熱が出たときに効くのは?

おかゆvs.卵かけご飯
風邪をひいて熱が出たときの食事と言えば、ついおかゆと考えがち。ただ、高熱のときは体力が消耗しているので、炭水化物のおかゆのみでは治りも遅い。病気に打ち勝つ免疫力をアップさせるにはタンパク質も必要。手軽にとれるタンパク質で消化が良いのは卵。体内の細胞を再生させるビタミンB群も含まれているので回復力もアップ。単なるおかゆよりも卵かけごはんでリカバリー力を高めよう。

食欲不振に効くのは?

そうめんvs.野菜ポタージュ
夏バテで食欲がないときはそうめんや冷麦ですませてしまうことも多いが、そうめん(炭水化物)だけでは栄養不足。お勧めは野菜のポタージュ。にんじんやカボチャなど、食物繊維が多い野菜でもポタージュにすれば胃腸に負担もかからず、しかも免疫力もアップするβカロテン群が豊富。市販のレトルトでもOK。麺類なら、タラコパスタが◎。タラコは、糖質をエネルギーに換えるビタミンB?が期待できる。

つらい二日酔いに効くのは?

しじみ汁vs.オレンジジュース
二日酔いを治すには、水分をたくさんとって体内のアルコールを早く分解させることがマスト。肝臓の働きを助けるタウリンとオルニチンが含まれているしじみ汁も悪くない。ただ、しじみ汁はお酒を飲む前に飲んでおいたほうが効果的。すでに二日酔いの場合にはビタミンCが豊富に含まれた果汁100%のオレンジジュースや、リコピンが豊富なトマトジュースで肝機能の働きを促進させよう。

貧血に効くのは?

レバニラ炒めvs.アサリの酒蒸し
鉄分が豊富なレバニラ炒めは貧血改善の定番。だが、レバーが苦手な人も多いし調理も面倒。そんなときは鉄が豊富に含まれているアサリなどの貝類がお勧め。貝類には「造血のビタミン」と言われるビタミンB12も含まれている。アサリの酒蒸し、スパゲッティ・ボンゴレなど手軽に食べられるメニューも多い。納豆や豆乳も鉄が手軽にとれるので、貧血気味の人は冷蔵庫に常備しておこう。

慢性疲労に効くのは?

カツ丼vs.海鮮丼
慢性的に疲労を感じるのは、体内に摂取した糖質をエネルギーに変えるためのビタミンB1が不足しているから。豚肉はビタミンB1群が豊富なので、カツ丼もお勧め。ただ、慢性疲労は肝臓の働きが衰えている場合も多いので、肝機能を促進するタウリンも必要だ。タウリンが含まれているのは魚介類だけ。効果を期待するなら、カツ丼以上に、タコやイカなどの海鮮丼をお勧めしたい。

目の疲労に効くのは?

ブルーベリーvs.親子丼
目の疲労回復に効くのはアントシアニンと呼ばれる紫色系の色素。食べやすいのはブルーベリーだが、大量にとらないと効果が出にくいのが難点。また、視神経の疲れを回復させるにはビタミンB2も必要。魚や卵といったタンパク源にはビタミンB2も含まれているので、働き盛りのビジネスマンには山盛りのブルーベリーを食べるより、むしろオムライスや親子丼、温泉卵を添えた料理などをお勧めしたい。

集中力低下に効くのは?

菓子パンvs.和菓子
集中力の低下は脳のエネルギー不足が原因。脳の唯一のエネルギー源となる糖質は体内に長時間留めておけないので、12時に昼ごはんを食べると午後3時?4時くらいに自然と血糖値が下がってくる。この時間帯に200キロカロリー程度の糖質中心のものをとれば集中力が回復。お勧めは饅頭や羊羹などの和菓子。バターや油が使われている菓子パンやケーキは、カロリーが高く肥満の原因になるのでNGだ。

抜け毛予防に効くのは?

ヒジキvs.アーモンド
ヒジキやわかめなどの海藻にはミネラルが多いので、確かに髪の毛の元になる栄養素は含まれている。ただ、それが抜け毛予防になるという科学的根拠は、実は証明されていない。抜け毛予防には、むしろ頭皮の血行を良くすることが大切なので、血行を促進するビタミンEが豊富なアーモンドなどのナッツ類をとったほうが良いだろう。カボチャ、ピーマン、ブロッコリーなどもビタミンEが豊富。

新陳代謝を上げるには?

カレーvs.ショウガ
汗が噴き出るほど辛いカレーを食べると身体が活性化するような気がするが、それは一瞬のこと。汗がひいた後は逆に身体が冷えてしまうので代謝アップにはつながらない。身体を持続的に温め、代謝アップを促進するにはショウガがお勧め。ショウガに含まれるジンゲロールという辛み成分には血行を良くする効果が大。すりおろしたショウガ(チューブ入りでも可)を紅茶に入れれば、気軽に飲めてグッド。

血液をサラサラにするには?

青魚vs.コンニャク
サバなどの青魚に含まれているDHAやEPAなどのオメガ3系列脂肪酸には血栓を作りにくくする働きがあるので、サバの塩焼きなどを食べるのも悪くない。ただ、より効果的なのは食物繊維を豊富に含んだ食品をとって腸の大掃除をすること。その代表的な食品がコンニャク。コンニャクに含まれた水溶性の食物繊維が、腸内で血液中の余分な脂肪をとり込んで排出し、血液をサラサラにしてくれる。

牧野直子(まきの・なおこ)料理研究家
女子栄養大学卒業。在学中より、栄養指導や教育活動に携わり、雑誌、テレビといったメディアで活躍する一方で、料理教室、保健センター、小児科での栄養相談を行なっている。現在、「スタジオ食」代表。『からだに効く100のスムージー』『世界一やさしい!栄養素図鑑』(ともに新星出版社)、『不調のときに助けてくれる野菜ごはん』(主婦の友社)など著書多数。《取材構成:内山靖子》(『THE21オンライン』2018年8月号より)

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