(本記事は、水野俊哉氏の著書『成功する人は、なぜリッツ・カールトンで打ち合わせするのか?~あなたを超一流にする40の絶対ルール~』サンライズパブリッシング、2018年2月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
成功者は話し上手、聞き上手が多い
人前に立ってのプレゼンや、講演、さらには結婚式をはじめとするイベントごとで頼まれるスピーチなど、成功者は何かと人前で話をする機会が多い。
そのせいなのか、成功者は話し上手な人が多い。
とはいえ、誰もが最初から先天的に話好きだったというわけではない。人を惹きつける方法をよく心得ている人もいれば、もともとは照れ屋で話下手だったが、スピーチトレーニングを受けたり、イメージコンサルタントなどに立ち居振る舞いのレクチャーを受けているような人もいる。
結果、話し方のプロフェッショナルになっていくのだ。話し方については、先天的なうまい・へたがある一方で、成功者の多くは先天的に「聞き上手」な傾向にある。
そして、その「聞く力」が彼らの人生においてとてつもなくプラスの要素になっていたりする。では、聞き上手であることには、どんなメリットがあるだろうか。
まずは、トレンドが拾いやすいという点。相手の話を聞く機会が多い人は、当然、他人から情報をもらう機会が増える。結果、昨今の社会のトレンドなどを察知する能力が高くなる。
流行の浸透度には何段階かがあると思うが、そのなかで「口コミ」は、有力なジャッジ法のひとつだろう。例えば、ある商品がメディアなどで取り上げられ始めた段階ではまだ「世間一般に普及した」とはいい切れない。
だが、周囲の知り合いからその商品名を具体的に耳にするようになれば、それは「流行した」と肌感覚で感じるようになる。
また、多くの人は「自分の話をする」のが好きだ。仮に内向的な人だとしても、その人の話をしっかりと聞き出すことで打ち解けてもらえるケースも多い。
優れた上司ほど、自分の部下とは頻繁にコンタクトを取り、ヒアリングを欠かさない。たとえばあなたが会社の飲み会などに行ったときに、部下や後輩の話も聞かずに8割方自分の話をしているようなら、その習慣は即刻改めたいところだ。
「8割聞き手:2割話し手」くらいの割合に調整するように心がけよう。
成功者にとってお金は「目標」ではなく「空気」だ
成功者は、「お金」という存在からは解放されていて、彼らがお金のことで頭を悩ませることはほとんどない。そして、「誰かにいくらおごった」「誰かにこのくらいの貸しがある」などといちいち思い返したり、「あのときに払ったお金はもったいなかった」などと過去の出費を悔いたりなど、お金に固執することもない。
なぜ彼らは、お金に縛られない人生を送っているのか。これは少し極論かもしれないが、一定以上の金額を稼ぐようになると、もはやお金の残高を数えるという感覚がなくなり、空気のような存在になっていく。
日本社会の場合、税金や日常における生活コストを考えると、その分岐点となるのは月収300万円くらいではないかと思う。また、人間の物欲には案外限りがあるものだ。
どんなに欲しいものがある人でも、たいていしばらくするとその物欲は満たされるか、収まっていき、さほど無理な買い物や出費をしようとは思わなくなるように思う。
いくらおいしいものでも、毎日ステーキやフレンチのフルコースを食べていると飽きるのと同じことだ。実はこの「お金は空気である」と考える価値観こそが、成功者とそうでない人を切り分ける大きな違いの一つだと思う。
世の中の多くの人が労働する理由は、「お金」という対価を得るためだ。お金があれば食事もできるし、住むところも確保できる。自分がやりたいと思う欲望を、限りなく実現化できるようになる。
だからこそ「お金をたくさん稼ぎたい」「お金を1億円貯めたい」などと、お金をたくさん得ることを目標にする人は多い。
だが成功者たちは、お金を得ることを「目標」にはしない。仮に預貯金の金額が1億円あったとしても、自分のしたいことをせずに貯め込んだままでは、持っていないのと同じことだと彼らは考える。
彼らにとってお金は「目標」ではなく、あって当たり前の「空気」のような存在で、自分の夢や願望を叶えるための「手段」でしかないからだ。
「社会に出て人のために役立つようなビジネスがしたい」「世の中を変えるような画期的なサービスを生み出したい」そういった自分の明確な夢や目標を抱き、その夢を叶えるためなら、お金は惜しまずどんどん使う。
結果、よい循環が生まれて、さらにお金が流れ込んでくるようになる。お金は空気であり、手段である。この感覚に達することができれば、お金に縛られる人生からきっと解放されるはずだ。
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