巨額の富を手にする人には共通点があります。富裕層233人と貧困層128人を取材した調査結果からは、富裕層の多くが自力で100万ドル以上の資産を築いたセルフメードであること、9割が仕事を楽しんでいること、若い頃から貯蓄していたこと、7割が慈善活動を行っていることなどが明らかになっています。

調査は米ベストセラー作家トーマス・コリー氏が行ったもので、協力した富裕層の8割は50歳以上で、320万~500万ドルの資産を保有しています。以下で7つの共通点を見ていきましょう。

(1)自力で富を築いた

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(写真=Jacob Lund/Shutterstock.com)

これらの富裕層の31% は低所得、45%は中所得家庭で育っており、親から遺産を相続したのはわずか24%です。ゼロから始め、100万ドル以上の資産を築くのに平均32年かかっています。

並外れた努力の結果成功を手に入れたためかハードワーカーが多く、73%が週平均58時間働いています。最高で週100時間働くTeslaのイーロン・マスクCEOやTwitterのジャック・ドーシーCEOのような富裕層もいます。

(2)仕事に満足している

86%は自分の仕事に満足しており、61%は夢だったこと、あるいは情熱をもって取り組めることを仕事にしています。

夢を追い求めた富裕層は平均12年で100万ドル以上を手にしており、平均よりもはるかに早く成功しています。

(3)節約、貯蓄を忘れず謙虚な生活を送っている

1958年に3.1万ドルで購入した家に現在も住んでいるウォーレン・バフェット氏、政治イベントに10ドルの腕時計を着けて参加したビル・ゲイツ氏など、お金をたくさん持っている人ほど浪費に走りません。

調査でも64%は20年以上も前に購入したつつましい家に住み、古い車を愛用しているほか、離婚率も極めて低いのが特徴です。休暇にもあまりお金をかけず、96%が年間6,000ドル以下、41%が3,000ドル以下しか使わないそうです。

また94%が社会人になった時から給料の20%を貯蓄しており、経済的に余裕ができた現在でも老後の生活のために貯蓄を続けています。

(4)早起きしている

Appleのティム・クックCEOやヴァージングループのリチャード・ブランソン会長など、ゆっくり出社しても誰からも文句を言われない立場にあるにも関わらず、早起きを習慣にしている富裕層はたくさんいます。

調査でも44%は勤務時間の3時間以上前に起床。重要なメールに目を通したり、エクササイズをしたり、のんびり朝食を楽しんだりと、早起きする目的は人それぞれ異なります。時間ぎりぎりに起きて、眠気も抜けきらないうちに慌ただしく出社するより、時間に余裕を持つことで、頭を睡眠モードから仕事モードに切り替えやすいはずです。

(5)読書など、プラス効果のある習慣を身に付けている

読書は富裕層にとってポジティブな習慣の一つです。調査でも知識を磨く目的で88%が月2冊以上本を読み、63%が通勤やエクササイズの際オーディオブックやポッドキャストを聴いています。特にセルフメードの富裕層はほかの成功者の自伝を好み、娯楽系の本は「時間の浪費」なので読まないそうです。エクササイズや瞑想といった健康的な生活習慣を身に付けている富裕層も多く、76%が毎日30分以上運動しています。

興味深いのは、73%が「成功する上で役立つ習慣」を親から受け継いでいる点です。「子は親の背中を見て育つ」と言いますが、我が子にも成功して欲しければ、自分がお手本となる習慣を身に付けることから始めるべきでしょう。

(6)時間を無駄にしない

富裕層はお金も時間も無駄にしません。81%が「To Do List(しなければいけないことのリスト)」を作成し、日々のタスクを明確にすることで時間を有効に使っています。

自由な時間も非生産的に過ごすことはなく、家族や友人との時間や趣味楽しんだり、教養を高めたりすることに余念がありません。慈善活動にも積極的で、72%が少なくとも月5時間を地元の慈善活動に奉仕しています。テレビを見たりギャンブルをしたりする富裕層はほとんどいません。

(7)ポジティブな人と付き合い、ネガティブな人は避ける

富裕層はほかの成功者や明るく楽観的で頭の切れる人と交流し、ネガティブで文句ばかりいっている人とは付き合いません。バフェット氏も成功の秘訣の一つとして、「尊敬できる人と付き合うこと」を勧めています。

ビジネスでもポジティブな影響を与える人を重視し、84%が信頼できるチームを築いています。(アレン・琴子、英国在住のフリーライター / d.folio