近年多く見かける高層マンションでは、その向きや階によって販売価額が大きく違うことがあります。これは、高層階の眺望などにプレミアムが付くためです。
しかし、専有部分の面積が同じであれば、どの階の部屋でも相続税評価額は同じになります。
1.高層マンションの高層階が相続税の節税につながる理由
例えばあるマンションに、面積の等しい10階北向き3,000万円の住戸と、40階南向き8,000万円の住戸があるとします。この2住戸は分譲価格が大きく異なりますが、建物の固定資産税評価額は同じになります。
なぜこのようになるかというと、固定資産税は、階層の上下や向きにかかわらず、面積のみを基準に単純評価されるからです。
また、専有面積が同じなので、土地の敷地持分も同じです。
つまりこの2住戸は、販売価格に開きがあっても、全く同じ相続税評価額になります。
2.ただし、将来的にこの節税効果がなくなってしまうリスクも!?
現状の税法では、上記の取り扱いとなっていますが、近年この節税対策が世間で流行しており、そこに国側も注目をしていることは事実です。今までは評価の対象外とされていた、こういったプレミア価格部分も相続税評価額に算入されるようになる可能性は将来的にはあると思われます。
また、例えば、現状でも法人(会社)が購入した不動産は3年が経過するまでは時価(購入価格に近い金額)で評価しなさいという規程があります。
こういった規程が個人所有の不動産にも導入されると、相続開始直前で購入した不動産には相続税の節税効果がなくなるといった事態もおきかねます。
(提供:チェスターNEWS)