評価基準の違い
固定資産税はその固定資産の所在する市区町村等が評価し課税します。
一方で相続税は国税庁が定めた財産評価基本通達により評価するものとし、その評価額を用いて税額を定めます。
この為、固定資産税評価と相続税評価の評価基準が異なることがあるのです。
固定資産税の課税地目としての「公衆用道路」
登記地目が「公衆用道路」、固定資産税の課税地目も「公衆用道路」で固定資産税が非課税となっている土地を相続した場合、相続税評価でも「公衆用道路=不特定多数の者の通行の用に供されている」と判断し、評価額はゼロ円とすることが出来るのでしょうか。
答えは「×」です。
ある市区町村の固定資産税課では私道を「公衆用道路」として取り扱う条件として、下記のうちいずれか一方を満たすこととしています。
①現況が公道から公道に連絡している私道で、一般的利用に関して何ら通行上の制約を設けていないものであること
②登記地目が公衆用道路であり、かつ現状も道路として使用しているもの
上記①については、財産評価基本通達24≪私道の用に供されている宅地の評価≫の「その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しない。」と同義であると考えることが出来ます。
上記②については登記地目が「公衆用道路」であり、現在も道路として使用していれば、固定資産税評価上の地目は「公衆用道路」として認められ、その土地は非課税となるようです。
袋小路の「公衆用道路」
袋小路の形状をした私道の場合、たとえ登記地目・固定資産税評価地目が「公衆用道路」であっても、相続税評価上は「不特定多数の者の通行の用に供されている」とは認められず(その私道を通行して不特定多数の者が、地域等の集会所、公園等の公共施設や商店街等に出入りしている場合や、私道の一部に公共バスの転回場や停留所が設けてある場合を除く)、あくまで「行き止まり私道」として下記の算式により評価します。
(修正後の正面路線価)×(地積)×30%
登記地目、課税地目と相続税評価上使用する地目は必ずしも一致するとは限ならいので注意が必要です。
(提供:チェスターNEWS)