「株主優待をもらいたいけど、どんな株を選んでいいかわからない」
「なるべくなら利益がでる銘柄を選びたい」

これから優待を始めたい人、もしくはすでに始めているけどなんとなくうまくいない人の素直な気持ちではないだろうか。株主優待投資は株式投資のイチ人気ジャンルとなっており、特に個人投資家が注目している。株式投資の本来の難しさから比べると、投資先を「優待中心」に選別するので個人投資家にとっては圧倒的になじみやすい株投資なのだ。

しかし人気は高くても知識不足の状態で株を買ってしまい、「優待をもらったのに株の値下がりで損をした」という話は良く聞く。そこで、株主優待を成功に導くための必要な知識を解説していきたい。「株主優待投資」の基本をはじめとして、人気を集めている優待銘柄のご紹介、株主優待に絡んだ旨味のある投資の仕方や豆知識など惜しみなくお伝えしていく。

目次

  1. そもそも株主優待とは?
  2. 種類も豊富な株主優待 購入時に意識したい注意ポイント
  3. 株主優待は「いくら買ったら」「いつ」「どうやったら」もらえるの?「権利確定日」を知る
  4. 身の回りだけでもこんなにたくさんある株主優待……ANA、マクドナルド、イオン
    1. 1. 日本マクドナルドホールディングス <2702>
    2. 2. ANA <9202> 、JAL <9201>
    3. 3.イオン <8267>
    4. 4.オリエンタルランド <4661>
    5. 5.吉野家ホールディングス <9861>
  5. 株主優待の人気銘柄の3つの特徴
    1. 1.優待利回りが高いこと
    2. 2.優待内容の魅力度合いが高い
    3. 3.必要投資金額が低いこと
  6. 「値上がり益」か「株主優待」か? 「投資レベル別」スタイル
    1. 【初心者向け】株主優待をもらい続ける
    2. 【中級者向け】値上がり益を得る
    3. 【上級者】二単元購入して優待と値上がり益を両方得る
  7. 「優待」と「配当」を両方ねらう欲張り投資の仕方
    1. 1.配当と優待のちがい
    2. 2.優待+配当の実質利回りの考え方
    3. 3.実質利回りの高い企業の実例
  8. 今後旨味の出る優待銘柄を選ぶコツ 3つのポイント
    1. 1.優待新設・拡充に注目する
    2. 2.小型の企業に注目する
    3. 3.企業の業績・安定度に注目する
  9. 株主優待投資に関するおすすめの豆知識
    1. 1.こんなにお得!割引をフル活用する
    2. 2.株を買うほど優待が増える銘柄も中にはある
  10. さあ、優待投資を楽しもう!

そもそも株主優待とは?

株主優待,投資
(写真=PIXTA)

株主優待とは、自社の株式を保有してくれている投資家への「企業からのプレゼント(お礼の品)」のことだ。2017年10月26日現在で株主優待を実施している企業は1300社ほどに増えてきており、ますます注目される投資の一要素となっている。

投資家の利益は、企業成長による株価の値上がり益や配当金以外に、株主優待を実施する企業も存在する。資金力のある機関投資家や外国人投資家が値上がり益を重視する一方、資金に限りがある個人投資家向けの投資スタイルとして優待を享受する傾向がある。

配当金がそこまで魅力的ではない企業でも、株主優待目当てに株式を保有する投資家もいるほどで、だからこそ「株主優待投資」という独特な投資方法が成り立つ。

種類も豊富な株主優待 購入時に意識したい注意ポイント

株主優待の種類は千差万別で、人気のあるジャンルを大きく分別しただけでも以下のように分かれる。

  • 飲食料品……食べ物や飲み物など)
  • 生活用品……掃除、仕事、生活に使う品など
  • 金券……割引乗車券、クオカードなど
  • 食事券……食事が値引き、割引になる券など
  • 施設利用券……テーマパーク、映画などの利用券
  • 割引カード……期間内での割引カード
  • カタログギフト……カタログから品物を選択

株主優待の種類ごとに特徴があり、自分のライフスタイルに合わせて優待を選ぶことが大事である。最初は色々な優待をまんべんなくもらい、使ってみて「お、これはいい!」と感じたものをもらい続けるのがオススメだ。

