金融機関の融資姿勢が緩くなっている?

最近、金融機関の融資姿勢が緩くなってきた、という話を耳にすることがしばしばありますが、これは先ほども述べたように金融機関の経営方針の違いによるものと考えられます。ある大手都市銀行では「5戸以上の購入でなければ融資はしない」という話を聞いたこともありますし、ある信用金庫では「頭金は5割以上欲しい」という話を聞いたこともあります。

一方で、不動産会社との話では、某地方銀行が積極的に案件を取り扱おうとしている、とのことでした。最近では、韓国の某銀行を紹介することもあるとも言っていました。現在、金融機関各社は融資先の開拓に苦戦しています。住宅ローンは活況であるものの、利ザヤが取れず、国債での運用も利率が低下し、収益性が落ちています。

そのような中で、不動産投資は2%半ばから3%を超える金利を取ることができる有望な分野と言えるわけです。この分野に先駆者的に一部の銀行が参入していると言ったところでしょう。一つ言えることは、ある銀行に融資の申し込みをして断られたとしてもそこであきらめてはいけないということです。他の銀行であれば融資を受けることができる可能性もあるわけです。


ノンバンクという選択肢もある

また、資金調達先は銀行ばかりではありません。信販会社等でも不動産投資に対する融資に応じてくれるところはあります。多くの場合、収益物件を紹介してくれた不動産会社が提携している金融機関を紹介する際に、銀行とは別に信販会社も候補の1つとして挙げてくれます。

但し、どこを紹介してくれるかは不動産会社の力量によるところもあります。銀行に比べて、信販会社などのノンバンクは審査基準が緩くなっていますが、その分、金利は高めとなっています。典型的な審査基準の違いは年収にあります。銀行の審査において年収が基準を満たさなかった場合には、信販会社等に話を持って行ってみるというのも一つの手段です。

しかし、この場合には調達金利と運用利回りを比較検討して、本当に採算が合うのかどうかということを確認しておくことが重要です。不動産投資はお金を調達することが目的ではなく、安定した収入を得たり、転売して売却益を得たりすることが目的です。融資はその手段でしかありません。


借りすぎにはご注意

めでたく資金を提供してくれる金融機関が決まったとしても、借入額には注意しなければなりません。借入比率が高ければ高いほど、レバレッジを効かせた運用をすることができます。フルローンを組むことができれば、自己資金を持ち出すことなく収益物件を保有することができます。

しかし、家賃収入を完全に当てにしている投資シミュレーションは多少の空室が発生した段階で大きく支障をきたすことになります。金融機関が貸してくれる金額と適正な借入額は同じではないということを頭に入れておきましょう。今後、運用難に苦しむ金融機関が不動産投資に対する融資を積極的に勧めてくるかもしれません。もしかすると、融資をしたいがために収益物件の話を持ってくるかもしれません。

しかし、そのような時でも、言われるがままに乗っかってしまうのではなく、まずは自分で投資シミュレーションを立ててみて、再三に合うのかどうか、キャッシュフローに無理はないかどうかということをしっかりとチェックしてみましょう。

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