(本記事は、河本真氏の著書『働かない働き方。』パブラボ、2019年1月11日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

お金の稼ぎ方を決め「ない」

働かない働き方。
(画像=VGstockstudio/Shutterstock.com)

お金の稼ぎ方はさまざまに存在している。

たとえば、サラリーマンとして会社に勤め、その労働力の対価としてお金をいただく稼ぎ方。これは私たちが抱いている一番メジャーな稼ぎ方のイメージだ。

他にも不動産オーナーになって、入居者から毎月固定のお金をいただくお金の稼ぎ方。著者になって本を出版し、印税収入を得るお金の稼ぎ方。会社を買って、大きく育てて売却するお金の稼ぎ方。自分のお気に入りの商品を誰かに紹介して、紹介料をもらうお金の稼ぎ方。

例を挙げればキリがないほど、たくさんのお金の稼ぎ方がある。

ここでは「これをしろ、あれをしろ」という提案はしないが、大切なことは、ひとつのお金の稼ぎ方に縛られず、たくさんのお金の稼ぎ方のイメージを持っておくということだ。

この世の中には、たくさんのお金の稼ぎ方が存在していて、これらのイメージを頭の片隅に入れておくことで、徐々にあなたの働き方が変わっていく。

「働かない働き方」を実現している人は、基本的に多くの人と異なることをしている。そして、お金を「即」稼ごうとしていない。今だけのお金を追わないのだ。

だから、ほとんどの人が気づけないチャンスに気づき、その人なりの発想とセンスにより、チャンスをモノにしている。

言い換えると、「働かない働き方」を実現するために、たくさんのお金の稼ぎ方を常に勉強し、研究し、自分なりに取り入れているのだ。

多くの人はお金を稼ごうと意識して、その衝動に駆られて、いつもさまざまな選択をしているが、衝動だけで生きていると、なかなか「働かない働き方」を実現することは難しい。

その理由は、分かりやすくお金を稼げるメリットが打ち出されているものしか見えないからだ。要は「これをすると儲かります」としっかり答えがわかるものしか見えなくなってしまうのだ。

だが、「世の中に存在するお金のさまざまな稼ぎ方を知ってみよう」という好奇心で生きていると、たくさんのお金の稼ぎ方を知ることになる。

そして、好奇心に従って生きているうちに、新しいチャンスに恵まれたり、「働かない働き方」を実現してくれるアイデアに巡り合うようになる。

基本的に、日本においては親の影響を大きく受けるので、だいたいの人のお金の稼ぎ方のイメージは、サラリーマンとして労働力と引き換えに、お金をいただくだけになってしまっている。

そして、このサラリーマンとしてのお金の稼ぎ方だけに満足できない人たちが、書店やインターネットなどで、新しいお金の稼ぎ方を探しはじめる。

最近は、テレビなどで副業解禁のニュースや、大企業の景気が悪いニュースなどが報道されるので、新しい稼ぎ方を手に入れようとする人も増えているようだ。

サラリーマンとしてお金を稼ぐ方法の次に出合う稼ぎ方は、MLMビジネス(ネットワークビジネス)や不動産投資による不労所得、権利収入、FXや暗号通貨、株式投資などだ。

これらも素晴らしいと思うし、人によっては「働かない働き方」を実現できるだろう。

だが、これだけでイメージを止めてほしくない。

これらは、あくまで手段の話であり、大事なのは世の中に存在するたくさんのお金の稼ぎ方を知ることだ。

たとえば、FXや株式投資が紹介されている本を読んで、「お金を稼げる」という衝動に駆られ、その方法で稼ごうとする。すると、この段階で冷静さを失い、本書で提案している働き方を実現することは難しくなる。

一方、たくさんのお金の稼ぎ方を知ることを念頭に置いて、その好奇心で生きていると、「お金を稼げる」いう衝動に駆られずに、他のことにも気づけるようになる。

「FXをするときに使う取引業者は、どうやってお金を稼いでいるのだろう?」
「不動産の売買を取り扱っている会社は、どんなビジネスをしているのかな?」

副産物として、このように他のお金の稼ぎ方を見つけることもできる。

基本的にすべての会社は、何かしらのビジネスを必ずしているので、あなたの辞書にはないお金の稼ぎ方を保有していることは間違いない。

そして、ここであなたの辞書にないお金の稼ぎ方を知れば知るほど、あなたに合った働き方とお金の稼ぎ方が自然に見えてくるようになる。これらが、あなたに「働かない働き方」を実現するアイデアを届けてくれる。

なぜなら、たくさんのお金の稼ぎ方を知っているので、普通の人では思いつきもしない仕組みを思いついてしまうからだ。

私にとってのお金のイメージは、この積み重ねで大きく変わっていった。

昔は「お金は追うものであり稼ぐもの」と思っていた。

だから、飛び込み営業や電話営業などで、こちらからガンガン売っていくと考えていたし、それだけが、お金の稼ぎ方だと思っていた。そのために心理学などを勉強し、限定性や期限などを利用し、一時的なお金を稼いでいたのだ。いわば、狩猟民族だ。

だが、この方法が時代的にも自分にも合っていないことに気づき、お金の稼ぎ方のイメージを変えた(変えたというより、他のお金の稼ぎ方を知って、それまでのお金の稼ぎ方のイメージを壊した)。

お金は「お金を払ってくれる仕組み」をつくって稼ぐものだ。

要は、お金を払ってくれそうな人たちを探し、そこに彼らがお金を「払ってくれる」仕組みをつくってお金をいただく稼ぎ方だ。

砂漠で喉がカラカラの人にとって、水は宝物に近い。もし彼らが水分を摂取できる選択肢を持っていなかったら、多額の現金を払ってでも水を手に入れるだろう。

だが、既に居酒屋の飲み放題で喉をタップリ潤した人にとっては、水は水以下のはずだ。

水を買いたいと思ってくれる人たちがいる場所(砂漠のような)を探し、そこに彼らが水を買える仕組みをつくればいい。

このような仕組みをつくれば、ここで提案している働き方は実現しやすいだろう。

そして、ここ最近はこのイメージもまた変わり、お金は応援されればされるほど自然に増えるものになっている。

いわば、世の中に必要とされるものを提案するお金の稼ぎ方だけではなく、人が思わず応援したくなってしまい、どんどん人に紹介したくなる仕組みをつくり、それによってお金をいただくお金の稼ぎ方だ。

私は、このイメージを手に入れたおかげで、自分で把握している以上に、想定外の出来事が起こるようになった(誰かが勝手に応援してくれるので)。

(私が)働かないで(応援という力が)働いてくれる働き方である。

ぜひ、あなたの辞書にないお金の稼ぎ方をたくさん知っていただきたい。これらのストックが増えれば増えるほど「働かない働き方」は実現できる。

働かない働き方。
河本真(かわもと・しん)
1988年、神奈川県相模原市生まれ。1日3時間だけ働く数社の経営者&オーナー。学生時代に違和感を感じ、起業し、仕組み化に成功。何社経営しようが、働く時間は週21時間までがポリシー。アウトバウンド支援事業、機能性アパレルの通信販売事業、起業支援事業、男性向け精力増強スクール事業など多岐にわたるニッチなジャンルで独特のビジネスセンスをもとに働かないで働く仕組みを構築。

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