相続開始前後の医療費と入院保険金については相続税のみならず、被相続人の準確定申告や相続人の確定申告など所得税の課税関係も考慮しなければならないため、取り扱いが複雑になります。
そこで、相続税と所得税の課税関係をまとめますと以下のような取り扱いになります。
◆相続開始前に被相続人が支払った医療費
・被相続人の準確定申告の際に医療費控除の対象になります。
◆相続開始後に相続人が支払った医療費
・相続人が被相続人と生計を一にしていたのであれば、相続人の確定申告の際に医療費控除の対象になります。
・被相続人の相続税の計算上、債務として相続財産から控除することができます。
◆相続開始後に受け取った入院保険金(契約者:被相続人、保険金受取人:被相続人)
・身体の傷害に起因して支払われる保険金に該当するため、所得税法上は非課税になります。
・医療費控除の計算上、給付の目的となった医療費の金額を限度としてその支払った医療費の金額から控除します。
・被相続人の本来の相続財産として相続税の課税対象になります。
◆相続開始後に受け取った入院保険金(契約者:被相続人、保険金受取人:相続人)
・身体の傷害に起因して支払われる保険金に該当しますが、支払を受ける者(相続人)と身体に傷害を受けた者(被相続人)が異なるため、その支払を受ける者(相続人)がその身体に傷害を受けた者(被相続人)の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族である場合に限り、所得税法上は非課税になります。
・医療費控除の計算上、給付の目的となった医療費の金額を限度として支払ったその医療費の金額から控除します。
・相続財産にはなりませんので相続税の課税対象にもなりません。
(提供:チェスターNEWS)