新年度となり、社会人として新たな生活がスタートした人や定年退職を迎えた人など、生活環境が変わった人もいるだろう。それに伴って、お金との付き合い方に変化が起きた人もいるのではないだろうか。こうした環境の変化にうまく対応できず、気が付けば出費がかさみ、毎月の収支が赤字続きということも珍しくない。この時期にこそ、生活スタイルの見直しが必要となる。安定した生活を送るために、お金の知恵や判断力となる金融リテラシーをどの程度身に付けているのかチェックしよう。
全国平均下回る愛媛県民の金融リテラシー
金融リテラシーという言葉は少しずつ浸透してきているが、実際のところ何を意味するのか知らない人もいるのではないだろうか。
金融経済教育研究会報告書によると、最低限身に付けるべき金融リテラシーとして、家計管理と生活設計、金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、外部の知見の適切な活用の4つの項目を主に挙げている。具体的には、家計管理では赤字を解消し黒字を確保する習慣があるか、インフレが進行する際にはどのような金融商品を選択すべきかなどの判断能力が求められる。
実際に18歳以上の個人のお金や金融に関する知識や行動の特色を把握するために、金融広報中央委員会が「金融リテラシー調査(2016年)」を実施した。上記の4つのそれぞれの項目で合計25問を設定して調査したところ、正答率は全国平均が55.6%に対し、愛媛県は54.4%と47都道府県中、36番目の成績だった。4項目のうち、生活設計に関する愛媛県の正答率は54.2%と、全国平均(50.4%)を上回った。
また、調査モニターの結果から、お金にまつわる県民性も浮かび上がった。まず、金融トラブルを経験した人の割合が愛媛県では9.4%と全国平均(5.9%)を大きく上回る。さらに、緊急時に備えた資金を確保している人の割合は45.3%(全国平均54.9%)、生命保険加入時に他の商品と比較した人の割合41.8%(同54.7%)、消費者ローンを利用している人の割合6.2%(同3.9%)と、これらの項目で全国平均と比較して大きなかい離が明らかになった。
5問でわかる!簡単に金融リテラシーチェック
金融リテラシー調査は25問に及ぶ本格的な内容だが、もっと簡単に金融リテラシーをチェックできるクイズもある。金融広報中央委員会がまとめた5問のクイズだ(「知るぽると」金融広報中央委員会〈下部リンク先より〉)。
- 家計の行動として、不適切な行動は何か
- 人生の3大費用は何か
- 金利が上がっていくときに、資金の運用(預金など)、借入について適切な対応は何か
- 10万円の借入金利が複利で年率20%の場合、返済しないと残高は何年で倍になるか
- 金融商品の契約トラブルの相談窓口として適切でないものはどれか
人生の3大費用は生活設計、金利に関する質問は金融知識を通して金融リテラシーを判断する。このクイズの全国平均正答率は52.2%で、愛媛県は50.7%だった。5つの質問のうち、人生の3大費用の愛媛県の正答率は51.8%に上り、全国平均47.6%を上回る結果となった。
金融リテラシーを身に付けると……
このクイズは、金融リテラシーの基礎能力を判断するものだが、なにより大切なことは、自身の金融リテラシーがどの程度かを確認することだ。
金融リテラシー調査では、金融・経済情報に触れる頻度が高い人ほど、金融リテラシーも高い傾向を示している。これから毎日、金融に関するニュースなどを意識的にみる習慣をつければ、金融リテラシーが高まる効果が期待できるだろう。「iyomemo」でもお金の得するコツや資産運用など、身近な金融に関わる記事を配信している。
最初は、難解な専門用語が理解できずに挫折しそうになるかもしれない。同調査では、金融リテラシーと金融資産の相関性も示されており、金融リテラシーが高い人ほど金融資産も多いという結果が出ている。金融リテラシーを鍛錬することは、将来に大きく役立つだろう。(提供:iyomemo)
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