土地や建物の購入に際して、住宅ローンを使って資金を借り入れる場合、そのための手続きにも必要な費用があります。それらをまとめて「諸費用」といいますが、その内訳はどうなっているのでしょうか。ここでは、知っておきたい基礎知識として住宅ローンの諸費用について解説します。

住宅ローンの諸費用一覧

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(写真=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

まずは、住宅ローンにかかる諸費用にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

住宅ローン利用にかかる諸費用一覧

名称 内容 費用
事務手数料 住宅ローンを利用する際の事務手続きにかかる手数料。金融機関に支払う 金融機関によって異なる
保証料 連帯保証人に代わって保証会社に保証を依頼すると保証料がかかる 保証会社や住宅ローン商品によって異なる。保証料や事務手数料のかからないものもある
保証会社事務取扱手数料 保証会社による保証を利用した際の事務手続きにかかる手数料
印紙税 金銭消費貸借契約を締結するときと、住宅ローン締結時に必要。借入額によって異なる 2,000円~6万円
抵当権設定費用および
司法書士報酬
住宅ローンの抵当権設定にかかる費用。司法書士に依頼するため、司法書士報酬も発生する 抵当権の設定費用は借入額による。それに加え、司法書士報酬が数万円程度かかる
団体信用生命保険料 借入人が死亡および後遺障害状態になった際にローンの残高が保険金で相殺される生命保険 住宅ローンの金利に含まれる契約が多い。保障を手厚くするとローンの金利が上がることも
火災保険料・地震保険料 住宅にかける火災保険は加入が必要。同時に地震保険への加入も可能 保険料は保険会社や保障内容によって異なる。

(表=MORIZOU online編集部)

住宅ローンを使って資金を借り入れる際、一般的にはこのような諸費用が発生します。諸費用は借り入れする金融機関によっても異なりますので、住宅ローンの借入先を検討しているのであれば各金融機関の諸費用についても比較しておきましょう。

よく考えて決めたい団体信用生命保険と火災・地震保険

諸費用の中でも、特に検討したいのが団体信用生命保険と火災保険・地震保険の内容についてです。「保険のことはよくわからないから」と金融機関にすすめられるままに加入する人も少なくありませんが、万が一のときでも安心できる保証・補償内容にしておきましょう。

団体信用生命保険について

団体信用生命保険とは、借入人が死亡したり後遺障害の状態になったりしたときに、住宅ローン残高相当額が、保険会社から金融機関へ保険金として支払われる保険のことです。団体信用生命保険の内容はすべての金融機関で同じではなく、保障内容も保険料も異なります。

ただし、「保障内容を手厚くするとその分ローンの返済総額も大きくなる」という部分は共通です。住宅が高額でローンによる借入額が大きければ大きいほど、団体信用生命保険は重要な意味を持ちますので、保障内容についてはきちんと考えておきましょう。

団体信用保険の種類と要件

種類 住宅ローン残高がゼロになる要件
就業不能保障 病気やケガによって就業不能状態となった場合
がん保障 これまでがんになったことがなく、保険契約後に初めてがんにかかったとき
3大疾病保障 がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病のいずれかにかかったとき
8大疾病保障 上記3大疾病に加え、糖尿病、高血圧性疾患、慢性腎不全、肝疾患、慢性膵炎になったとき

※内容は金融機関によって異なります。
(表=MORIZOU online編集部)

火災保険と地震保険

住宅ローンによる借入時には、火災保険への加入が必要です。2018年現在は最も長い契約で10年となっており、ローン締結の際に10年分の保険料を一括で支払う必要があります。この火災保険には地震保険もセットで加入できますが、地震保険の期間は最長でも5年間です。火災保険は、ローンを返済している間は契約を続ける必要があるため、契約が終了する10年後以降は、「1年ごとの自動更新か」「10年ごとの自動更新か」を、借り入れした側が選ばなければいけません。

総支払い保険料を安くしたい場合や、毎年払うのが面倒な場合であれば、10年ごとの更新が望ましいでしょう。ローン締結に必須となる火災保険は「建物」の部分についてのみです。しかし、万が一のことを考えたとき、家財家具への補償もあると安心です。火災保険に加入する際には、家財家具の火災保険と、あわせて地震保険への加入を検討しましょう。

その他、火災保険には水災・風災による被害も補償される特約がありますので、立地的に洪水による浸水や台風による被害に不安のある場合にはこれらの内容をよく確認のうえ特約を付加しておくと安心です。

住宅ローンを借りるときに必要なお金の合計は?

住宅ローンで資金を借りるときに必要なこれらの諸費用は、物件価格に対して5~10%ほどが相場ともいわれています。ローンによる借り入れを検討している金融機関では「どのような諸費用がかかるのか」「いくらかかるのか」について、あらかじめ確認しておきましょう。

諸費用の内訳を知って賢いローン選びを

このように、住宅ローンを使うためには、住宅を購入するために必要なお金以外にも、諸費用がかかります。住宅ローンを利用するかどうかも含め、住宅購入時の代金支払いの詳細についてわからないことがあれば金融機関や住宅会社に相談してみましょう。(提供:MORIZOU online

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