相続が発生し、相続税の申告が必要になった場合には、 支払われる生命保険金がどういった性質なものなのか把握する必要があります。
なぜなら、生命保険金には非課税枠(500万円×法定相続人の数)があるからです。
今回は、数年前に満期を迎えた養老保険の満期保険金を据置にした場合の 相続税のかかり方についてご説明いたします。
被相続人は、保健期間が10年の養老保険に入っておりました。
この10年の間に亡くなれば、死亡保険金として500万円、満期まで生きていれば、満期保険金として500万円もらうことができます。無事にご生存され、満期保険金を受け取ることができることになりました。
しかし、この被相続人は、すぐに受け取る必要もないので、据置にしました。据置とは、支払われることが確定した保険金を、保険会社に預かってもらうことです。その数年後、被相続人は亡くなられ、相続が発生し、それに伴いこの据置にした保険金が 相続人の方々に支払われました。
この場合、この支払われた保険金は、非課税枠を適用することのできる生命保険金に該当するのでしょうか。
結論から言うと、これは非課税枠を適用することのできない保険金であり、「預貯金以外の預け金」として評価されるようです。
国税庁は、据置とは、保険会社と新たに契約した預金契約と理解しているようです。(参照 国税不服審判所 平12.11.8裁決、裁決事例集No.60 237頁)
とてもわかりやすく説明するならば、据置とは、支払われた満期保険金を、すぐに銀行に預けることと同じになります。つまり、支払われた保険金は、本来ならば数年前に支払われるべきものであったが、据置契約により保険会社が預かっていたものであり、生命保険金としての性質を持ちません。
そのため、「預貯金以外の預け金」として評価するものであり、非課税枠を使うことはできません。 誰かが亡くなると、保険金が支払われます。しかし、それが全て非課税枠の使える保険金とは限らないということにご注意ください。
(提供:チェスターNEWS)