建売住宅や中古物件の購入とは異なり、注文住宅購入時の住宅ローンは、融資の実行から支払いまでの流れが少し複雑です。「土地を購入するとき」「建築会社への支払い」「住宅ローンの申し込みをするタイミング」など、注文住宅を購入する際のお金の流れについて解説します。

住宅ローンについていつ金融機関へ相談する?

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(写真=Vixit/Shutterstock.com)

注文住宅を購入する場合、土地購入費や建築費をどのように支払うのかによって、住宅ローンを借りるまでの流れは変わってきます。すでに購入したい土地があり建築を依頼する会社も決まっているのなら、土地代金と建築費用を大まかに決めておいてすぐにローンの審査を受けることが可能です。

現在の収入と自己資金で建てられる最高の住宅を手に入れたいのであれば、最大限借りられるローンの額と返済プランについて、金融機関へ事前に相談するという方法もあります。住宅ローンを利用するときには、必ず事前審査と本審査、2回の審査を受けなければいけません。

・事前審査(仮審査)

注文住宅を購入する際には、土地探しと建築会社探しと並行して住宅ローン借り入れの手続きも行います。住宅ローンはどこで借りるのか、いくつかの金融機関を比較検討していきます。いい土地が見つかり、住宅の建築が決まったら事前審査を申し込みましょう。もしくは、最大限借りられる額であらかじめ事前審査を受けておき、住宅建築資金の目安額を確認してから住宅について考えることもできます。

・本審査

事前審査が終わると、正式にローンの申し込みを行い、融資実行の前に本審査が行われます。一般的には工事請負契約後、建築確認が取れてから書類をそろえて本審査を申し込みます。本審査で問題がなければ融資が実行されます。

建築費は数回に分けて支払う必要がある

注文住宅の住宅ローンと建築費の支払いについて、融資が先で支払いが後と思われがちですが、実際には支払いが先で融資が後になります。なぜなら、住宅ローンの担保となるのは新築の住宅だからです。そのため、住宅が完成する前に融資を実行してもらうことはできません。

さらに、一般的に建築費は3~4回に分けて支払うことが多く、契約時の着手金、着工時に着工金、上棟時に中間金、引き渡しに残代金を支払うといった方法がとられます。この場合、住宅完成後に住宅ローンの融資が実行されるのです。それまでの代金は自己資金で賄わなければいけません。ただし、引渡し時の支払いまでは、住宅会社との話し合いによって金額を決めることもできます。

融資が実行されるまでに支払う代金は自己資金で支払いたいのであれば、自己資金は建築費の3分の2程度は必要です。建築費が3,000万円の住宅なら、2,000万円分は自己資金を用意しておきましょう。

建築費すべてを住宅ローンで支払いたい場合

土地代金は自己資金で、建築資金については全額ローンで支払いたいという場合には、分割融資を受けましょう。分割融資なら、着工金、中間金の支払い、残金支払いと2回以上に分けて融資を受けることが可能です。一方、分割融資と似たものにつなぎ融資があります。分割融資は住宅ローンの金利が適用されますが、つなぎ融資では住宅ローン金利より多少高い金利が適用される傾向です。

ただし、分割融資やつなぎ融資はすべての金融機関が行っているわけではありません。また、融資実行の都度、数万円の手数料が発生します。分割融資やつなぎ融資を利用すると諸費用の総額が増える点も覚えておいてください。

自己資金と住宅ローン、割合はどうする?

どのようなローンを利用する場合にも、自己資金が多いほうが支払う利子が少なくなり総支払額が減ります。しかし、現金資産が底をつくほど自己資金を利用するのも考えものです。ゼロ金利政策によって住宅ローンの金利は低くなっていますから、自己資金をなるべく利用せず預貯金を投資に回し、ローンの利子以上に投資益を得て資産を増やす、という方法をとってもいいでしょう。どのような方法が自分たちに合っているか、考えながら住宅ローンを賢く利用してみてはいかがでしょうか。(提供:MORIZOU online

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