たとえば、カタログギフトは家に届くのでラクであるとか、食事券系の優待は割りが良くおトク度が高いとか、クオカードは使い勝手が良いといった特徴がある。

株主優待は「いくら買ったら」「いつ」「どうやったら」もらえるの?「権利確定日」を知る

株主優待や配当金を取得するにはその企業ごとにあらかじめ決められた「株数(最低投資株数、最低投資金額)」を保有し、「権利確定日」に株主名簿に記載されることが必要だ。権利確定日に株式を保有していると、株主名簿に名前が記載され、株主優待や配当金をもらえる権利が獲得できる。極端にいえば、「権利確定日」に株を持っていればいいので、最短1日だけ保有して、次の日に株を売却しても優待をもらえてしまう。

権利確定日は傾向としては月末が多いが、注意点として実は権利確定日に株を買っても優待はもらえない。優待をもらうためには権利確定日から数えて4営業日遡った日に株を買わないといけない。

例えば月末が30日(木)の場合には、その日を含め4営業日前の27日(月)までに株を買わないといけないということだ。「●営業日前」と「●日前」は異なる点にも注意したい。「営業日」でカウントする場合、祝日や休日が入る場合にはそれらはカウントしない。

知っておきたい用語として、上述の例でいうと、27日を「権利付き最終日」といい、売却しても大丈夫な翌日28日を「権利落ち日」という。権利付最終日はウェブサイトなどで簡単に確認可能なため、あらかじめ毎月の権利付最終日をチェックしておくことをお勧めする。

【用語まとめ】

  • 権利確定日:株主名簿に名前が記載される日。月末(が多い)
  • 権利付最終日…権利確定日に株式を保有できる最終日。権利確定日から「4営業日」前。
  • 権利落ち日…権利を獲得して売却しても大丈夫な日。権利付き最終日の「翌営業日」。

身の回りだけでもこんなにたくさんある株主優待……ANA、マクドナルド、イオン

私たちの身の回りで人気優待を実施している企業はたくさんある。ここでは特に有名企業と優待内容の概要を一部ご紹介したい。(優待内容は、2017年10月26日時点)

1. 日本マクドナルドホールディングス <2702>

マクドナルドを全国展開している企業。株主優待は、6月末と12月末の年2回実施している。100株保有でハンバーガー、サイドメニュー、ドリンクを選択できるシートが6枚1冊(年間2冊)をもらうことができる。

2. ANA <9202> 、JAL <9201>

ANAは全日本航空、JALは日本航空を運行している航空会社の大手企業。3月末と9月末の年2回実施している。株主優待はANA、JALともに100株保有で50%オフの乗車割引券をもらうことができる(JALは100株だと3月のみ年1回)。

3.イオン <8267>

大型ショッピングセンターやスーパーなど展開しているイオンは、2月末と8月末の年2回実施している。保有株に応じた定められた率でお買い物からキャッシュバック(3%)を受けることができ、「まいばすけっと」など同社店舗で日常的に買い物をする人にとっては非常にお得となる。

4.オリエンタルランド <4661>

オリエンタルランドは子供から大人まで大人気の東京ディズニーリゾートを運営している。

3月と9月の年2回実施している。同社のディズニーランド、ディズニーシーなどで使用できるワンデーパスポートが株主優待用として提供される(100株だと3月のみ年1回)。同社のパスポート料金も値上げが続いていることから、ディズニー好きにとって無料の施設利用券は嬉しい限り。

5.吉野家ホールディングス <9861>

牛丼店「吉野家」など複数業態の飲食店を運営する吉野家ホールディングスは、2月末と8月末の年2回実施している。同社が運営している店舗で使用できる優待券300円が10枚つづりになっている冊子を優待としてもらうことができる。会社員をはじめとした独身男性に特に人気のありそうな優待である。

ちなみに、ここまで紹介した企業の優待はすべて保有する株数を増やすと優待内容が増える(例えば日本マクドナルドホールディングスは持ち株数を300株に増やすと優待が年6冊に増える)。また最近では長期(1年以上であるケースが多い)で株を持つと、優待内容がグレードアップする企業が増えてきている。

