非課税で投資ができるNISA(少額投資非課税制度)に、2018年から新しく「つみたてNISA」が追加となる。今回は、投資初心者にも利用しやすい「つみたてNISA」について説明しよう。
非課税期間は最長20年!腰を据えた長期投資が可能に
NISAは、株や投資信託などに非課税で投資できる制度だ。新設される「つみたてNISA」は、毎月一定額を継続して投資信託などに投資する「積立投資」に限定した仕組みである。投資できる上限は年間40万円で、運用で得た利益が20年間非課税となる。
一方、現行の一般NISAは年間120万円まで、5年間非課税で投資できるうえ、積立も可能だ。こちらのほうが使い勝手がいいと考える人もいるかもしれないが、「つみたてNISA」の最大のメリットは、「20年間」という長期投資ができる点である。
長期投資は、リスクを抑えて値動きの幅を安定させる方法の一つだ。金融市場は好調なときもあれば低迷する局面もあるため、投資する時期によって損益のブレが生じる。投資する期間が短いほどそのときの相場状況に左右されてブレが大きくなるが、長期投資することで値動きの幅を安定させる効果が期待できるのだ。
金融庁が2017年2月に作成した資料の試算によると、国内外の株式と債券に100万円を分散投資した場合の収益率は、保有期間が5年の場合、72〜173万円となっている。運用が順調にいけば100万円が173万円になるが、順調にいかなかった場合72万円にまで減ってしまうことになる。
ところが20年間保有した場合は、順調にいかなかった場合でも185万円、順調にいけば321万円まで増やせる。保有期間が短いと大儲けが期待できる反面マイナスになる確率も高くなるが、20年間続けることで年率2〜8%の間に収斂するのである。
さらに、資金を一括で投じるのではなく毎月一定額を積み立てていくことで、高値づかみのリスクを軽減できる。自動的に高い時期には買う量が減り、下落局面では安い価格でたくさん仕込めることになるのだ。いわゆるドルコスト平均法といわれる投資手法で、スタート時期の相場環境に左右されず、値動きを安定させられる。投資金額は月1,000円から可能なので、まとまった資金がなくても投資が始められるのもメリットだ。
投資できる商品が限定され初心者でも迷わない
このように、長期で続ける積立投資は初心者でも失敗しにくい投資手法だが、「つみたてNISA」にはさらに初心者にやさしい仕組みが追加された。それは、対象となる投資信託を長期投資に適した商品に限定していることだ。
対象となる投資信託の条件は、投資期間が20年以上、販売手数料が無料、元本を毀損しがちな毎月分配型ではないこと、保有中のコストである信託報酬が一定額以下であることなどが定められている。TOPIX(日経平均株価)など、メジャーな株価指数に連動するインデックス投信が中心になるが、国内外のETF(上場投資信託)や、ファンドマネージャーの裁量で運用するアクティブ投信の中からも、長期投資にふさわしい商品が一部認められる。
一般NISAでは、国内外の株式に投資する投資信託はすべて対象になったため、初心者には選びにくかった。しかし「つみたてNISA」であれば、ラインナップが厳選されているので、その心配はないといえるだろう。
ただし注意したいのが、途中の運用成績がマイナスになっても投資をやめないことだ。ビギナーは含み損を出すと心が折れてしまいがちだが、積立投資では下落局面でくじけることなく継続することで、20年後の大きな利益につながることを忘れてはいけない。(提供:iyomemo)
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