今なら間に合う「ふるさと納税」。ラスト1カ月で勝負、2018年の控除枠は年末までに!(『NET MONEY』2019年1月号より)
ふるさと納税最新情報をチェック!
毎年12月にピークを迎える「ふるさと納税」に異変が起きています。総務省の要請により多くの自治体が返礼品の見直しを迫られ、秋以降に返礼率や品ぞろえを変更するところが続出。日々変化しているので、最新の情報をチェックしましょう。
外資系証券会社、起業を経て、2015年より現職。
2012年よりふるさと納税の研究を開始し、自治体や事業者の取り組み、
地域経済への効果を検証。
著書に『ふるさと納税の理論と実践』(事業構想大学院大学出版部、共著)
●制度趣旨に反する返礼品を贈り続ける自治体は退場へ
制度開始から10年、「ふるさと納税」が大きな曲がり角を迎えています。自治体が寄付者へのお礼として地元の特産品を贈り始めたことから人気を呼び、利用者が年々増加。市場規模が約3650億円にまで膨れ上がる一方、自治体間で返礼品競争が激化しました。寄付金額に対する返礼品の割合(返礼率)が5割を超える自治体や、地元とは関係のない特産品を贈るところが多額の寄付を集めるという結果を招いたのです。
それに待ったをかけたのが管轄する総務省です。実はこれまでにも自治体に対し、制度の趣旨に合わない返礼品(上の図参照)を出さないよう、通知を再三出してきました。しかし、法的強制力を伴わないため、従わない自治体も一部ありました。そこで9月、ついに「制度の趣旨に反する返礼品を贈る自治体を、制度の対象から外す法改正も検討する」という方針を示したのです。
「ここまで強く出るとは正直思っていませんでした」と語るのは、制度を研究する神戸大学大学院准教授の保田隆明さん。この発表を受け、昨年度トップの約135億円を集めた泉佐野市は、反論会見を開きました。
「この制度が地域の活性化や産業振興など、多くの成果を生んだことは事実ですし、国も本当はそこまで口を出したくなかったと思います。ただ、一部がルールを無視して寄付を集めまくる状況に、さすがに黙っていられなくなったのでしょう。反発する自治体もありますが、対象から外れると寄付は集まらないので、早晩、収束に向かうはずです」(保田さん)