2017年も残すところあと3カ月となったが、18年は特例法に基づき、早ければ天皇陛下が同年末に退位する日程も含めて検討されており、平成の時代が幕引きを迎えるかもしれない。
時代の転換期ともなりうる可能性のある年だが、時をさかのぼり、明治に改元した1868年から数えると、ちょうど150年にあたる。欧米列強の背中を追いかけながら近代化への道を歩みだした明治時代には、いまなお日本のビジネスにおいて存在感を誇る上場企業が数多く誕生した。明治から150周年を前に、この時代に産声を上げた上場企業は、どのような顔ぶれだろうか。
明治創業は全国で2万1799社
東京商工リサーチのよると、1868年(明治元年)から1912年(明治45年)の期間に創業した企業は全国で2万1799社に上る。同社が保有する約310万社の企業データからみると、明治時代にビジネスをスタートさせ、脈々とビジネスを継続する企業の割合はわずか0.7%に過ぎない。
全体の企業のうち、産業別では製造業が全体の25.0%を占める5456社で、小売業が23.7%の5172社、卸売業が22.1%の4828社と、トップ3で全体の7割を構成。国づくりの一環として産業が推進され、富岡製糸場(群馬県)に代表される製造業がリードし、日本を貿易立国へと導いた時代背景もあるだろう。さらに近代化によって豊かになった庶民の消費も喚起され、小売り、卸業など内需の消費関連産業の発展をもたらした。
さらに細かく業種別で分類すると、酒小売業が462社でトップ。2位は貸事務所業(460社)、3位建築工事業(413社)、4位旅館、ホテル(408社)、5位呉服、服地小売業(381社)となった。酒関連は、清酒製造業が363社で6位に、酒類卸売業が268社で11位にランク入りするなど、企業活動で存在感を見せつけていた。