これまで、旅行といえば「アクティブなもの」というイメージを持つ方が多かったかもしれません。実際にアクティビティを盛り込んだ旅行プランも多かったのですが、最近は「休息」にフォーカスしたプランも多くなっていることをご存じでしょうか。今回は、最近話題にもなっている「ウェルネスツーリズム」が台頭している理由に迫っていきます。
各国で伸び続けるウェルネスツーリズムとは?
ウェルネスツーリズムとは、旅行という非日常的な体験の中で、旅行中のトラブルを回避したり、健康回復や健康増進を図ったりすることを指しており、「ヘルスツーリズム」と呼ばれることもあります。旅をきっかけに、旅行後も健康的な行動を持続することで、より豊かな日常生活を過ごせるようになることが目的とされています。
このウェルネスツーリズムという言葉は、近年少しずつ有名になってきていますが、実は観光業収益における比率も上昇しているのです。たとえば、世界的な健康に関する研究所であるGlobal Wellness Institute(グローバルウェルネスインスティチュート)レポートでは、2015年には約6億9,000万人もの観光客が、ヨガやスパを目的に海外旅行をしています。
それによる観光収益は5,630億ドルに上っています。ここで注目すべき点は、この5,630億ドルの観光収益は、2015年の観光産業で得られた収益の15.6%にあたるのです。また、同レポートでは、今後さらに健康増進を目的に海外旅行をする人の数は増えていくと予想されていますので、観光業における「ウェルネスツーリズム」の重要度も、今後さらに増していくのではないでしょうか。
心身ともにリラックスできるウェルネスツーリズムの中身
日本ヘルスツーリズム振興機構では、ヘルスツーリズム推進地を「スポーツ/アクティビティ」「リラクゼーション」「ヘルシーフード」の3カテゴリに分けて紹介しています。スポーツ/アクティビティでは、楽しく体を動かすことができるスポットが多く紹介されており、自然に囲まれた場所で運動したい人におすすめといえるでしょう。
また、リラクゼーションでは、心と身体が休まる温泉(スパ)などが多く紹介され、ヘルシーフードでは、その土地ならではの味覚に元気をもらえる全国の宿泊施設が紹介されています。旅行先を検討する際の参考にされてみてはいかがでしょうか。
観光しつつ「休息」も行う、一石二鳥の楽しみ方
これまでの旅行は、どちらかといえば、「アクティブなもの」というイメージが強かったため、旅行で心身ともにリフレッシュするという考え方は少なかったかもしれません。しかし、心身ともにリフレッシュすることを目的したウェルネスツーリズムが台頭してからは、「旅行で心身ともにリフレッシュすることで、仕事の生産性アップにつなげる」という考え方も生まれ始めているのです。
実際に、ウェルネスツーリズムによって心身ともにリラックスすることで、結果的によく眠れるようになった方もいるかもしれません。従来通り、「観光」を楽しむことに「休息」を加えたウェルネスツーリズムで、「観光しつつ、心身ともにリラックスする」という一石二鳥の楽しみ方はいかがでしょうか。
ウェルネスツーリズムを活用して、より充実した生活を
今回は、ウェルネスツーリズムについてご紹介させていただきました。まだ、日本ではウェルネスツーリズムという言葉の認知度は高くないかもしれません。しかし、欧米諸国などでは旅行・観光や、医療(リハビリテーション等)などとともに「一つのジャンル」として普及し、産業として拡大傾向にあるそうです。また、観光産業で得られた収益の15.6%をウェルネスツーリズムが占めているというデータを鑑みても、今後さらにウェルネスツーリズムは勢いを増していくと考えられます。
働き方改革により、多様な働き方を選択できる社会の実現へと向かっている現代において、ウェルネスツーリズムによる「心身のリフレッシュ」は、仕事の生産性アップにもつながる重要なものです。そして、今後進行していくと予想される高齢化社会においても、より健康で長生きするためには、休息による「心身のリフレッシュ」が重要になると考えられます。
老若男女を問わず、最近は企業にまで広がりつつあるウェルネスツーリズム市場。この機会に、あなたの生活にも取り入れてみてはいかがでしょうか。(提供:J.Score Style)
【オススメ記事 J.Score Style】
・キャッシュレスが進めばどのような未来が訪れるのか?
・スタバが仮想通貨!?スターバックスが取り組むブロックチェーンの活用法
・ビジネスパーソンが、「ジョブ理論」で、生き抜くためのヒントとは?
・日々の目標を「小さな習慣」にする3つのコツ
・世界ではここまで進んでいる!最新のフィンテックアプリ3選