「忙しいので、時間が取れない…」と言われたら

このフレーズもお約束のように毎回耳にする。しかも、本当に忙しいのか、断るための口実なのかも分からない。

その際の切り返しの定番はこうだ。

「お忙しいところ、失礼いたしました。(申し訳なさそうに)大体、お手隙になるのは、いつ頃のタイミングで……」と会う時間が取れるタイミングを相手に言わせる。

「連休明けには……」とか「秋口には……」といった回答を得たら、その場はスマートに電話を切って、記録し、相手がその時に言った時期に再コールし、「3ヵ月前のお忙しい折に電話をかけてしまいました、〇〇の大塚ですが、そろそろお手隙になるタイミングかと~」といった具合に再チャレンジするのだ。

言質(げんち)を取っているだけに、かなりの確率でアポが取れる。もちろん、「いや、実はまだバタバタしていて……」を繰り返す人もいるが、3回以上繰り返されたら、その人では先に進まないので、もう一階層上の人か別な部門の役職者にアプローチしたほうがいい。

すでにお願いしている所がある

こうしたニュアンスで断ろうとする相手には、肯定的に受け止め「比較」を促したい。例えば、「それはよかったです。では、是非、一度、使い勝手やコストを比較していただければと思います。少々、驚かれるかもしれませんよ。さっそくですが……」といった感じだ。

そもそも現状に満足している企業などないと考えて対処するのが正しくて、口では「満足」と言っていても、そのほとんどは「高いモノをつかまされているのでは?」という疑いを持っているということを忘れてはならない。

「興味がない」「間に合っている」への対処

テレアポで「興味がない」「間に合っている」と返答されるのも、日常茶飯事だが、その際に一番大事なのは「誰がそう言っているか」だ。

決裁する人物がそう言っているなら諦めるしかないが、一担当者、一課長の「興味がない」「間に合っている」は会社の総意ではないので、決裁者以外の「興味がない」「間に合っている」という言葉を真に受けてはいけない。

つまり、そう言われた際の対処はアポイントを取る相手を、上の階層か横に変えてみるのだ。

もちろん、なかったはずの興味が経営側からの指示によって「最優先課題」になることさえあるので、一度は「興味がない」と反応された相手に対しても時期、曜日、時間、キーワード、切り口の何かを変えながら、アポが取れるまで定期的にアプローチし続けるという基本動作も忘れないで欲しい。

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(出典:「営業サプリ」https://www.eigyousapuri.jp/

大塚 寿(おおつか・ひさし)エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。

営業サプリ編集部(えいぎょうさぷりへんしゅうぶ)
「どうしたらもっと売れるようになるのか?」「もっと効率的に仕事をこなすにはどうしたらいいのか?」こうした営業パーソンの悩みを解決し、営業を元気にする情報メディアが「営業サプリ」です。売れる営業養成講座を始め、時間管理の方法やうまく睡眠をとるためのコツなど、営業パーソンを様々な角度からサポートする情報を、日々お届けしています。https://goo.gl/MAvRsQ (『THE21オンライン』2018年09月19日 公開)

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