新しく家を建てる際には、設計や設備以外にも住宅のセキュリティに気を付けましょう。マンションなどの集合住宅よりも一戸建て住宅のほうが防犯の必要性が高いとされています。今回は、一戸建てで考えておきたいセキュリティ対策についてご紹介します。
一戸建ての盗難・空き巣被害はマンションの2倍以上
住宅に必要なセキュリティといえば、まず思いつくのが盗難・空き巣に対するものではないでしょうか。警察庁が公表しているデータによると、一戸建て住宅は集合住宅よりも犯罪に遭いやすいことが明らかになっています。
「平成29年の刑法犯に関する統計資料」によると、空き巣や忍び込み、居空き等の侵入窃盗は年間4万1,808件発生し、被害を受けた住宅の種別ごとでは一戸建て住宅が2万9,947件、三階建以下共同住宅で8,614件、4階建以上共同住宅で3,247件となっており、空き巣等の被害は半数以上が一戸建てで発生していることが分かります。
一戸建て住宅を新しく建てようと考えるときには、家づくりの段階からセキュリティを念頭に置き、こういった犯罪のターゲットにならないよう対策を講じることが重要なのです。
自宅を侵入者から守る6つの防犯ポイント
一戸建て住宅で犯罪に遭わないためには、狙われにくい家づくりを行う必要があります。「侵入しにくそう」「侵入してもすぐに気付かれてしまいそう」といった印象を与えるための工夫を取り入れてみましょう。
玄関
一戸建て住宅の侵入窃盗被害の侵入口で16.3%を占めるのが、表出入口(玄関)から侵入する方法です。(警察庁の「平成29年の刑法犯に関する統計資料」調べ)一般的に、ピッキングに5~10分ほどの時間を必要とする扉は窃盗犯があきらめる傾向にあるため、玄関の鍵はピッキング対応の製品を選ぶようにしましょう。例えば、ディンプルキーと呼ばれる鍵は、形状が複雑なので解錠までにある程度の時間を要します。
上下2ヵ所に鍵を取り付けておく二重ロックも時間稼ぎにおすすめです。このほか、内側のつまみを外から回して解錠する"サムターン回し"やこじ開けへの対策には、着脱式サムターンやカマ式デッドボルト錠の設置が効果的です。
より防犯性の高いものを選ぶなら、電子錠を検討してみましょう。指の静脈が鍵になるものや、スマートフォンや車のようにリモコンでドアの開け閉めができるドアキーのシステムもあります。買い物などで両手がふさがっていても鍵を開けられるため、大変便利です。
窓
同じく警察庁の「平成29年の刑法犯に関する統計資料」によると、一戸建て住宅の侵入窃盗でもっとも多い侵入口は「窓」で58.8%です。施錠されている窓でも、ガラスを割ったりバーナーで焼いたり、切ったりするなど、窃盗犯はさまざまな方法で侵入します。施錠を行うだけでなく窓のセキュリティを万全にし、窃盗犯の侵入を防ぎましょう。
対策としては、玄関と同じく二重ロックにするほか、赤外線で侵入者の接近を検知するセンサーを付けるといった方法が挙げられます。防犯ガラスの設置、防犯フィルムの貼り付けなど窓そのものに対策を講じるという手もあります。
防犯カメラ
通りがかりに道路から見ても分かるように防犯カメラを取り付けておけば、窃盗犯に、侵入の下見の段階で犯行を断念させる効果が期待できます。雨やほこりに強いカメラ、夜間でも鮮明に撮影できるカメラ、広範囲の撮影が可能なドーム型カメラなど種類はさまざまです。予算や家のデザインに合わせて選びましょう。侵入場所になり得る箇所に複数台設置するのがおすすめです。
人感センサー付きライト
防犯カメラのすぐ近くにあわせて設置したいのが、近づいてきた人を感知して自動点灯する人感センサー付きライトです。人の目に触れたくない窃盗犯は目立つのを嫌うため、夜間はもちろんのこと、日中でも近隣住民に気付かれる可能性のある住宅は避けたくなるものです。現在は光とともに音で知らせるタイプも発売されています。
防犯砂利(じゃり)
エクステリアとしてだけでなく、セキュリティとしても砂利は役立ちます。防犯砂利を庭や住宅の周りに敷き詰めると、上を歩くたびに大きな音が発生します。音の出る設備は窃盗犯にとって厄介なものです。防犯砂利が敷いてあるだけでも、空き巣に入れない家と認識させることができるでしょう。
塀と生垣
プライバシー保護の観点から、「塀や生垣を高くしたい」と考える人は多いでしょう。しかし、セキュリティの面から見ると高さのある塀や生垣は、あまりおすすめできません。人の身長よりも高いと周囲の目が敷地内に行き届かず、窃盗犯の侵入に気付くことができなくなってしまいます。生垣・塀は低く設計するか、見通しの良いデザインにするとよいでしょう。
セキュリティ対策は家づくりの段階から
せっかくのマイホームを手に入れても、空き巣被害に遭ってしまうと金銭面だけでなく精神的にも大きなダメージとなります。さらに、家族が在宅中に犯罪者が侵入した場合は、室内で犯人と鉢合わせる危険性も伴います。防犯を意識した家づくりに加え、ホームセキュリティへの加入を検討してみるのもよいでしょう。セキュリティ会社による24時間の監視は、不在時の防犯に効果的です。家族と財産を犯罪から守るためには、防犯を意識した家づくりを行うようにしましょう。(提供:MORIZOU online)
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