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1月、2月は飲食店にとっていわゆる「閑散期」だ。営業日数が少ないということもあるが、一般的に売上が落ち込みやすい時期だと言われている。

飲食店が年間を通じて利益を出すためには、閑散期の対策が大切だ。そこで今回は、閑散期にこそ効果を発揮する集客方法や準備のポイントを考えていきたい。

閑散期に対する考え方

1年間の中には「繁忙期」と「閑散期」が存在する。それぞれ年間に2~3か月ずつ、平均的な売上の月は年間に6か月間ほどであることが多い。一般的には1月と、俗に「ニッパチ」と呼ばれる2月と8月は売上が下がりやすい傾向にある。

飲食店の経営においては、繁忙期にできる限り売上を上げることが大切だ。しかし、席数に限りがある以上、売上にも上限はある。よって、閑散期に「できる限り売上を落とさない」ことも年間の利益を確保するためには非常に重要なポイントになる。

とは言っても、閑散期には繁忙期のような集客力は期待できない。同じやり方では費用対効果も悪くなり、スタッフも疲弊してしまう。通常の集客方法ではなく、閑散期に合わせた切り口や企画で集客をしていくことがカギとなる。

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閑散期に効果を発揮する集客の例

1、団体向けプランの充実

閑散期においては、少人数の集客に力を入れるよりも団体予約を1件取ることに注力した方が効率的。2名でも10名でも集客の手間は同じ「1組」と考えることができるからだ。積極的に団体客が獲得できる企画を検討していきたいところだ。

例えば、「10名で予約すると〇〇をサービス」「10名で予約すると〇%割引」など、一定の人数に達するとお得になるような仕組みなどがいいだろう。フルボトルワインがもらえるなどの思い切った企画も効果的だ。

ただし、大人数予約を受けるためには早めの告知が必要になる。繁忙期のうちに告知をしておき、仮予約を受けられるように準備をしておこう。これまでに団体予約をしてくれた客に案内メールを送るのも有効だ。

2、貸切りプランを打ち出す

お店を貸切りたいというニーズは常に一定数ある。貸切りは売上としては大きいが、通常営業ができなくなるため、他の客には歓迎されない傾向も。しかし、閑散期ならば、思い切って前面に打ち出すことも可能だ。

また、貸切りであれば、普段とは違う雰囲気を味わってもらうことができる。例えば、リクエストに応じて通常は提供していない料理を出す、席のレイアウトやBGMを変える……など。パフォーマーなど、貸切りパーティーを盛り上げる演出プランを用意しておくのも一案だ。

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3、常連客向け試食会などの開催

団体プランや貸切りプランは効率的に売上アップするための手段だったが、あえて売上を意識しない方法もある。例えば、常連客向けの新メニュー試食会、ワインの試飲会などだ。会費制でもいいが、店の商品やサービスへの意見がもらえるということで大幅に割引した価格で紹介するのもいいだろう。

試食会のメリットは他にもある。店と客の信頼感が増し、常連客同士の交流にもなるのでリピート率アップにも繋がるのだ。このように、閑散期には集客せずにコミュニティ力の強化にあてたり、次の繁忙期への準備と考える方法もある。

4、お店のコンセプトを伝える食のイベントを開催

食材やメニューの魅力を知ってもらうイベントを企画するのもひとつのアイデアだ。試食や販売コーナーを設けて、食の魅力を感じてもらうきっかけにしよう。フリーマーケットのように、誰でも予約なしで入場できるようにしておけば、店を利用したことがない人にも興味を持ってもらいやすい。

集客費用はチラシ制作費や、試食用の食材などで多くみても数万円程度。イベントとしての収支は赤字になる可能性もあるが、新規客集客の広告費と考えれば割安とも言える。じっくりとお店の内装やスタッフの姿を見てもらえることも集客にはプラスになるだろう。

5、期間限定スタンプラリー

閑散期に複数回来店してもらえるような企画も効果的だ。例えば、期間内に複数のメニューを制覇してもらうスタンプラリーなど。複数店舗を運営している場合には、店舗をまたいだ企画にしてもいいだろう。ちなみに、スタンプラリーはひとり客にはあまり向かないので、カップルやファミリー層をターゲットにするのがコツだ。

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閑散期の準備のコツまとめ

「閑散期」と一口に言っても、店舗ごとにその時期は異なる。まずは前年の売上データなどを参考に、自店の閑散期がいつなのか、しっかりと分析を行うことが大切だ。

また、普段は1〜2名の少人数客がターゲットの場合でも、閑散期には団体客をターゲットにしたり、別の年齢層にアプローチしたりするなど、いつもと違った切り口で集客を心がけてみることも重要。気にはなっていたがなかなか来店できなかったという潜在的な顧客の来店に繋がる可能性もあるからだ。

ちなみに、閑散期に無理な集客をすると、返って傷口を広げることにもなる。繁忙期にしっかり利益を確保しておき、閑散期にはその利益を元手に新しいチャレンジを試みる。そのようなサイクルで進めていければ理想だ。いずれにしても、閑散期には繁忙期以上に斬新なアイデアが必要になる。ぜひ思い切った案を実行して集客に繋げていってもらいたい。

執筆者:大槻洋次郎

(提供:Foodist Media