腕時計はビジネスマンの必須アイテムだ。「この人デキるな」というオーラは服装からなんとなくうかがえるが、袖の下からチラリと見えた腕時計がいかにも高級なものだと、トドメを刺されたような気がする。

サラリーマンがすぐに思いつく高級腕時計と言えば『オメガ』や『ロレックス』といったところだが、世の中にはそれほどポピュラーではないものの、富裕層の間では絶大な人気を誇るブランドが存在する。それらの中から今回、知る人ぞ知る3ブランドを紹介しよう。

富裕層,腕時計
(画像= Creative Lab/Shutterstock.com)

(1) ヴァシュロン・コンスタンタン:260年の歴史を持つ名門

創業1755年、スイス・ジュネーブ生まれのマニュファクチュール(自社一貫生産体制をとるメーカー)の『ヴァシュロン・コンスタンタン』。現在まで製造が途絶えなかったメーカーとしては世界最古とされる。シンボルマークは4つの「V」を組み合わせた「マルタ十字」で、突き出た8つの角それぞれが忠誠心や敬虔さなど騎士道における8つの美徳を表している。

世界3大高級時計メーカーに数えられ、銀座のランドマーク「和光」でも、輸入ウォッチ部門で「和光が選び抜いた10ブランド」のひとつとして販売している。試しに楽天市場で価格を確認してみると、最高値は中古品だが約2020万円。最も多い価格帯は100万円台だったが、200万~500万円台の商品もズラリと並んでいた(2018年3月現在)。

視認性のよさと美しさには定評があるが、なによりの凄みはその卓越した技術だろう。2015年、最先端技術に時計製造の伝統的手法を組み合わせ、史上最多となる57の複雑機構を搭載した懐中時計「Reference 57260」を発表した際は大きな話題になった。6つの時計機能、8つのユダヤ暦カレンダー機能などさまざまな機能を詰め込んだその価格は1000万ドルとも噂される。富裕層に好まれるのはこうした技術の裏打ちがあるためだろう。

ヴァシュロン
(画像= ヴァシュロン公式プレスページ)

(2) A. ランゲ&ゾーネ:組立過程に込める超一流のこだわり

1868年にドイツにあったザクセン王国に誕生した『A. ランゲ&ゾーネ』。数多くの特許技術を発明し、時間計測の精度向上に貢献することで時計愛好家の心をつかむ一方、時代の波に翻弄された。第二次世界大戦中に時計工場が全焼し、さらに東ドイツ政府に接収されたことで消滅してしまった。しかし、東西ドイツ統一をきっかけに1990年に創業者のひ孫が再興させ、世界に冠たるドイツブランドとして君臨している。2018年は銀座にブティックを開いて10周年にあたる。

彼らは品質を保証するために他ブランドではありえない一手間をかけている。部品をいったん組み立てて機能することを確認した後、すべて分解し、洗浄して表面仕上げやつや出しなどを施した上で再び組み立てるのだ。どんなに細心の注意を払って作業を行っても、調整時にはわずか傷がついたり、小さなゴミが入ったりしてしまう可能性を排除できないためという。

楽天市場でレビューの評価が高いのは100万~300万円のラインナップだが、最高値は中古品で約1528万円もする。最安値でも100万円を下らない(2018年3月現在)。他にはない品質へのこだわりが、ブランド力の秘密なのだ。

(3)リシャールミル:急成長を遂げた新時代の旗手

創業2001年とわずか10年で世界のトップブランドの仲間入りを果たし「成功者の証」ともたたえられるのが『リシャールミル』だ。作詞家の秋元康氏や映画俳優のジャッキー・チェンなど有名人に愛好家が多いとも言われている。

そのコンセプトは、高級機械式時計を超越した「エクストリームウォッチ」。ナノカーボンやサファイヤクリスタルといったF1や航空宇宙産業において使用される先端素材や最新技術をふんだんに使用し、完璧さを追求するとともに、複雑時計なのに多少の衝撃ではびくともしない堅牢さも実現している。価格帯は1000万~2000万円程度が多いそうだ。

どれも高級腕時計業界のトップブランド

時計好きでない限り、広く名が知れ渡っているとは言えないかもしれない。ただ、どれも高級腕時計業界のトップブランドであることに疑いの余地はない。そして、本当の富裕層が好む時計たちだ。ブランド名だけでも覚えておけば、何か拍子で役に立つこともあるだろう。(フリーライター 飛鳥一咲)