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(画像=お話を伺った『中目黒タップルーム』のマネージャー・Dice Kさん)

昨年は訪日外国人の数が3000万人を突破。来年には東京オリンピック開催も控えており、今後もますます増加していくことが予想されている。急増する訪日外国人客を取り込むべく、今年のうちにインバウンド対策を行なっておきたい飲食店も多いのではないだろうか。

今回は、訪日外国人に人気のビアパブ『中目黒タップルーム』を取材。マネージャーのDice Kさんに、同店が行っているインバウンド対策について話を聞いた。

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(画像=店内にはカウンター席のほかにテーブル席、スタンディング席など様々な席がある)

来店客の5~6割が外国人

静岡県にあるブルワリー「ベアードブルーイング」の直営店である『中目黒タップルーム』は、東京エリアの1号店として2008年にオープンした。

「当店では、ブルワリーから直送される26のタップ(樽生ビール)とハンドポンプで注ぐベアードビールが楽しめます。名物はニューヘイブンスタイルピザ。アメリカのコネチカット州ニューヘイブンという街で誕生したナポリピザの一種です」

日本ではなかなか味わえないピザが楽しめるとあって、来店客の5~6割は外国人客が占めるという。特に広告を出しているわけでもないこの店に、なぜ多くの外国人が集まるのか? その理由をDice Kさんに聞くと、「口コミや店のFacebookページを見て訪れる方が多いですね」との回答。特にFacebookを見て来店する外国人が多いため、新しいメニューやイベントの告知などは日本語と英語の両方で記載しているそうだ。

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(画像=1番人気の「ライジング サン ペールエール」と、少し焦がした皮が香ばしい「ブルワーズパイ」)

英語を話す機会を求めて、英語が得意なスタッフが集まる

外国人客のために準備しなければならないこととしてまず考えられるのが、メニュー等の「英語対応」ではないだろうか。「定番ビールのメニューは、表が日本語で裏が英語になっています。フードのメニューも、すべて日本語と英語を併記してあります」とDice Kさんは語る。

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(画像=ビールのメニューボードは、表裏で日本語版と英語版に変わるので便利)

また、各ビールの名前も「黒船 ポーター」や「島国 スタウト」など、ベアードブルーイングの経営者がアメリカ人ということもあり、あえて“和”を連想させるようなネーミングにしている。こうした工夫も外国人客の興味を引くところなのかもしれない。

「接客するスタッフは英語が話せることが必須ではないですが、募集広告などに『外国人客が多い』と記載しておくと、応募してくるのも外国人客と英語で話せる機会を求めている人が多くなりますね」

外国人スタッフを採用することも多く、スペインやフィリピン、インド出身のスタッフが働いているそう。彼らとのコミュニケーションは英語で行っている。