株主優待の人気銘柄の3つの特徴

株主優待にも人気・不人気があり、人気の優待を実施している企業の株価は比較的安定した値動きを見せる。前述では大手企業の優待をいくつかご紹介したが、その枠にとらわれない人気優待の特徴をお役立ち情報としてお伝えする。

1.優待利回りが高いこと

優待利回りとは、投資した金額に対してリターンがどれくらいか割合(%)で示したものだ。一般的に優待金額を必要投資金額で割った値に100をかけて算出される。

例として100株保有時の吉野家ホールディングスの優待利回りを計算してみよう。
(2017/10/26現在 同社株の株価は1865円)

【吉野家ホールディングス】

  • 優待内容:年間6000円分の食事券(10枚の300円サービス券が年2回)
  • 最低投資金額:1865円×100株=18万6500円
  • 優待利回り:6000円÷18万6500円×100=3.21%

3.21%は数ある優待銘柄中でもリターンとしては比較的高い方である。食事券などは外食企業も店舗へと足を運んでもらいたい思惑があると思われるため、利回りも高めに設定される事が多い。

優待利回りは株価が上がれば必要投資金額が増えるため、その分利回りは下がる。逆に株価が下がると利回りはその分上がる。優待をチェックするする際、利回りがどれくらいかをチェックしておくとよい。

2.優待内容の魅力度合いが高い

優待基準で企業を選ぶ場合にはその優待に魅力があることが大前提だ。

たとえ利回りが高くて必要な投資金額が低くても、誰も欲しがらないような優待内容だと個人投資家からの資金が集まりにくい。逆に言えば、誰もが欲しい優待は人気の優待銘柄となる可能性が高くなる。具体例を出すと、金券などは換金性が高く、使い勝手がよいので人気が高くなる。

魅力度合いを探るという意味合いでは地味な方法ではあるが、優待の使える店舗に実際足を運んでみるのも一つの方法である。常にたくさんの人で賑わっているようなら、その店舗では優待を使うお客さんも多いかもしれない。

3.必要投資金額が低いこと

人気化するには個人投資家が現実的に買うことのできる金額であることが必要だ。

最低投資金額が100万円以上必要な企業もあるが、一つの企業のみに100万円を投じることのできる個人投資家はそれほど多くはないだろう。

それよりも10万円台〜20万円台程度の金額で買える優待銘柄の方がリスク管理という意味合いでも個人投資家からは人気である。また中には5万円以下で購入できるような優待銘柄もあり、多くのメディアにてまとめて特集が組まれるほど人気である。

「値上がり益」か「株主優待」か? 「投資レベル別」スタイル

株主優待への投資でも株価は変動をする。その株価は基本的には企業業績に影響を受けて動くものだが、業績以外の要因による株価変動があるのも事実である。ここでは優待銘柄で値上がり益を得ることに焦点をあてて解説していこう。

【初心者向け】株主優待をもらい続ける

企業に優待がある限りはその企業の銘柄をずっと持ち続ける投資の仕方がこれにあたる。いわば「優待のみ」を目的に投資をして、株価の変動はほとんど見ないというものだ。

優待を積極的ももらう投資家は優待投資家とも呼ばれるが、損失が発生していても損切り(損失確定の株売却)はしないという人も多い。そのため、保有する株を売るのは優待実施がなくなった時やプライベートな事情かの限定されたタイミングだけである。

運にもよるが、うまくいけば長年もらい続けた優待の総合金額だけで投資金額を全額回収できてしまうこともある。

【中級者向け】値上がり益を得る

「優待目的に株を買ってもしその株価が値上がりしたら場合どうするのか」というのがここでの問題となる。例えば食事券6000円相当を年間の優待としてもらいたいので、15万円投資してある企業の株を買ったとしよう。もし、その企業の株価が1年後に倍になったなら、利益が15万円でていることになる。

仮に上記のタイミングで株を売却したなら税金分を考慮しても手元に12万円近い売却利益(当初もらう予定の優待6000円分の20年分)が残ることとなる。利益がある程度出ている場合には、この売却益を得てからより必要投資金額の低い別の銘柄へと乗り換えるのも一つの手である。

