ブラック企業はここで見分ける!3つのポイント

1 求人情報

・常に人を募集している
本来なら、人材採用は事業拡大や欠員補充に合わせて行うもの。あまりに頻繁に求人を出している会社は、退職者が多く、常に穴埋めの必要が生じていると判断できる。

・抽象的な文言や横文字を多用
本当のことを言うと敬遠されがちな事業内容や業務内容は、一見しただけでは意味がよくわからなかったり、なんとなくカッコ良く聞こえる横文字に置き換えられることが多い。

代表例:「顧客サポート」=コールセンターのクレーム対応、「コンサルティング・マーケティング」=新規開拓営業、「アミューズメント」=ゲームセンターやパチンコ業 など

・給与が相場よりもやたらと高い
相場より高い給与が総額のみで表示されている求人は要注意。実際には成果報酬や歩合給、みなし残業代などが含まれている場合が多く、「年収1,000万円可」とあっても、「営業成績ナンバー1になれば、インセンティブ込みで最大これくらいもらえる」といった裏の意味が隠されていることも。

・「経験・学歴・資格不問」
真っ当な会社なら、前職での経験や実績、人間性などを多角的に判断して慎重に人材を採用したいと考えるもの。応募のハードルの低さを強調する会社は、要するに「誰でもいいから来てくれないと困るほど人が集まらない組織」である可能性が高い。

2 企業HPやネット上の情報

・企業ウェブサイトがなんとなくイケてない
会社のホームページに「全体的に情報量が少ない」「誤字脱字がある」「更新頻度が低い」「記事内のURLがリンク切れになっている」「見にくい・使いにくい」といった特徴が見られる場合、ウェブサイトも満足に管理できないレベルの会社である可能性が高い。

・HPの企業情がテキストではなく画像
経営者の名前や会社名、会社概要に関する情報が、「テキスト」ではなく「画像」データで掲示されている場合、意図的にその情報を検索されにくくしている可能性がある。たとえば、社長の名前を画像にしていれば、その人物のブラックな噂や過去の不祥事などを隠しているのかもしれないと推測できる。

・自社の強みが「抽象的なキーワード」ばかり
自社のHPでPRしている強みが、商材やサービスとは関係ない抽象的なものばかりなら、「それ以外にアピールできる要素がない」と読み取れる。「実力主義!」「皆仲良く、イベント大好き!」「幹部候補募集!」といった要注意キーワードが頻出する企業には気をつけよう。

・ネット上で「ブラック企業」という噂が立っている
企業名の関連検索ワードに「ブラック企業」が出て来る場合、たんに検索回数が多いだけで実態は問題がない場合もあるものの、現状に不満を持った社員が一定数存在している可能性が十分考えられる。また、過去に不祥事を起こした経営者が別名の会社を立ち上げることも多いので、会社名だけでなく経営者の名前でも検索すると「不祥事後の社名変更」を見抜くことができる。

3 企業説明会や面接

・参加者への配慮が足りない
「会社説明会の場所がわかりにくい」「案内が不親切」「社員の態度が悪い」「会社のパンフレットを棒読みするだけで内容がつまらない」といった場合、自社の顧客に対しても配慮が足りない企業であり、それ相応の社風であると考えられる。

・なぜかあっさり面接に受かる
面接回数が少なく、時間も短いうえに、面接している間も雑談ばかりで何が評価されたのかわからないのにあっさり受かってしまった場合は、怪しいと考えるべき。ブラック企業は採用した人が長く勤めることは想定していないので、一定数の退職者が出ることを見込んだ上で、「頭数さえ揃えばいい」と考えて簡単に内定を出す傾向がある。

・待遇に関する質問にきちんと答えられない
残業や休日、給与などについて質問されて、面接官がきちんと答えられない会社は、何か後ろめたいことがある証拠。転職者の側も遠慮せず、「営業部の残業時間について、繁忙月で最も残業が多かった社員と、最も少なかった社員がそれぞれ何時間だったか教えてください」というように、かなり具体的なレベルまで突っ込んで質問すべき。それがブラック企業を見極める大きな判断材料になる。

新田 龍(にった・りょう)働き方改革総合研究所〔株〕代表取締役/ブラック企業アナリスト
1976年、奈良県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。「ブラック企業ランキング」のワースト企業にて、事業企画や営業管理職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所㈱設立。「脱・ブラック企業」のための組織改革と、ブラック企業による被害救済のためのアドバイスを行う。著書に『ワタミの失敗「善意の会社」がブラック企業と呼ばれた構造』(KADOKAWA)など。(『The 21 online』2018年6月号より)

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