(本記事は、山﨑拓巳氏の著書『お金のポケットが増える スゴイ! 稼ぎ方』かんき出版、2018年6月11日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『お金のポケットが増える スゴイ! 稼ぎ方』シリーズ】
(1)数値目標は設定しない お金を生むためのうまくいく考え方とは?
(2)自分を騙して自信を付ける方法とは
(3)仕組みづくりはトイレのスリッパを揃えて出ることから
(4)稼ぐ人と儲かる人の違いとは?
(5)世の中には「失敗」に対して2種類の反応をする人がいる あなたはどっち?

スゴイ!稼ぎ方
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

稼ぐ人と儲ける人の違い

スゴイ!稼ぎ方
(画像=fizkes/Shutterstock.com)

子どもの頃から僕はラーメンが大好きでした。父とラーメン屋さんに行って食べているときに「将来、ラーメン屋さんをやりたい!」と言ったことがあります。

「なんでだ?」と聞く父に、僕が「大好きだから!」と答えたところ、こう言われました。

「それなら、カウンターの裏へ行って、従業員が何人いるか見てこい。ここの店長は、そこで働いている全員に給料を払っているんだ。いったい、何杯のラーメンを売ったら、全員に給料を払えるか考えてみい。それよりもたくさん売らないと利益が出ないぞ」

子ども心に「ギャフン!」となった反面、「なるほど、商売ってそうやって考えるんだ」と思ったことを覚えています。

「権利収入」とか「損益分岐点」とか、そういう「お金を稼ぐための構造」に興味を持つキッカケは、父とのこうした会話から生まれたに違いありません。

「どうすると黒字になるか?」
「損益分岐点はどこなのか?」
「何をクリアーすると黒字が確定するのか?」

これから、あなたが「新しい収入源」を増やしていく過程で、どうやって利益を出していくのかを考えるときに、こうした計数感覚を持つことは、とても重要です。

やみくもに、「これをやりたいから、やる!」「好きだから、やる!」では、経費倒れになって、やがては行き詰まってしまうでしょう。

ホリエモンさん(堀江貴文さん)がブログに書かれていた、「起業してほぼ確実に成功するために必要な4ヵ条」というものがあります。

(1)利益率の高い商売
(2)在庫を持たない商売
(3)定期的に一定額の収入が入ってくる商売
(4)資本ゼロあるいは小資本で始められる商売

この4ヵ条を、僕なりに1つひとつ解釈してみました。

まず、1の利益率の高い商売ですが、これはつまり、低コストということですよね。コスト(経費)は固定費(毎月かかる定額の費用)と変動費(大まかにいえば原価)に分けることができます。

特に最初は、固定費、たとえば「家賃」と「人件費」は、できるだけかけないようにします。オフィスを持つ、人を雇うということは後にして、自宅やカフェででき、自分1人でできる事業を優先してください。

もちろん、変動費、つまり原価もできるだけ下げるように努力しましょう。

(2)の在庫も同じです。トレンドが目まぐるしく変わるこの時代に、在庫をたくさん抱えるべきではありません。さばくまでに時代が変わってしまう恐れがあるからです。

今はオンデマンド(必要になったときに適宜発注すること)で製造できるものも増えていますから、どんどん利用しましょう。

(3)の定期収入ですが、これは継続してお金が入る仕組みを作ろうということでしょう。これは、先ほどまでお伝えしてきた「自動化」につながっていきます。

大きな額のお金が一度に入ったらいいな、とつい心は動くものですが、一過性の売上が上がると、自分を過信して失敗に真っ逆さま、というケースは多いものです。

(4)ですが、これは、初期投資(イニシャルコスト)をできるだけ少なく、という意味。初期投資の回収に時間がかかるようでは、今の時代には合わないと思います。少ない資金で始められる事業にはどんなものがあるのか?ということを念頭に置いてアイデアを組み立ててみてください。

ところで、「稼ぐ」と「儲かる」の違いはなんでしょうか?

「稼いでいる人」と「儲かっている人」は違う気がします。

「儲かっている人」はラッキーの上に座っている感覚があります。「当たった」っていう浮かれた気分を感じます。

だからでしょうか、成果が自分のコントロール下にないように感じます。継続性がない、ということにつながるのかも知れません。

これに対して「稼いでいる人」は、綿密な計算の上でお金を手にしているので、成果がコントロール下にある感じがします。

確信があって「稼いでいる」ので、浮かれてはいないのです。「儲かる」は一過性であり、「稼ぐ」は継続性、と言えるのかもしれませんね。

僕がおススメする副業のポケットは、「稼ぐための道具」です。決して、宝くじのように「一攫千金、大儲け」のツールではありません。

そこを理解した上で、「損益分岐点」などの計数感覚やホリエモンさんの「起業してほぼ確実に成功するために必要な4ヵ条」をしっかり意識して、事業を大きく育てていってください。

山﨑拓巳(やまざき・たくみ)
1965年三重県生まれ。広島大学教育学部中退。20歳で起業。22歳で「有限会社たく」を設立。以来30年間、多岐にわたり事業を同時進行に展開中。現在まで40冊以上を上梓し、累計140万部のベストセラー作家でもある。主な著書に、『さりげなく人を動かすスゴイ!話し方』(かんき出版)、『やる気のスイッチ!』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(いずれもサンクチュアリ出版)などがある。