【上級者】二単元購入して優待と値上がり益を両方得る

値上がり益は魅力的。でもやっぱりプレゼントされる感覚の優待品も欲しいという人は、両方得る方法をお勧めしたい。これは優待銘柄を購入する際に「二単元」買う方法だ。

例えば吉野家ホールディングスを優待、値上がり益両方の目的で買う際に100株ではなく200株買うというもの。思惑通り株価が値上がりした場合に、100株のみ利益目的で売却し残りの100株は優待狙いで保有を続ける。

1年以上の長期保有で優待内容が増えたり良くなる銘柄などは特にこの方法は効果的と言える。

ただし最低でも二単元購入が前提のため必要投資金額が増えてしまうのが難点だが、慣れてきたら挑戦したい投資でもある。もちろん投資の腕に自信がついてきたなら買う株数をもっと増やしても問題はない。

「優待」と「配当」を両方ねらう欲張り投資の仕方

長期で株に投資をするメリットの一つとして企業からの配当金がある。優待同様に配当も投資家の利益に直結するものであるため、できることなら優待と配当を同時に受けたいものだ。配当と優待の利回りがバランス良く整っている銘柄を見つけたいものだ。

ここでは優待投資をグレードアップさせるための配当の知識をお伝えしていく。

1.配当と優待のちがい

当を出さない無配当の企業もあるが、1株あたりいくらという形で配当を提示している企業が多く、保有株数に応じて配当金がもらえることとなる。配当を受けるためには、優待同様に権利付最終日に株を保有していなくてはならない。

一つ注意しなくてはならないのは口座の種別にもよるが配当金には値上がり益同様に20.315%の税金がかかる。

例えば、ある企業が100株で年間5000円の配当を出していたとしても、税金を取られてしまうと手取りの配当金は4000円を少し割ってしまうのだが、同じ企業から5000円相当の優待がもらえる場合にはこれに税金はかからない。

その点では、配当より優待の方が実質的な利回りが高くなる。配当も同時に得たいときには税金を考慮して銘柄選びをしよう。

2.優待+配当の実質利回りの考え方

優待利回りについては前述のとおりだが、さらに配当金を加味して「優待+配当」の実質的な利回りを計算する場合も多い。

優待のみで4%を超える利回りを持つ銘柄、優待1%+配当3%であわせて4%を超える利回りを持つ銘柄など、配当を加味することでバリエーションはたくさんできる。やはり、優待も配当も利回りの高い企業というのは人気も高く、優待投資家の間では話題になる企業が多い。

配当をたくさん出す企業は特に業績が安定している企業に多く、同時に業績チェックをすることにもなるので優待銘柄を探す際にはぜひ配当もどれくらい出ているかをチェックして欲しいものだ。

3.実質利回りの高い企業の実例

実例をあげてみよう(下記配当や優待は前年度実績。同社株を推奨するものではないことに注意)

【サンリオ <8136> 】

ハローキティー、キキララなどサンリオキャラクターグッズの販売など。サンリオピューロランドなどの運営も展開。

この同社株を100株購入したとしよう。

  • 配当金:年間1株あたり80円×100株=8000円
  • 優待内容:年2回サンリオ施設優待券3枚(年6枚) ※金額換算で1万9800円
  • 最低投資金額:1891円×100株18万9100円
  • 優待利回り:(8000円+19800円)÷18万9100=14.7%

上記優待は大人一人当たりの平日入場料3300円6枚分で計算したため優待利回りが非常に高くなった。ただ配当利回りだけをとっても4%越えをはたしており、すでに高配当銘柄の仲間入りをしている。

最近は業績に懸念があり、株価が下降の流れになっているのは残念だがこれからの巻き返しに期待したいところではある。ここまで実質利回りが高くなる企業はあまりないものの、探すと10%程度になる企業は他にも存在しているのだ。

今後旨味の出る優待銘柄を選ぶコツ 3つのポイント

優待株を買うのであれば、できれば優待をもらいながらも企業の株価が安定的に推移してほしいものだ。ここでは優待銘柄を選ぶ際、旨味のある優待銘柄を選ぶためのポイントをご紹介したい。

