中国銀行業監督管理委員会の審慎規制局(防犯、リスク管理、金融機関の法令順守などを担当)は9月末、「今年以来銀行業運行及び監督管理状況」を示し、シャドーバンキングにも触れた。この内容についての反応を、経済ニュースサイト「界面」がまとめている。かつて世界の耳目を集めた中国のシャドーバンキングは、今どうなっているのだろうか。

格付け機関は評価

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(写真=i viewfinder/Shutterstock.com)

強力な管理監督はバブル抑制効果を発揮する。中国のシャドーバンキングは縮小に転じ、当局のコントロールは初めて成果を挙げた。ムーディーズとフィッチレーティングは以上のように評価した。記事のリードである。外国格付け機関による評価を強調したいのだろう。

国慶節明け、フィッチは中国の影子銀行部門は既に縮小している。これは金融体系のリスクを減少へと導くと指摘した。フィッチの分析によると、シャドーバンキングの活動低下は、潜在的な流動性不足を表面化させるかも知れない。

しかし預金準備率の引き下げなど政策手段の動員によって、重要部門には影響を与えないようにしている。

国慶節の前日、中国人民銀行(中央銀行)は確かに預金準備率を引き下げると発表した。しかし人民銀銀行は、普惠金融(inclusive finance)の発展を図るためと目的を明示している。これは金融弱者が対象であり、重要産業に向けたものではない。

シャドーバンキングの縮小データ

銀行監督管理委は、銀行の金融商品購入、その他の利ザヤ稼ぎなど非正規業務までしっかり管理している。そして証券会社向け融資や資金の空転(実体経済からの乖離)を減少させることで金融リスクを下降させたと主張している。

審慎規制局のデータでは、銀行の同業(銀行と銀行以外の金融機構)に対する資産と負債は、今年に入りダブルで収縮を始めた。これは2010年以来初めてである。また理財商品(独自設計の金融商品)の持ち高も7カ月連続で下降し、2兆2000億元減少した。

方正証券による研究では、主にこれらの非伝統的信用貸与業務を指した「影子銀行」の規模は、2008年には8兆元に満たなかった。それが2010年以降急増し、2016年末には、広義の「影子銀行」規模は96兆元と、同年国内GDPの1.28倍にまで膨張した。そのうち非銀行金融機構の管理資産規模は74.2%、銀行の非伝統貸付資産規模は17.8%、その他の融資規模が8%であった。銀行は主役ではなくなっているのである。

管理強化は逆リスク?

当局がしっかり管理していると強調しても、銀行分の17.8%だけではないだろうか。街中に金融ショップが林立し、思いもかけない人が、とんでもない財産を所持しているという中国人の秘密は、残りの74.2%と8%にありそうだ。

そして当局は影子銀行の管理強化を模索中だ。新プラットフォームによる統一評価基準作りを行っている。やがて影子銀行の全面資金管理時代が到来すると記事は結ばれている。

しかし中国経済では、個々人の金融リテラシーの高さと広大なブラックボックスの存在こそが崩壊リスクへのクッションとなっているとも考えられている。下手な管理強化は資金の国外流出を招きかねない。そこは当局も心得ているだろう。それにとても手が回るような額ではない。要は顔さえ立てばよいのだろう。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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