住宅メーカーが建てたモデルハウスは、これから建築する住宅をイメージする際の参考となります。建売住宅や注文住宅を考えている場合には、具体的なプランを練るためにモデルハウス・展示場を訪問してみましょう。

休日に家族で訪れたい、モデルハウス

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(写真=ben bryant/Shutterstock.com)

一般的にモデルハウスと呼ばれているものには、「総合住宅展示場」と「単独住宅展示場」の2種類があります。どちらもハウスメーカーや工務店といった住宅会社が出展しており、この2つには次のような違いがあります。

総合住宅展示場は複数の住宅会社のモデルハウスが集合した展示場で、各メーカーの住宅や設備を一度に体験することができます。一方、単独住宅展示場は個々の業者が行っているもので、いくつかのパターンの住宅が展示されている場合が多い傾向です。

多くのモデルハウスは予約がなくても見学を受け入れているため、ふと思い立ったときやお出かけの途中に立ち寄ることもできるでしょう。しかし、予約をしておくことで担当者からじっくりと話を聞けます。

住宅の見学は大人が対象というイメージがありますが、ヒーローショーやプレゼントなど、住宅展示場では子どもが喜ぶようなイベントを行っていることもあります。ちょっとしたお祭りのように楽しめる企画も多いため、子ども連れで見学を考えている場合には、ファミリー向けイベントの開催日程を調べて行くのがおすすめです。大人向けとしてワークショップやセミナーを行っているところもあります。

また、モデルハウスとは別にオープンハウスと呼ばれるものもあります。モデルハウスがあくまで展示を目的とした住宅であるのに対し、オープンハウスは実際に住むことを想定して建てられた住宅で、建売住宅の見学会と考えていいでしょう。家だけでなく、立地条件や近隣の環境などを含めて検討できるのが特徴です。注文住宅の場合は構造現場見学会や完成現場見学会を行っているので、積極的に見学してみましょう。

モデルハウスのチェックポイント

モデルハウスを見学する前に、予算や間取り・設備、入居時期、理想の暮らしといった自分たちの希望を整理しておくといいでしょう。それぞれの項目を具体的にしておくことで、担当者と会話しながらより鮮明にシミュレーションができるようになります。受付用紙やアンケートの記入を求められた際には自分たちに合った提案をしてもらうために可能な範囲で答えておくことをおすすめします。

チェックポイント

1,玄関まわり

屋根や外壁のほか、玄関ドアのタイプ、必要な場合はスロープの高低差をチェックします。

2,リビング・キッチン

モデルハウスでは家具も配置されているため、実際に生活する気分になってキッチンに立ったり、リビングのソファに座ったり、さまざまな動きをしてみるのがいいでしょう。ぐるりと見渡すだけではわからない雰囲気や使い勝手が見えてくるはずです。収納やドア、窓なども開け閉めして確認しましょう。

3,収納

収納は後付けが難しいため、どのくらいあるのかをチェックしましょう。子育て中の場合には、玄関にベビーカーや子どもの自転車などを収納できるスペースがあると便利です。他にもゴルフバッグやスーツケース等の収納スペースもイメージしておきましょう。「1階、2階にどのくらい収納があるのか」「どこにどんなものを入れる予定があるのか」を考えながら確認していきましょう。

4,その他

階段は実際に上り下りして手すり・蹴上(けあげ)・踏面(ふみづら)を確かめましょう。トイレに手すりがついていない場合には「将来取りつけることができる広さか」「手洗いタンクはどういったものを使用しているか」をチェックします。安全面に配慮があるかを見ておくといいでしょう。

また、実際の生活を想定して人物を入れた状態で写真を撮っておくと、自宅に帰って検討する際にも役立ちます。ただし、写真撮影が禁止の場合もあるため、一言断ってから撮影するようにしましょう。

担当者に聞きたい4つのこと

せっかくモデルハウスに行くなら、ただ見学するだけでなく担当者からなるべくたくさんの情報を引き出したいものです。

1,その家の特徴

モデルハウスは言うなれば、その住宅会社がおすすめしたい商品です。魅力的な設備がそろっていますが、どの家庭にも合うとは限りません。「そのモデルハウスのコンセプトは何なのか」などの特徴を説明してもらいましょう。

2,費用感と支払いシミュレーション

展示されている住宅は豪華なオプションを使用していることが多いため、割高になっていることがほとんどです。仕様等についてたずねておきましょう。また、月々の返済プランについても資金計画相談を早めにしてもらうと安心です。

3,工法・耐震性・アフターメンテナンス

長く安心して暮らすために、どんな作りなのか知っておくことは大切です。専門用語だけではなく、わかりやすく説明してくれるかもチェックしておきましょう。また、どんな維持管理が必要なのかも確認します。

4,モデルハウスの短所

長所だけでなく、短所についても説明してもらうといいでしょう。「高齢者向けではない」「2階にトイレがない」「家事動線よりデザイン重視の間取りである」など、一見しただけでは見えてこない部分も把握することが大切です。

モデルハウス見学後には家族会議を

モデルハウスを見学した後には、自宅に帰ってから冷静に評価をすると後々便利です。デザインや各設備、担当者の対応など、いくつかの項目を設けてノートなどにメモしておくといいでしょう。次に見学する際のチェックポイントとして役立つうえに、いくつかのモデルハウスを見学した後には、自分たちの理想に近い家が見えてくるはずです。また、住宅展示場だけでなく建設中の現場や、宿泊可能なモデルハウスを訪れることもおすすめです。(提供:MORIZOU online

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