(本記事は、河本真氏の著書『働かない働き方。』パブラボ、2019年1月11日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

午前中しか仕事し「ない」

働かない働き方。
(画像=Maxim /Shutterstock.com)

私は週21時間以上働かないルールを自分に課している。これは土日など、いわゆる休日も問わない。むしろ、土日のほうがはかどることも多い。

基本的には1日3時間以上働くことはないし、ほぼ午前中だけでいわゆる「働く行為」を終える。

「それは河本さん(著者)のビジネスモデルだからできるのでは?」

そう言われることもあるが、そんなことはない。このような働き方は、実は今の時代、誰でも実現できる。

その具体的な理由と私の午前中の時間割についてはこれからお伝えしていくが、最初に正直な話をすると、私の物理的な働く行為は午前中だけだが、脳は24時間働きっぱなしである。

つまり、午後は働かないというのは本当でもあり、嘘でもあるのだ。

どういうことかというと、いわゆる職場にいる時間は午前中だけだが(私の場合はホテルかカフェが多い)、あるテーマや課題を常に脳に与えているので、午後からはビーチ沿いで昼寝をしたり、ドライブしたり、公園でチビと遊んでいたりしていても、実質、脳は勝手に「働いて」いるのだ。

これは誰もが持っているシステムであり、脳の機能を活かした「働かない働き方」の秘密でもある。

私たちの脳はスーパーコンピュータであり、投げかける質問に答えを自動的に導き出してくれる機能を持っている(潜在意識の働きである)。

たとえば、「そういえば、小学2年5組にいたマドンナ的存在って誰だっけ?」などと自分に質問すると、その瞬間に答えは出なくとも、数日後には「それは山田花子だよ」などと勝手に答えを出してくれるのだ。

そのタイミングは、人によって異なるが。

ランニング中かもしれないし、シャワー中かもしれないし、もみあげの手入れをしているときかもしれないが、とにかく必ず答えを導き出してくれる。

これはものすごい機能だ。

なぜなら、ただ自分に問いやテーマを与えておくだけで、自動的に働いてくれるからである。しかも、このシステムは量に制限がない。いくつテーマや質問があっても断られることはなく、脳が自動で処理をしてくれる。

多くの方は、この機能を軽視しているが、実はこのシステムはとてつもない可能性を秘めていて、私はこのシステムを最大限に活用することを意識している。

つまり、午前中には、このシステムを使う動作を入念におこなっているのだ。

やるべきことはシンプルだ。今の自分にとっての課題や問題を書き出して、「どのようにしたいのか」を意識的に、具体的に書き出すだけだ。

たとえば、次のような感じだ。

・今の課題と問題―――アポの予約が今月だけ30%少ない
・理想や望ましい姿――アポを前月比で150%アップさせたい

このように、現状と望ましい姿を可視化させるだけで、脳はこの手段を見つけ出してくれる。

今の時代は、第1次産業である農業や林業、漁業がメインの時代とは違い、第3次産業(金融や保険、卸売り、小売、サービス業、情報通信業など)までもが「働き方」として存在する時代だ。いわば、選択可能な時代である。

そして、近年は第4次産業(情報産業、医療産業、教育サービス産業など)まで登場し、時代は大きく変わった。

当然ながら、これに合わせて私たちの「働き方」もアップデートさせなければならない。

第2次産業までは、労働者として時間を拘束されたなかで、主に身体を使って働くことが労働であり、「働く」行為(ブルーカラー)だったが、第3次産業以降は汗水を垂らして(身体を使って)働く働き方ではなくなり、いわゆる「ホワイトカラー」と呼ばれる頭脳労働にシフトしていった。

つまり、クリエイティブやセンスなど、右脳的な働き方が求められるようになったのだ。第3次産業以降の仕事に従事している人は、いかに質の高い、ズレのないアイデアを出すかで、ビジネスの安定度や拡大度が決まってくる。

だから、私はあえて働かないようにしているのだ。

いつも同じ場所で同じ人と接しながら、いわゆる使い慣れたパソコンとキーボードが目の前に置かれた状態では、脳がクリエイティブな作業をしてくれることは極めて少ないと感じているからだ。

いわゆるデスクワークの時間を極限まで減らし、なるべく脳が空っぽで、常にクリエイティブが発揮される状態を意図的につくっている。

午後からは、サーフィンをしたり、ダンスをしたり、楽曲を探しに出かけたり、家族で美しい景色を見たりなどしているのも、そのためだ。

脳には常に自分に対して与えた何かしらのテーマや課題があるので、サーフィンやダンスを楽しみながらも、潜在意識は働いてくれている(働いてしまっている)。

遊んでいる(働いていない)という働き方を最近の言い方にするなら、働き方3.0と言っても良いかもしれない。

もし、あなたが頭を使って働く業界にいる場合は、大きく働き方を変えることも不可能ではない。

とくに私のようにインターネットさえあれば、働ける環境にいる場合は、「あえて働かないように」したほうがクリエイティブになり、その結果、働かなくても働いてしまうことになるだろう。

働く行為をやめることを言い換えると、働くことから距離を置くことだ。

海外旅行に出かけて、日本の素晴らしさを感じたり、一人暮らしをはじめて、両親のありがたさに気づいたりするように、一度、「働く」という行為から距離を置くことで、冷静に「働き方」を眺めることができるようになる。

実際に、私も適度な距離を保つようにしているので、冷静に自分の働き方を見つめ直すことができ、結果的に多くの無駄な作業を排除することに成功している。

また、この距離感から新しい気づきやアイデアを得られ、つい働きたくなってしまうのだ。

今はありとあらゆる仕事が存在し、スマホの登場で自宅でも働ける時代になったが、あえて距離を置くのも悪くない。

私は働くことに距離を置くためにも、そして働く行為をアップデートさせるためにも、あえて「働かない働き方」をチョイスし、人生を楽しみながら最高のパフォーマンスを発揮することに力を注いでいる。

あなたのパフォーマンスが最大限に発揮される働き方とは、どんなだろうか。タイムスケジュールなどを再度、考えていただきたい。

働かない働き方。
河本真(かわもと・しん)
1988年、神奈川県相模原市生まれ。1日3時間だけ働く数社の経営者&オーナー。学生時代に違和感を感じ、起業し、仕組み化に成功。何社経営しようが、働く時間は週21時間までがポリシー。アウトバウンド支援事業、機能性アパレルの通信販売事業、起業支援事業、男性向け精力増強スクール事業など多岐にわたるニッチなジャンルで独特のビジネスセンスをもとに働かないで働く仕組みを構築。

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