(本記事は、安井元康氏の著書『会社では教えてもらえない 一気に伸びる人の自己投資のキホン』すばる舎、2018年5月28日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『会社では教えてもらえない 一気に伸びる人の自己投資のキホン』】
(1) 自己投資を始める良いタイミングとは?
(2) 1000円で超一流の頭脳に触れられる身近なものとは?
(3) 「スクールに通う=自己投資」の3つの落とし穴
(4) 株を始める前に考えたい「効率の良い投資対象」とは
「仕事が落ち着いたら」「お金が貯まったら」で先延ばしに………
自己投資の大切さはわかったけれど、いつから始めようか考えている、なかなか始めるタイミングが見つからない......。そういう方もいるかと思います。
それに対する回答は明確で、「思い立った今日、その日が初日」となります。
しかし、そうはいっても、なかなか今すぐ自己投資を始められる人は、驚くほど少ないのが現実です。
始める理由よりも、始めない理由のほうが圧倒的に多く存在するからです。
「今はお金がないから、ボーナスが出てからにしよう」とか、「今は抱えている仕事が忙しいから、一段落して余裕が生まれてからにしよう」など。
実際は、このようなタイミングは、いつまで経っても来ないと断言できます。
多くの人が、自己投資に集中できる環境が整った、「ベストタイミング」で始めたいと思っています。
しかし、そんなものは存在しません。
「思い立ったが吉日」と言いますが、あえてベストタイミングがあるとするならば、自己投資をしようと思った今日、今がそうなのです。
完璧なタイミングなど存在しない
タイミングということでお話ししておくと、人生は何が起きるかわかりません。
短期的に優先したい事項は、その都度変わっていくものですから、すべてのタイミングが合う「そのとき」が、自ずと訪れる可能性は非常に低いのです。
そのタイミングは自分で決断し、自らそのときをつくり出すしかありません。
私の学生時代には、将来仕事をして、2、3年後に落ち着いたら、海外のビジネススクールでMBAを取得する、と言っていた人が非常に多くいました。
その中で実行に移したのは、私を含め2名だけです。
違いはたったひとつです。やるかやらないか。
自分にとってのタイミングを決断したか否か、です。
自分が勝負したい、成し遂げたいと思った対象について、とことんやってみる気概を持ち、一歩踏み出したか否かの違いでしかありません。
最初のステップは小さければ小さいほどいい
最初は小さなステップでもいいのです。
自己投資を壮大なものと考えて意識しすぎると、萎縮してしまいます。
今からではもう遅いかもしれない......。決してそんなことはありません。
比較対象は昨日の自分であり、現時点での自分です。
その時点よりも前に進むことを目的としているのですから、やろうと思ったその日が常にスタート地点なのです。
「今日が人生で一番若い日」です。
たとえば、今日1冊本を買って、5分でも、1ページでも読んでみる。
これくらい小さなことから始めるので十分です。
いや、むしろ大きなステップを最初から踏み出そうとすると、やることそのものへの言い訳や躊躇が先行してしまいますから、最初は小さなステップから始めるべきなのです。
お金や時間がなくても、工夫次第でできることから開始するクセをつければ、自ずとスタートできます。
私自身も、社会に出た後に様々な勉強や資格取得をしてきました。しかし、お金の問題があり、スクールに通ったことはありません。
入り口時点でのハードルを下げ、取りかかりやすいことから始める。まずは、自己投資に慣れることから開始しましょう。
繰り返しですが、何かを成し遂げた人とそうでない人の違い。それは明白です。
行動に移したか否か、です。
安井元康(やすい・もとやす)
株式会社MCJ取締役社長兼COO。明治学院大学を卒業、GDH(現株式会社ゴンゾ)に入社。翌2002年株式会社エムシージェイ(現MCJ)に転職。同社のIPO実務責任者として、2004年東証マザーズへ上場達成後、26歳で執行役員・経営企画室長(グループCFO)に。その後、ケンブリッジ大学大学院でMBAを取得。2007年、株式会社経営共創基盤に入社、2008~2010年には、ぴあ株式会社の財務担当執行役員、2013年に金融庁検査局専門調査官に就任。2017年より現職。著書に、『非学歴エリート』『下剋上転職』(いずれも飛鳥新社)、『99.9%の人間関係はいらない』(中央公論新社)がある。