1.優待新設・拡充に注目する

優待を新しく導入したり優待の内容を良くしたばかりの企業は、その事実が多くの投資家の目に触れていないので狙い目であることが予想される。賢い投資家は優待新設・拡充の事実をすでにその日のうちに知り、次の日にはアクションを取るものだが、出遅れる投資家の場合にはすでに株価が上がったのちに雑誌やウェブサイトなどで知ることが多いのでその分高値で株を買うことになる。

優待新設や内容変更の情報は早めに仕入れる癖をつけよう。

2.小型の企業に注目する

優待投資における「ほんとうの旨味」は小型株にありといっても過言ではない。小型株は時価総額が比較的小さな企業のことだ。ちなみに時価総額とは企業の規模のことである。数兆円を超えるような世界的な大企業(トヨタ、ソフトバンクなど)もあれば、数十億円程度の規模の企業もある。

優待は大企業、中小企業関係なく実施しているところは実施している。しかし株価の動きは小型の企業の方が軽快で上昇力が強い場合が多い。例えば好材料(良いニュース)がでることで投資家からの資金が集中し株価もおおきく伸びることがあるのだ。最近だとライザップグループ傘下となった子会社の株価が大きく値を上げたのは記憶に新しいところ。

大企業だと資金が集中したところでもともと全体の重さが大きいため上昇力も弱めである。

3.企業の業績・安定度に注目する

企業の株価にとって最も重要なのが業績だ。どれだけ魅力的な優待・配当を実施していても業績が振るわないようでは株価も上がりようがない。優待株を選ぶ際には、株式関連のウェブサイト、証券会社のツール、会社四季報などを調べることで過去の業績や直近の業績動向をチェックする癖をつけて欲しい。

次の2点があると安心だ。

  • 過去3年程度の売上高・純利益が毎年伸びていること
  • 今期の業績が好調であること(通期予想を上方修正していたら最高だ)

業績に関してはここで多くを解説することはしないが、優待投資に旨味を加えるためにもぜひ業績を考慮した優待投資へとステップアップしてもらいたい。

株主優待投資に関するおすすめの豆知識

最後に優待投資に役立つ豆知識をお伝えしたい。使いかたによっていくらでもお得になるのが優待だ。自分でも色々な優待投資にチャレンジして豆知識を増やしていって欲しい。

1.こんなにお得!割引をフル活用する

優待の中で、割引率の良い優待は活用の仕方によってはお得度が増すことがある。例えばタカラトミー <7867> の優待は3年以上の継続保有でタカラトミーモールで使える40%割引をもらうことができる。おもちゃは値段が高いものも多いため、40%割引は子供が家庭にいる場合には大活躍することが予想される。

他にもスーパーやカフェなどで使える割引カードなどは定期的に使うことも多い為、割引率が数パーセントと低くてもお得度が高くなるものがたくさんある。自分の生活のなかで、普段お金を使って受けているサービスや買い物などに優待が活用できないかどうかを当てはめてみるのもよいだろう。

2.株を買うほど優待が増える銘柄も中にはある

優待銘柄の中には保有株数に応じて優待内容もよくなるものも多いが、実際には保有株数と優待内容は比例せずに、保有株数を増やすほど優待内容の割は悪くなっていく。そのため、優待投資の世界では「もし家族が4人いたら、4人がそれぞれ最低単元の100株ずつ持つのが一番良い」というように最低単元での投資が薦められることが多い。しかし優待の中には保有株数を増やすと優待内容がさらに増加するものがある。

例えば、すかいらーく <3197> の優待などはそれにあたる。100株保有時は年間で6000円分の食事券だが、1000株になると年間で69000円分の食事券になるなど株数を増やすと逆に利回りが高くなるという少数派のケースである。

探せば他にも似たような銘柄はあるので、複数単元で株を保有したいなら上記のような銘柄を狙ってもよいかもしれない。

さあ、優待投資を楽しもう!

通常の株式投資同様に優待投資も奥が深いものである。最近では優待銘柄の一角に、好調な業績を意識した株高の傾向がみられるものも増えてきている。選んだ銘柄が好調なら優待を楽しみながらも大きな値上がり益が得られるかもしれない。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「 インカムライフ.com 」。著書に「 超優待投資・草食編 」がある