【目次】
①エヌ・シー・エヌIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/5更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/7更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社エヌ・シー・エヌ
- コード
- 7057
- 市場
- JASDAQスタンダード
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 田鎖 郁夫 /1965年生
- 本店所在地
- 東京都港区港南一丁目7番18号
- 設立年
- 1996年
- 従業員数
- 85人 (2018/12/31現在)(平均39.3歳、年収582.8万円)、連結87人
- 事業内容
- 木造耐震設計ならびにその設計に基づく構造部材の販売
- URL
- https://www.ncn-se.co.jp/
- 株主数
- 33人 (目論見書より)
- 資本金
- 137,270,000円 (2019/02/07現在)
- 上場時発行済み株数
- 3,069,000株(別に潜在株式40,500株)
- 公開株数
- 920,000株(公募560,000株、売り出し240,000株、オーバーアロットメント120,000株)
- 調達資金使途
- システム投資資金、人件費、採用費
- 連結会社
- 3社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/02/22→700~800円に決定
- ブックビルディング期間:2019/02/26 - 03/04
- 公開価格決定:2019/03/05→800円に決定
- 申込期間:2019/03/06 - 03/11
- 払込期日:2019/03/13
- 上場日:2019/03/14→初値1,214円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:エイチ・エス証券
- 大株主
- (有)田杉総行 660,000株 25.89%
- 田鎖 郁夫 578,000株 22.67%
- 杉山 恒夫 410,000株 16.08%
- 双日建材(株) 200,000株 7.84%
- 杉山 義久 199,000株 7.81%
- 山河 和博 90,000株 3.53%
- 伊東 洋路 80,000株 3.14%
- 山川 裕史 50,000株 1.96%
- 鈴間 浩 35,000株 1.37%
- 飯島 靖 28,000株 1.10%
- 業績動向(単位:百万円)売上収益 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/03 連結実績 5,894 125 163 126
- 2018/03 連結実績 6,083 184 229 169
- 2018/12 連結3Q累計実績 4,880 227 254 190
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の平成31年6月11日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 7億3600万0000円(920,000株×800円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 40,500株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
エヌ・シー・エヌ<7057>は木造耐震設計事業を中心に、主に構造計算や建築資材の供給を行っている。良品計画<7453>との合弁会社を設立しており、合弁会社が提供する「無印良品の家」には同社開発のSE工法が標準採用されている。
■事業内容
同社は木造建築の構造計算、建築資材の供給、温熱計算、性能保証及び金融サポートまで一括したサービスを提供する。
主力事業である木造耐震設計事業において、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化している。構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための建築システムである「SE(Safety Engineering)構法」を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて販売する。
登録施工店は2018年3月末時点で514社である。また同社建築資材の生産については、全国の協力構造加工工場を9拠点有しており、2019年3月末までに10拠点とする予定となっている。
■サービスの特徴について
同社はSE構法の木造建築物を登録施工店経由で顧客に提供している。SE構法は、鉄骨造やRC造において主流であったラーメン構法(柱や梁などの軸組によって建物を支える構造)を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにシステム化した、同社独自の木造建築用の建築システムである。
また一般の木造住宅では殆ど構造計算は実施されていないものの、SE構法では鉄骨造やRC造と同じ手法となる、許容応力度計算による構造計算がなされている。
■ビジネスモデル
同社ではSE構法登録施工店ネットワークを通じて、顧客に木造住宅を提供している。施主からSE工法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品を販売する。尚、登録工務店からは登録料及び月会費を受領している。
また「重量木骨の家」という、SE構法を使用した住宅ブランドも展開。地域密着の工務店、住宅会社に設計・施工を依頼するメリット、第三者機関による現地検査、完成保証、長期優良住宅認定等の性能・品質・保証を併せ持つ、住宅の提供が可能である。
一方で、大手ハウスメーカー数社を含むパートナー企業に対し、SE構法のOEM提供も行っている。パートナー企業が規格型住宅を販売する際に、同社が構造計算書を出荷するとともに構造加工品等を販売している。
■関連会社による無印良品の家の提供について
同社は良品計画<7057>と合弁会社MUJI HOUSE(40%の株主シェア、持分法適応会社)を設立。MUJI HOUSEが企画・開発・販売を行う「無印良品の家」にはSE構法が標準採用されている。
尚、同社からMUJI HOUSEに対する販売実績は2018年3月期12億円である。
■業績推移
2016年3月期 売上高55億円、経常利益2.0億円、当期純利益1.1億円
2017年3月期 売上高59億円、経常利益1.6億円、当期純利益1.3億円
2018年3月期 売上高61億円、経常利益2.3億円、当期純利益1.7億円
2019年3月期(予想) 売上高65億円、経常利益2.6億円、当期純利益1.8億円
※2017年3月期より連結決算
着実に増収増益を果たしており、既に事業規模として売上高50億円をオーバーしている。
2019年3月期はQ3の時点で、売上高49億円、経常利益2.5億円であり、通期予想に向けての進捗は順調である。
■財務状況
2018年3月期末時点で資産合計37億円に対して、純資産合計10億円となっており、自己資本比率は28%である。
負債の部において、借入金はないものの買掛金18億円、預り保証金5.6億円が存在する。一方で現預金19億円を保有しており、財務上に特段の懸念事項はない。
■資金使途
今回の株式上場(IPO)により4.3億円の資金調達を行う予定である。調達資金の使途は下記が予定されている。
・既存顧客にリフォームやメンテナンスなどのサービス提供のビジネスモデル開発を目的とする基幹業務システム再構築 3.5億円
・次世代構造設計システム等の開発 0.6億件
主に事業拡大を見据えた、設備資金に充当される予定である。
■株主状況
筆頭株主(株主シェア26%)の有限会社田杉総行は、役員等が保有する資産管理会社。第2位株主(同23%)は田鎖社長、第3位(同16%)は杉山会長であり、役員の関係で60%以上の株主シェアを有している。よって安定的な株主構成である。
尚、金融機関やファンドの株主参入はない。
■今後の注目ポイント