昇基調が維持されている。
8月の生産を業種別に見ると、国内外の設備投資回復を受けて、はん用・生産用・業務用機械が前月比3.7%の高い伸びとなったほか、輸出、国内販売の好調を背景に輸送機械が前月比2.4%の上昇となった。また、世界的なITサイクル改善から好調が続く電子部品・デバイスは前月比1.8%と2ヵ月連続で上昇し、前年比では17年2月以降7ヵ月連続で二桁の高い伸びとなっている。速報段階で公表される15業種中、11業種が前月比で上昇、4業種が低下した。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は17年4-6月期の前期比5.0%の後、7月が前月比▲4.3%、8月が同9.4%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は17年4-6月期の前期比0.8%の後、7月が前月比▲0.7%、8月が同0.6%となった。7、8月の平均を4-6月期と比較すると、資本財出荷(除く輸送機械)は0.2%、建設財は1.6%高い水準にある。
17年4-6月期のGDP統計の設備投資は前期比0.5%と3四半期連続で増加した。企業収益の大幅増加に伴う潤沢なキャッシュフローを背景に設備投資は7-9月期も堅調に推移する可能性が高いだろう。
消費財出荷指数は17年4-6月期の前期比4.0%の後、7月が前月比▲1.4%、8月が同0.0%となった。7、8月の平均は4-6月期よりも▲1.9%低い。個人消費は持ち直しの動きが続いていると判断されるが、7-9月期のGDP統計の民間消費は17年4-6月期には前期比0.8%の高い伸びとなった反動もあり、小幅なマイナスになることが予想される。