長寿大国ニッポン。元気で楽しいセカンドライフのために、気になるのが「年金制度」。

これまでの年金改正は、マクロ経済スライドの導入や保険料率改正など年金受給者の普段の生活に影響を与えるものだったが、平成29年8月1日に施行された「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」(改正年金機能強化法)では、老齢年金を受け取るために必要な資格期間(保険料納付済等期間)を25年から10年に短縮することで、無年金者の問題を改善することを目的としている。年金受給のポイントをしっかり押さえていこう。

資格期間と年金の受給額

年金
(画像=iyomemo)

資格期間とは、

(1)国民年金の保険料を納めた期間や免除された期間
(2)厚生年金保険や共済組合等の加入期間
(3)年金制度に加入していなくても資格期間に加えることができる期間(カラ期間と呼ばれる合算対象期間)の期間を合計したものだ。

受け取れる年金の額は、保険料を納めた期間やサラリーマンの期間があれば報酬額などに応じて計算される。

年金請求書が送付される対象者

平成29年8月1日の施行日時点で、年金を受け取るために必要な資格期間が10年以上ある65歳以上の方や、資格期間が10年以上あり厚生年金保険の加入期間が1年以上ある60歳(男性は62歳)以上65歳未満の方には、日本年金機構から「年金請求書」が平成29年7月下旬ころまでに、本人あてに送付されている。

年金受給手続と受給開始の時期

日本年金機構から「年金請求書」が届いたら、それに必要事項を記入し住民票などの書類と併せて年金事務所や街角の年金相談センターで手続きする。近くに年金事務所や街角の年金相談センターがなくても、最寄りの金融機関などで年金請求に必要な添付書類などの相談が可能だ。

年金の手続き完了後は、平成29年8月以降に「年金証書」「年金決定通知書」が送られてくる。年金の最も早い受け取りは、平成29年10月(9月分)の支払いで、それ以降、2カ月分の年金を偶数月に受け取ることになる。

任意加入制度

60歳以上70歳未満の期間に本人が申し出れば、国民年金に加入して保険料を納めることができる制度を「任意加入制度」という。この任意加入制度を希望する理由は次の2つである。

1つ目は、60歳から65歳まで国民年金保険料を納めることで、65歳から受け取る老齢基礎年金額を増やすこと。2つ目は、資格期間が10年に満たない場合に、最長70歳まで国民年金に任意加入し、資格期間を10年以上に増やして年金を受け取ることである。

任意加入を利用するには、

(1)日本国内に住所を有する※60歳以上65歳未満(年金の資格期間を満たしていない場合は70歳未満までの方)
※外国に住居する日本国籍を有する方も加入可能
(2)老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けていない方
(3)20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
(4)現在、厚生年金に加入していない方

の4つすべてに該当する必要がある。

任意加入制度を利用する場合、あらかじめ年金事務所や街角の年金相談センターなどで相談するといいだろう。

後納制度

過去5年以内に、国民年金保険料を納め忘れがある場合も、平成30年9月までであれば、申し込みにより保険料を納めることができる制度である。ただし、60歳以上で既に老齢基礎年金を受け取っている場合は申し込みできないので注意が必要だ。

特定期間該当届

専業主婦で会社員の夫が退職したときや、妻の年収が増えて夫の健康保険の被扶養者からはずれたときなどには、国民年金を3号から1号へ切り替えが必要である。また、過去に2年以上切り替えが遅れた時期があると、その期間の記録が保険料未納期間になっている。その場合、平成30年3月までであれば「特定期間該当届」の手続きをすることで、最大で10年分の保険料を納め、受け取る年金額を増やすことができる。

改正年金機能強化法は平成29年8月1日に施行されたが、これを機に、まずは「ねんきん定期便」などで過去の年金記録をもう一度、確認しておくといいだろう。たとえば、旧姓やよく読み間違えられる名前の読み方、本来と異なる生年月日や名前で届け出された可能性がある方は、本人が年金事務所に相談してみることだ。

また、年金事務所や街角の年金相談センターに出向く際には、持参物として年金手帳や日本年金機構から送付される「ねんきん定期便」などと本人を確認できる運転免許証などを持参するとスムーズに手続きが行える。老後の生活に大切な年金を、しっかりと受け取りたいものである。(提供:iyomemo

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