「ドルコスト平均法」とは何か?

もう一つ忘れてはいけないメリットは、投資信託の積立投資は「ドルコスト平均法」により買付けがなされるという点だ。

ドルコスト平均法は、例えば毎月一定額というように、定期的に定額を買付ける投資の方法のことを指す。この「定額で買付ける」というのがポイントとなる。買付ける金額が決まっているので、価格が安い時には投資信託の口数を多く買付け、価格が高い時には少なく買付けることになる。このような買付けを行うと、結果として平均買付け価格を下げる効果が得られる。一度にまとめて購入するよりも、投資信託や株式の価格変動リスクを軽減することができる。

「ドルコスト平均法」を具体的にシミュレーションしてみる

ドルコスト平均法で買い付けると、どのように平均買付け価格が下がる効果があるのか具体的に計算で示す。

以下のようなシナリオで基準価額が当初10,000円(1万口当たり)から変動する投資信託に積立投資して4回に分けて定額1万円を購入するとどうなるだろうか。

・1回目 基準価額10,000円
・2回目 基準価額12,000円(当初より20%高い)
・3回目 基準価額8,000円(当初より20%安い)
・4回目 基準価額10,000円(当初の値段に戻った)

ドルコスト平均法で定額1万円ずつ購入していくと、以下の口数が購入できる。

・1回目 10,000口
・2回目 8,334口
・3回目 12,500口
・4回目 10,000口

以上のように4回を購入すると残高口数は40,834口、平均買付け価格も約9,795円となる。4回目が終わった時点では評価額は4万834円となり、4万円の投資金額に対して利益が発生する。

一方、10,000口ずつ4回購入した場合はどうだろか。投資金額の合計は同じく4万円となるが、口数残高は40,000口、平均買付け価格は10,000円となる。4回目が終わった時点での評価額は4万円であり、利益も損失も発生しない結果となる。

合計の投資金額は4万円でどちらも同じだが、このシナリオでは決まった口数を毎回購入するだけでは、利益を得ることはできなかった。一方、ドルコスト平均法によって買付けた場合、利益が出すことができた。価格が安い時に多くの口数を買付けして高い時に少ない口数を買付けしたため、最後の値段が当初と同じでも一定の利益を出すことができた例だ。

もちろん、わずか4回に分けて購入しただけでは、価格変動リスクの軽減は限定的である。リスク軽減の効果を発揮するには長期に渡って購入し続けることが必要だろう。

「ドルコスト平均法」の弱いところ

積立投資の購入手法であるドルコスト平均法の利点について考えたが、残念ながら完璧な手法ではない。ドルコスト平均法にも弱点がある。

上記のシナリオでは、定まった口数を定期的に購入するよりも、ドルコスト平均法の利益のほうが多くなる結果が出た。しかし、ドルコスト平均法は必ず良い結果が得られるわけではない。相場が一方向に向かっている場合は、その効果を発揮しにくい。例えば、価格が下がり続けている投資信託の場合、いくら少ない口数しか買付けしないとはいえ、さらに下がり続ければ損失が発生する。反対に、右肩上がりの投資信託であれば、上昇途中であっても、できるだけ早い段階で多くの口数を買付けたほうが利益は大きくなる。

ただし、長期的に見れば投資信託の価格が一方向に進み続けることは考えづらく、価格は少なからず上昇下落を繰り返すため、「ドルコスト平均法」は効果を発揮しやすい。そのため、時間的にも心理的にも負担が少ない積立投資で「ドルコスト平均法」を実践するのは心強い手法と言えるだろう。

いつ売ればいいかという問題

ドルコスト平均法での買い付けは投資家への負担が少なく、長期的には平均買付け価格を下げる効果があるため、購入方法としてはメリットが多い。だが、ドルコスト平均法は、買付けた投資信託の売却時期を間違えれば損失となる可能性は十分にある。

投資は、購入するだけではなく、売却した時に初めて利益が確定し現金を受け取ることになる。いくら平均買付け価格を下げる効果があったとしても、売却時にそれ以下の価格であれば損失が発生する。

すべての投資家が可能な限り高い価格で売却したいのは言うまでもない。しかし、残念ながら「ドルコスト平均法」はあくまでも価格変動リスクを抑える手法であり、売るタイミングや金額については投資家自身の判断で行わなければならない。

完璧な投資法ではないが

積立投資は完璧な手法ではない。デメリットもあり、損失を被る可能性もある。それでも、平均買付け価格を下げる効果があることや、投資家の時間と労力を必要としない点は大きなメリットだ。特に、投資信託の積立投資の心理的負担が少なく少額から開始できる点で、経験の浅い投資家に向いているかもしれない。(潮見孝幸、金融ライター)

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