【目次】
①ダイコー通産IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【2/26更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【2/21更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- ダイコー通産株式会社
- コード
- 7673
- 市場
- 東証2部
- 業種
- 卸売業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 河田 晃 /1972年生
- 本店所在地
- 愛媛県松山市姫原三丁目6番11号
- 設立年
- 1975年
- 従業員数
- 133人 (2018/12/31現在)(平均36.6歳、年収566.9万円)
- 事業内容
- CATV(ケーブルテレビ)および情報通信ネットワーク向け各種商品の仕入れ・販売
- URL
- http://www.daiko-tsusan.co.jp/
- 株主数
- 56人 (目論見書より)
- 資本金
- 411,798,000円 (2019/02/05現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,585,090株
- 公開株数
- 623,700株(公募160,000株、売り出し382,400株、オーバーアロットメント81,300株)
- 調達資金使途
- 東京営業所・東京物流センター拡充に向けた設備資金
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/02/20→1,510~1,540円に決定
- ブックビルディング期間:2019/02/22 - 02/28
- 公開価格決定:2019/03/01→1,540円に決定
- 申込期間:2019/03/04 - 03/07
- 払込期日:2019/03/11
- 上場日:2019/03/12→初値1,732円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- (株)ディー・ケー・コーポレーション 810,200株 33.41%
- 従業員持ち株会 244,130株 10.07%
- 河田 晃 225,530株 9.30%
- 河田 充 149,950株 6.18%
- 西村 晃 128,140株 5.28%
- 東京センチュリー(株) 100,000株 4.12%
- 河田 正春 87,140株 3.59%
- 河田 すみ子 67,980株 2.80%
- 栗栖 正治 39,150株 1.61%
- 小谷 幸恵 31,920株 1.32%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/05 単独実績 13,514 626 634 384
- 2018/05 単独実績 15,281 650 658 402
- 2018/11 単独中間実績 7,561 360 356 230
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の平成31年6月9日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 9億6049万8000円(623,700株×1,540円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- なし
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
ダイコー通産<7673>は本社を愛媛県松山市に置く、CATV及び情報通信ネットワークにおいて使用される各種商品(ケーブル、材料、機器等)の、仕入れ販売を主力事業とする企業である。
■事業内容について
同社は全国主要都市に営業所を設置し(12拠点)、CATV及び情報通信ネットワーク向けに各種商品の仕入れ販売を行っている。電線・ケーブル製造業者、通信機器具製造業者及び金属製品製造業者等のメーカー等から仕入れた各種商品を、通信工事施工業者、電気通信事業者、電力会社及び官公庁等の顧客に販売している。
尚、CATV市場向け及び情報通信関連市場向け販売事業の単一セグメントである。
同社が仕入れる商品は主にケーブル、材料、機器に分類され、販売先で屋内通信工事、野外通信工事、電力工事等に使用されている。
■事業の特徴
同社の事業上の特徴は①独立系であること、②多岐に渡る取扱商品、③自社規格製品の販売、④自社物流網の整備、の4点がある。
① 独立系であること
同社はCATV及び情報通信ネットワークで使用される商品に特化した、専門商社である。メーカー系の商社などは、仕入先や販売先が特定の相手先に依存せざるを得ない場合もあるが、同社は独立系専門商社として仕入れ先約400社、販売先約2,600社と多数の取引先を有している。事業環境の変化が激しい情報通信分野において、特定の顧客に依存せず、リスクを抑えた上での事業展開が可能である。
② 多岐に渡る取扱い製品
独立系専門商社として多岐に渡る商品を取り扱っており、取扱商品は約43,000点に達している。
多種多少の商品を取り扱っており、特定の仕入れ先の意向に左右されることなく、販売先顧客のニーズに最適且つタイムリーな商品の提供が可能である。
③ 自社企画製品の販売
同社では汎用性の高い商品の販売単価を下げ、尚且つ当該商品の利益率向上のため自社企画製品を取り扱っている。具体的には同社が商品の企画開発や製造委託を行い、顧客に販売している。
自社企画製品の販売により、利益率が低くなる傾向にある汎用品においても、一定の利益率の確保が可能となっている。
④ 自社物流網の整備
同社は本社が所在する愛媛県松山市に3カ所、東京営業所内に1カ所の合計4カ所の物流センターを保有。また営業拠点に10カ所の倉庫も配置し、自社物流網を整備している。
メーカーから仕入れた商品を自社倉庫に在庫として保管することで、顧客からの大量発注への対応も可能である。また全国に自社物流網を整備することで、配送費用の増加抑制も可能となっている。
■業績推移
2016年5月期 売上高137億円、経常利益5.6億円、当期純利益3.8億円
2017年5月期 売上高135億円、経常利益6.3億円、当期純利益3.8億円
2018年5月期 売上高153億円、経常利益6.6億円、当期純利益4.0億円
2019年5月期(予想) 売上高147億円、経常利益6.0億円、当期純利益3.9億円
着実な事業拡大を果たしている。ただし2019年5月期の予想決算は、前期に発生した6.1億円の大型案件の受注を見込んでいないため、対前年同期比で減収そして経常利益は若干の減益予想である。特別な案件の受注を前提としない、巡航速度的な数字との位置付けとなっている。
Q2時点で売上高76億円、経常利益3.6億円となっており、通期予想達成に向けての進捗は順調である。
■財務状況
2018年5月期末時点で資産合計127億円に対して、純資産合計50億円であり、自己資本比率は39.6%となっている。
借入金6.1億円に対して、現預金48億円を有しており、実質的には無借金会社である。
専門商社の位置付けであるが、貸借対照表上の商品は9.1億円に過ぎず、財務的には効率的な経営がなされている。尚、貸借対照表の借方における最大科目は現預金の48億円。次いで売掛金26億円、受取手形19億円の順であり、資産合計127億円のうち104億円が流動資産により構成されている。
■資金使途
IPOにより3.3億円の資金調達を行う計画である。調達資金は全額を、東日本ブロックの東京営業所及び東京物流センター拡充のための設備資金として充当される。
具体的には、東京営業所及び東京物流センターの土地取得資金の一部として、2020年5月期に全額を充当する予定である。
■株主状況
河田社長は株主シェア9.3%を有する第3位株主で、更に河田社長一族で他に13%の株式を保有する。また33%を保有する筆頭株主のディー・ケー・コーポレーションは、川田社長が代表取締役を務める資産管理会社である。社長の関係先で50%以上の株式が保有されており、安定的な株主構成となっている。
リース会社の東京センチュリーが第6位(株主シェア4.1%)の株主として存在する。
尚、少数株主ながら、みずほキャピタル(同0.8%)、高知銀行(同0.8%)、三井住友銀行(同0.5%)が株主として参入している。
■今後の注目ポイント