要旨

医療保険制度の保険料
(画像=PIXTA)

公的医療保険の保険料は、全員が同じというわけではなく、保険主体である保険者毎に異なっています。

保険料の決定方法についても、保険者毎に異なっています。

健康保険や共済組合等の職域保険においては、基本的には被保険者の報酬(給料)や賞与(ボーナスなど)の額等の所得に応じて定められています。ここで、毎月の保険料は「標準報酬月額」に対する割合、賞与などの保険料は「標準賞与額」に対する割合という形で決められます。この割合を「保険料率」と呼んでいます。この保険料率が保険者毎に異なっていることにより、各医療保険制度に加入する被保険者の負担が(仮に、同じ所得水準等であっても)異なってくることになります。

ここで、保険料の計算の基礎となる報酬(給料)には、基本給のほか、残業手当なども含まれています。しかし、私たちの報酬は人により千差万別であるため、個々人の報酬の実額に基づいて、毎月の保険料を計算することになると、大変面倒なことになります。そのため、「標準報酬月額」という概念を用いて、各人の実際の報酬をそれに当てはめて、簡単に保険料の計算ができるようにしています。「標準報酬月額」は、平成30年度においては、最低5万8,000円から最高139万円まで、50等級に区分されています。

また、国民健康保険等の地域保険においては、所得に応じて定められる額に加えて、被保険者毎に定額の保険料が徴収されることになります。

なお、職域保険の場合、保険料は、被保険者だけでなく、事業主がその半分以上を負担する形になっています。