投資家インタビュー
  1. (上)15億円トレーダー・横這さんが投資と節約を続ける理由
  2. (中)1年で5億円稼いだFXトレーダー・Akiさんの壮大な夢
  3. (下)億り人 立川一さんが語る「投資の目的」と「お金の使い方」

小学生の時にやった株のゲームで株式投資に興味を持った横這勝利さん。PBR(株価純資産倍率)をベースとした割安株投資で資産を増やしたいまでも、1泊1500円のドミトリーを利用し、スーパーの見切り品を買うなど節約を続けている。「安い品を積極的に選ぶのは、悪い選択肢ではない——」。そう話す横這さんにとってお金とは何か?横這さんの投資手法から物事に対する考え方まで、存分に語ってもらった。

億り人
横這勝利(よこばいかつとし)さん
大学生から株式投資を始め、投資歴は20年以上。2011年に1億円、2012年に2億円を達成。その後も増やし続け、現在の資産はおよそ15億円。有名トレーダーたちとの交流もあり、一目置かれる存在のスゴ腕投資家。
投資家連載
(画像=ZUU online)

目次

  1. 小学生から「株式投資」を意識
  2. 「分散投資」と「安定収入」を意識
  3. 経営者の人柄もチェック
  4. 目的を達成できれば安くてもいい
  5. お金は「将来に対する保険」

小学生から「株式投資」を意識

横這氏
(画像=ZUU online)

――総資産が15億円という横這勝利さんですが、40代にしてそれほどの資産を築き上げることができたのはなぜですか?

やはり株式投資が大きいですね。もともと小学生のころ、『松本亨の株式必勝学』というファミコンのゲームで株式投資の存在を知りました。株式投資で目標の金額を作っていくというゲームなんですが、このゲームで「働く以外の方法でもお金を増やすことができるんだ」と思ったんです。それで、小学生ながらに株式投資に興味を持ち、大人になったら株をやるべきだと思うようになりました。

――小学生から株に興味を持っていたとは、かなり早熟な幼少期だったんですね。実際に株を始めたのは?

中学・高校生の頃は売買はできなかったので、新聞の株価欄を毎日保存してパラパラ漫画みたいにして見ていました(笑)。大学生になってから、10万円で「ミニ株」を始めたんです。1990年代後半くらいでしたね。

――当時、どのような投資スタイルだったのでしょうか?

当初はたいした投資手法もなく、値ごろ感だけでやって負け続けましたね。1990年代後半はアジア通貨危機などもあって相場が悪く、保有株のうち4社がいきなり倒産したこともありました……。当時は決算書なんて手に入らず『会社四季報』しかなかったし、いまほど色々な投資手法も普及していなかったんですよ。

四季報
(株式投資を始めた当初から読んでいたという『会社四季報』の数々。)

――大学卒業後は就職したのですか? それとも、すぐに専業投資家に?

大学時代に会計学を専攻していたのですが、大学卒業後は地元に帰って金融機関に就職しました。銀行員として会社の決算書や業績をたくさん見てきたわけですが、この頃に学んだことが、いまも役に立っているかもしれません。

――ということは、横這さんの投資スタイルはファンダメンタルズ分析に基づく投資ということでしょうか?

そうですね。簡単にいえばPBR(株価純資産倍率)を中心とした割安株投資と言っていいと思います。現金と有利子負債がどうなっているか、営業キャッシュフローがプラスかどうかを見ていますね。純資産のある会社はTOB(株式の公開買い付け)や買収の対象になりやすく、2006年ころから「純資産が多く、TOBされそうな銘柄を狙う」という手法を確立することができました。

「分散投資」と「安定収入」を意識

――「横這勝利」というハンドルネームが印象的です。株価が横ばいというのは、普通トレーダーにとってはあまり喜ばしいものではないと思うのですが、なにかこだわりがあるのでしょうか?