(本記事は、金川顕教氏の著書『年収1億円の人のすごい習慣』サンライズ・パブリッシング、2018年12月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
人財との出会いは、10倍の効果を生む
人間関係においては、一緒にいることでお互いに価値のある関係=シナジー人脈を作ることが重要です。シナジーの効果は誰と一緒にいるか、誰と組むかで大きく変わります。
例えば学生時代、数学がとても苦手だったのに担当の先生が替わったら面白く思えてきて成績がぐんぐん伸びた、などという経験はなかったでしょうか。
逆に英語が大好きだったのに、担当の先生が替わったら授業がつまらなくなり、どんどん成績が下がってしまった。結果的に嫌いな教科になってしまった、という経験もあるかもしれません。
このように、良い人との出会いは、良いシナジーが生まれ、自分を良い方に導いてくれます。1+1が5にも10にもなるのです。
逆に自分に悪影響を及ぼす人と一緒にいると、1+1が0になったりマイナスになったりします。
相性の問題もあります。教えるスキルは十分にある先生だが、自分とはソリが合わず、結果としてその教科が嫌いになってしまうこともあるでしょう。その相手が良い人か悪い人かということではなく、あなたにとってどんな影響を及ぼす人か、というのが重要なのです。
よく、人には人材、人財、人罪の3種類がいると言われます。人材というのは言ってしまえば普通の人です。普通といってもやるべきことはしっかりやる。
仕事ならば与えられた業務はこなすし、友人なら一緒にいて楽しい。そんな人です。
人財というのは、一緒にいてシナジーを見込める人物です。
私は独立して収入を伸ばした経験を元に講演会を開催していたのですが、その講演会で知り合った受講者同士でシナジーが生まれ、互いの年収が10倍になったというケースもあります。
年収の低い人のまわりには人罪がいることが多いです。人罪というのは一緒にいると損になる人物のこと。一番典型的な人罪は「時間泥棒」です。
私は人生を成功させる上で最も大切なのは、能力でもお金でも頭の良さでもなく、時間だと思っています。
そもそも時間があれば、能力を鍛えることもお金を増やすこともできるのですから、今どんな境遇にある人でも、時間さえあれば人生を良い方向に導くことができるのです。
よくタイムイズマネー、という言葉を聞きますよね。時間=お金、という意味ですが、私に言わせればそれでは生ぬるい。
タイムイズマネーではなくタイムイズライフ、時間=命だと考えるべきです。時間を奪うことは、極論すれば命を奪うことなのです。
例えば飲み会。毎日毎日仕事終わりに飲みに誘ってくるような友人は、人罪です。
あなたがずっと今の会社で安定したキャリアを積みたいと思っているなら、愚痴を言い合える良い友人になるかもしれませんが、もしあなたが大きく成功したいと思っているならば、そのための時間を奪う相手に他なりません。
今すぐ避けるべき人間なのです。
年収300万円の人のまわりには、「人罪」がいる
年収1000万円の人のまわりには、「人材」がいる
年収1億円の人のまわりには、「人財」がいる
仕事を任せれば人は勝手に育つ
年収300万円の人はまず自分の能力に課題があります。上司から仕事を教わる、言うなれば義務教育を受けているような状態です。
年収1000万円の人というのは、自分一人の能力は十分に高いので、部下を教育しなければならない立場の人が多いでしょう。チームリーダーであったり役職を与えられたりしている人は、いくら自分が頑張っていても自分のチームや部署全体が成果を出さなければ評価してもらえないため、いかに教育するかというのが重要な課題となります。
ちゃんと教えているつもりなのに、なかなか部下が仕事を覚えてくれない。チームをまわすためにはどうやってマネジメントすればいいのだろうか。そんな悩みを持つ年収1000万円の人も多いでしょう。
私自身も常にチームで仕事をしているので、チームメイトの仕事ぶりは成果に直結します。
ときにはまだその仕事に慣れていないメンバーとチームを組むこともあるので、そういう場合は教育する必要があるのですが、このとき私が大切にしているのが教育の自動化です。
手取り足取り仕事を教えるのではなく、部下が勝手に育ってくれる仕組みを作るのです。そんなことができたらまさに理想的だと思いませんか?
部下が勝手に育つために重要なのは「任せる」ということ。アインシュタインの名言に「何かを学ぶためには、自分で体験する以上に良い方法はない」というものがあります。
どんなに丁寧に仕事のやり方を教えたところで、教えられる方にとってそれは所詮、インプットでしかありません。インプットしただけの情報は忘却曲線に沿ってすぐに忘れてしまいます。
ですから私は、まず部下には仕事を任せてしまいます。もちろん、適宜アドバイスをしますが、マニュアルのように説明ありきの指導をしても意味はありません。
それが不安だ、という人は他の優秀な部下と一緒に仕事をさせましょう。
組織には「2・6・2の法則」というものがあります。組織全体の中で、仕事ができる人が2割、普通の人が6割、仕事が苦手な人が2割になるという法則です。仕事ができる、できないというのは才能の問題ではなく、やる気ややり方の問題であることがほとんどです。
私の経験上、仕事のできない2割の人も、仕事のできる2割の人と組ませれば勝手にできるようになります。
それでもやはり、あらかじめ知っていてほしい知識というのもあります。そういったものはYouTube等で配信し、それを見てもらうことで私がいないところで勝手に育つ仕組みを構築しました。
どうしても知っていてもらいたいことというのは、基本的にどんな事業であっても似ているので、何度も同じことを説明することになり時間がもったいないからです。
仕事を「教えて伸ばそう」としている年収1000万円の人は、これを機会に「任せて伸ばす」ようにシフトしてみましょう。
年収300万円の人は、教えられるだけ
年収1000万円の人は、教え上手
年収1億円の人は、任せ上手