ただし、「紹介してください」のひと言は必要

私の例を上げさせていただいたのは、自慢したいからでも何でもありません。実際、私が見てきた数々の「売れる営業マン」は100%の確率で「既存顧客」を大切にしています。これを「できすぎた話だ」と思ったような方は、決して売れる営業マンにはなれません。

既存顧客との接点を意識し、常に「どのようにお役立ちできるか」を考え、そのための労力を惜しまない。そんな人にとってはパンフレットなどなくても、十分にお客様の心をつかむことができるのです。

ただ、ここで一つ忘れてはならないポイントがあります。それは「紹介依頼を必ずする」ということです。

実は私も先ほどのお客様に対して、「これからも何かお役に立てることがあれば仰ってください」と伝えるとともに「もし、自分がもっと役に立てる人がいたら、誰かご紹介ください」ときちんと伝えました。だからこそ、貴重な御縁をいただくことができたのです。

そこは遠慮なく「ご紹介ください」と言い切ってしまうこと。それもまた、紹介が得られる営業マンの特徴なのです。

一戸 敏(いちのへ・さとし)保険代理店(株)エージェント代表取締役兼CEO
北海道札幌市出身。明治大学商学部中退。会計事務所勤務を経て28歳で保険業界に転身。営業マンとして数々のタイトルを獲得すると同時に、自身が経営する株式会社エージェントを大型化し、グループ全体で300名ほどの組織を形成し、グループ全体で取扱高100億以上の企業にまで成長させる。住宅・不動産会社(株)FIND会長兼ファウンダー。米国保険ブローカーAgent America co.,ltd Director。保険業界の称号であるMDRT終身会員(18年連続登録)、MDRT COT11回登録、MDRT TOT2回登録。(『THE21オンライン』2018年7月号より)

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