保有する資産のほとんどが株式という資産構成の評価対象会社があります。このような評価対象会社を「株式保有特定会社」といいます。
通常、取引相場のない株式を原則的な評価方法により評価する場合には、純資産価額と類似業種比準価額を基に評価することになります。
一般的に類似業種比準価額を適用できる場合には評価が下がる傾向にあるようようですが、株式の保有割合が高い株式保有特定会社についても、一般の評価会社に適用される類似業種比準価額を適用して評価を行うと、適正な株価が算定されない可能性があります。
従って、株式保有特定会社の評価については、次の①又は②のいずれか低い金額で評価を行うことになります。
①次の要素で評価した価額(S1+S2)
S1(株式等以外の資産):評価会社の規模に応じて、株式等以外の資産を原則的評価方式を適用して計算した金額 S2(株式等):評価会社が有する資産を株式等のみと仮定した場合に計算した1株当たりの純資産価額
②純資産価額
この株式保有特定会社に該当するか否かの判定ですが、従来は大会社の場合には株式保有割合が25%以上、中会社及び小会社については株式保有割合が50%以上であるかが判定の基準となっていました。
しかし、大会社であった場合において株式保有割合が25%を若干超えた場合には、類似業種比準価額評価から純資産価額評価に評価方法が変わってしまうことになりますが、この数%の違いで課税方法が変わってしまうことで適正な株価と乖離が生じてしまいます。
この保有割合25%について納税者と国税庁と裁判が行われておりましたが、先日納税者側の勝訴が確定しました。
国税庁側ではこの判決に基づき、平成25年4月2日付で「「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について」というパブリックコメントを公表いたしました。
意見受付締切日は平成25年5月1日となっておりますので、その直後に通達の改正が行われると考えられますが、判例による通達改正ですので、過去に遡って還付請求が行えるものと考えられます。
(提供:チェスターNEWS)