老後のための備えとしてiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)が有効だということを、各メディアで目にすることが増えてきました。しかし、どのように加入すればいいのか分からず、二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか。今回、初めて投資にチャレンジする人でも安心してiDeCoが始められるように、4つのステップをお伝えします。

ステップ1. iDeCoを始める前の事前準備

man
(写真=Gearstd/Shutterstock.com)

iDeCoを始める前に基本的なことを確認しておきましょう。まずは、自分がiDeCoに加入できるか否かと、掛金の限度額を知っておく必要があります。

iDeCoは2017年から原則として60歳未満のすべての人が加入できることになりましたが、それでも加入対象ではない人もいます。それが、国民年金保険料の免除または猶予を受けている人と、企業型確定拠出年金の加入者(事業主が企業型年金規約でiDeCoへの同時加入を認めない場合)です。これら2つのケースに該当しないか、あらかじめ確認する必要があります。

次に、掛金の限度額を確認します。iDeCoは国民年金の第何号被保険者か、あるいは会社が企業型年金を採用しているかどうかによって、拠出限度額は変わります。

具体的には、自営業者などの第1号被保険者は月額6万8,000円まで、会社に企業年金がない会社員は月額2万3,000円まで、公務員や確定給付年金がある会社に勤めている会社員は月額1万2,000円までとなっています。

ステップ2. 運営管理機関を選ぼう

ここが一番大切なステップです。iDeCoに加入する場合は、iDeCoを取り扱っている金融機関(運営管理機関)を通して加入の手続きを行う必要があります。金融機関ごとに取り扱う商品、サービスなどが違います。選べる金融機関は1つだけなので、慎重に選択する必要があります。

まず見ておきたいポイントは、「自分にとって魅力的な金融商品があるかどうか」ということです。

各金融機関は独自の投資信託を取り扱っているので、もし自分が海外株式型の投資信託に投資したいと思っても、取扱いのない金融機関に口座を開いてしまえば、口座変更の手続きが必要になります。そうならないためにも、商品ラインナップをよく確認し、金融機関ごとに比較しておきましょう。

加えて、手数料も大切なポイントです。iDeCoは長期に渡って運用を行うため、月々200円の手数料の違いでも、年間2,400円、10年で2万4,000円、30年だと7万2,000円の差がついてしまいます。もちろん手数料だけにこだわるのも問題ですが、次のサービス内容と併せてよく検討することが肝心です。

サービスの充実具合も、長らく同じ金融機関と付き合っていくのに大切な要素です。金融機関のコールセンターの利用時間帯や、ホームページのiDeCo管理ページの使いやすさなども大切です。これも人によって合う合わないがあるので、自分の投資スタイルや好みと併せて、比較してみましょう。

ステップ3. 実際に申し込もう

運営管理機関が決まれば、その金融機関に資料請求をして、口座を開設しましょう。資料請求はウェブサイト上で必要事項を入力するか、コールセンターに電話して行うことができます。資料が届いたら、書類に必要事項を記入します。

主な記入内容には、基礎年金番号や掛金の引落とし口座などのほか、拠出金額、運用配分などがあります。拠出金額はステップ1で確認した額を上限に、5,000円以上1,000円単位で設定できます。運用配分とは、その拠出金額をどの商品に、どの配分で運用していくかを決める作業です。例えば元本確保型商品に30%、国内株式型投資信託に50%、海外債券型投資信託に20%などと、自分の好きな配分を決めることができます。

会社員は勤務先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を発行してもらう必要があるので、忘れないようにしましょう。

ステップ4. いよいよ運用開始!

書類を運営管理機関に提出すると、国民年金基金連合会から手続き完了通知が送られてきます。また、それとは別に、加入者の氏名・住所・個人別管理資産額等の記録、保存及び通知などを担当している「記録関連運営管理機関」からウェブサイトを利用する際の資料が送られてきます。これらの手続きを完了すると、いよいよiDeCoでの運用を開始することができます。

4つのステップを踏み、iDeCoで長期の資産形成を行おう

iDeCoは、まず自分が掛金をどれだけ拠出できるのかを調べ、長期に渡って付き合っていく金融機関を選び、実際にその金融機関に申込みをするという、比較的簡単なステップで始めることができます。たくさんの書類を書く必要もありませんし、必要書類には記入見本がついており、確認しながら記入すれば書類不備にもなりにくいでしょう。ゆとりある老後を過ごすために、あなたもiDeCoに向かって一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?(提供:マネーLife Style


【オススメ記事 マネーLife Style】
家計簿アプリで収入と支出を管理しよう
年収1,000万円でも貯金ができない人の生活習慣とは
学資保険で子どもの進学に備えよう
今のままで足りる?老後にかかる想定費用はいくら?
住宅ローンの借り換えで気をつけるべきこととは!